・そんなにお金を使っていないはずなのに、なぜか貯まらない。
・お金を使うたびに、これでいいのかと罪悪感がある。
・教育費や老後のお金に、漠然とした不安がある。
・夫婦でお金のこと話したいけど、なぜかできない。
実は、これらは私自身が結婚当初に抱えていた悩みです。
私自身、かつてはこの悩みを解決するために、
・100回以上お金のセミナーに参加
・100冊以上のお金本を読む
・20人以上のお金の専門家と呼ばれている人に相談
とにかく行動しました。
しかし、お金の悩みはいっこうに解決しませんでした。
お金の情報を学べば学ぶほど正解がわからなくなり、
考えることに疲れてしまった時期もありました。
仕事と育児に追われ、心に余裕がなく、
夫婦の会話もぎすぎすしていました。
でも、ある日
「大事なのは、お金を増やすことより、家計を“整えること”」だと気づきました。
収入が増えたわけでも、我慢したわけでもありません。
変えたことは、ただ一つ。
家計を整えたこと。
それだけで、暮らしの感じ方が変わりました。
あなたの悩みはお金が足りないからではなく、
家計がまだ整っていないことが原因かもしれません。
目次
整った家計とは
家族の幸せにお金を集中できている家計です。
実際、
資産1億円あっても不安な人がいます。
一方で、
資産500万円でも幸せに暮らしている人がいます。
「いくら持っているか」ではなく、
「幸せに暮らせる状態か」
がゴールです。
そのために特別な才能は必要ありません。
大切なのは、
考え方と順番です。
考え方や順番を間違えると、
一生懸命頑張っているのに、
理想の生活に近づけないこともあります。
そこで、
私が考える
「家計を整えるために大切な5つの考え方」
と「家計を整える5つのステップ」
をお伝えします。
家計を整えるために大切な5つの考え方
京セラ創業者の稲盛和夫さんは、
「人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」
という言葉を残されています。
能力と熱意は0〜100点。
一方で、考え方はマイナス100点からプラス100点まであります。
つまり、どれだけ能力があり、どれだけ熱意があっても、
考え方がマイナスであれば、
結果も大きくマイナスになってしまうということです。
これは家計でも同じことが言えます。
・NISAで何を選ぶか
・必要な保険をどう備えるか
・どのように節税するか
こうしたノウハウを知ることも大切です。
ただ、どれだけ良い商品や制度を選んでも、
考え方が整っていなければ、お金の不安はなくなりません。
それ以上に大切なのは、
「どんな考え方でお金と向き合うか」です。
家計を整えるために大切な考え方は、次の5つです。
①自分たちにとって大切なことを知る
②家族の納得解を大切にする
③やらないことを決める
④自分で決めるために相談する
⑤長期的・全体的に考える
①自分たちにとって大切なことを知る
多くの人は、
・老後に2,000万円必要だからNISAで積立
・教育費が400万円必要だから学資保険で積立
など、
「必要なお金」から人生を考えます。
もちろん、お金はとても大切です。
ただ、お金を増やすこと自体が目的になると、
本当に大切にしたい人生を見失うことがあります。
本来大切なのは、
「どう生きたいか」です。
家や教育、収入も、
幸せになるための手段です。
大きい家を買えば幸せ?
例えば、
大きな家に住みたいと思う人もいます。
広いリビング。
休日には友人家族が遊びに来て、子どもたちが走り回る。
庭でBBQをして、夜はみんなで笑いながら食事をする。
もしそんな時間が増えるなら、
大きい家には意味があります。
でも、
・家族がバラバラ
・会話が少ない
・誰も遊びに来ない
状態なら、
大きい家そのものが幸せを作るわけではありません。
本当に欲しいのは、
「大きい家」ではなく、
「家族や友人と心地よく過ごす時間」
なのかもしれません。
1億円あっても、幸せではない人もいる
若い頃から節約を頑張り、
65歳で資産1億円を築いたとしても、
・足腰が悪くなり