自動車保険の内容は、担当の方にお任せしていて、言われるがまま加入している方が多いと思います。
言いなりでは自分に合っている保険に加入することは難しいです。
少し手間をかけることで、保険料を抑え、自分に合った自動車保険を選択できます。
その具体的な方法について、8回に分けて解説しています。
それぞれの記事には番号を振っておりますので、順番にご連頂くと理解しやすいです。
今回は、自動車保険の中で基本となる対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、人身傷害保険、車両保険の内容と僕の考え方についてお伝えします。
リスク管理の考え方は人それぞれ異なりますので、保険の保障内容を押さえて、自分で考えて見直しをしていきましょう!
YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は19分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
対人賠償責任保険
相手の車の運転者や同乗者、自分の車の同乗者、歩行者をケガさせたり、死亡させたりした場合に、自賠責保険を超えた分の補償です。
賠償責任の内容は、治療費、慰謝料、休業損害、死亡や後遺障害、事故がなければ得ることができた逸失利益(勤労収入など)などです。
補償額は保険会社により異なりますが、1000万円~無制限に設定できるところが多いですね。
対人賠償責任保険の注意
●家族(父母、配偶者、子)への怪我は保障されない
●台風、洪水または高潮が原因は保障されない
僕の考え方
過去には亡くなって5億円、後遺障害で3億円などの高額な賠償例がありますので、保障は無制限で検討しましょう。
対物賠償責任保険
他人の車や建物など物に損害を与えてしまった場合の補償です。
賠償責任の内容は、車に積んであった商品や物、店舗に衝突し営業できなくなった場合の利益などですね。
補償額は保険会社により異なりますが、1000万円~無制限に設定できるところが多いですね。
僕の考え方
過去パチンコ店への損害で約1億、積荷への損害で約2億と高額な賠償責任が発生している例もあるので、補償は無制限で検討しましょう。
無制限にしていないと、賠償限度額までしか示談交渉できません。
例えば、対物賠償を1000万に限定していた場合、トラックに衝突して中に3000万円の高価な機械を積んでいた場合、保険会社から「1000万円は無条件で支払うので、示談交渉、損害の確定作業はご自身でお願いします」と言われることがあります。
専門知識や経験もない自分自身で、示談交渉、損害の確定作業をするのはとても大変です。
人身傷害補償保険
自分の過失の有無は関わらず、事故したときに自分と同乗車のけがや死亡に備えるための保険です。
対象は、治療関係費、休業損害、逸失利益、介護料、精神的損害などです。
金額は、3000万~無制限で選択できます。
人身傷害補償保険の条件
●自分の車を運転している時
●人の車を運転している時
●他人が運転している車に乗っていて、事故にあいケガをしてしまい、運転者が無保険の時に自分の人身傷害補償保険を使える
●歩いているとき
●自転車・駅のエスカレーターなど自動車の事故でなくても補償に含まれるものもあり
人身傷害補償保険のメリット
●自分の過失の有無は関わらず、事故したときに自分と同乗車のけがや死亡に備えれる
例えば、交通事故による損害額が5000万円で、過失割合が自分:相手=40:60の場合を考えて見ましょう。
人身傷害補償保険がない場合、相手からの賠償は3000万円で、2000万円は自己負担しないといけません。
人身傷害補償保険がある場合、過失の有無は関係ないので自分の過失部分も含めて5000万円全額補償されます。
●早期にお金を受け取れる
示談が成立するためには、通常数ヶ月~1年以上かかることもあるので、それまで一切お金が受け取れなく、立替払いが必要な場合があります。
人身傷害補償保険は、損害内容が固まったら、相手の保険会社との示談が成立する前に支払われるので、支払いが早いです。
●人身傷害補償保険は使っても等級ダウンにならず、翌年の保険料が上がらない
例えば、自分が運転をしていて事故をしてしまい、同乗者が後遺症が残る大けがをしたとします。
対人賠償責任保険使うと、補償はできるのですが、翌年の更新で等級が3等級下がります。等級が下がると翌年からの保険料が上がります。
一方、人身傷害補償保険は使っても、等級ダウンにならず、翌年の保険料が上がりません。
僕の考え
上記メリットを考えるとつけて置いたら良いかと考えます。
金額は、3000万~無制限で選択できますが、僕は無制限で良いかと思います。
等級にもよりますが、3000万円と無制限でそんなに保険料は変わらないことが多いからです。
僕の場合は、月300円程度しか保険料が変わりません。
人により変わりますので、見積もりをしてみて決めても良いかもしれませんね。
車両保険
車両保険は、事故で自分の車が壊れるリスクに備える保険です。
他の補償よりも利用されることが多いので保険料は高いです。
車両保険をつけるかつけないかで保険料が大きく変わりますし、付ける場合でも、タイプや条件により保険料は変わってきますので一緒に考えていきましょう。
車両保険のポイント
●保険料の決まり方
保険料は型式、年式、グレードによって、「車両価格表」というのがあり決まっています。
その金額は、100万~150万のように幅がありその範囲内で設定できます。
一度設定した金額も契約更新毎に金額を減額する必要があります。月日が経つと車の価値が下がるからですね。1年で20%ぐらい下がっていくイメージです。
●一般(フルカバー)と限定(エコノミー)2種類の車両保険がある
一般(フルカバー)では、ほとんどの車両損害に対応できますが、限定(エコノミー)では保障範囲が限定的です。
もちろんたくさんカバーされている一般の方が限定より保険料は高いです。
例えば、東京海上日動の自動車保険だと、下記のように記載があります。
※東京海上日動 自動車保険 パンフレットより
基本的には、限定タイプでは自損事故、当て逃げ、動物との衝突が対象外になっています。
一般と限定の保険料の差は大きいので、ご自身のリスクや使用方法に合わせて選択しましょう。
例えば、田舎に住んでいて、動物との衝突の可能性が高いのであれば一般タイプにするなどです。
限定タイプでも、当て逃げや動物の衝突を対象に含めている保険会社もありますので、自動車保険を入る前に確認しておきましょう。
また、地震・津波・噴火による損害は一般でも限定でも補償されません。
僕の考え
基本車両保険は必要ないと考えます。
不要だと考える理由①
他の保障よりも利用されることが多いので保険料は高いので、保険を活用するのではなく、車両保険に払う保険料を自分で貯蓄をしておいた方が良いと考えるからです。
相手がぶつかってきた場合は、相手が悪い割合は相手の保険からお金がでます。
自分がぶつかった場合は、相手の車に対しては、対物賠償責任保険から支払いできます。
自分の車は車両保険をつけていなかったらお金はでないけど、そうなった場合は、中古でも自分の貯金から購入できる車を購入したらいいと考えます。
また、等級により違うのですが、修理費が20万円以下くらいだと、これから3年間の保険料が上がる金額と修理費を比べると、保険を請求せず、自分でお金を払って直した方が得な場合もあります。
飛び石でのフロントガラスの修理代は10万円程度です。
車両保険を使った方の2021年の平均単価は約32万円と少額です。
もちろん平均なので数万円で使っていることも、数百万円で使っていることもあるかと思います。
車両保険は保険料が高いので、20万円以下の修理の場合、使わない可能性が高いのであれば、軽度の修理費は保険ではなく現金で備える、修理費がすごくかかる場合は廃車にして、その時の貯金から出せる車を買うのが僕の考え方です。
不要な理由②
車両の価格は更新毎に少なくなっていきますので、事故したときに今乗っている車が新車で買えるお金がでてくるとは限らないからです。
修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に、車の再購入費用を元の車の新車価格相当額を限度に保険金として受け取れる新車特約というのがあります。
新車を購入して5年間のみつけることができる特約です。
車屋さんは、この特約をつけて置いたら新しい車を買ってくれやすくなるので勧める傾向がありますが、新車特約をつけることで保険料も上がりますので、付けるかどうかしっかり検討しましょう。
車両保険を検討してもよい人
下記の方は検討しても良いかもしれません。
●免許取り立て、運転に慣れていない人
事故リスクが高い人ですね。
●修理代が手元資金で出せない人
貯蓄が無い人ですね。貯蓄がある人は基本いらないと思います。
●保険があることで日々気持ちが安定する人
お守りのように気持ちの面から安心するのであれば持っておいてもよいかもしれません。
車両保険を安くする検討方法
●免責金額を上手に活用する
免責金額とは保険を使うときの自己負担額のことです。
例えば、免責金額5万円の場合、5万円以下の修理などは自己負担です。
10万円かかれば、5万円自己負担、5万円は保険から支払われます。
免責金額を高くするほど、保険料は安くなります。
免責金額は保険期間の間の1回目の事故と2回目以降の事故で金額設定ができます。
例えば、1回目の事故は自己負担0円、2回目以降の事故は自己負担10万とすることもできます。1年に2回も事故はしないと考え、保険料を安くしたいのであれば、こういったやり方もありますね。
免責金額を設定して、保険を使った場合、免責金額を支払い、翌年からの保険料も上がるので、免責金額を設定しなかった方が良い場合もあるので注意ですね。
またネットで申込するダイレクト型自動車保険などでは、最初から免責金額5-10などに設定されている可能性もあるので、確認しておきましょう。
まとめ
今回は、民間保険の中で基本となる対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、人身傷害保険、車両保険の内容と僕の考え方についてお伝えしました。
リスク管理の考え方は人それぞれ異なりますので、保険の基本を押さえて、自分で考えて見直しをしていきましょう!
次回は、自動車保険の特約(オプション)についてお伝えしますね。
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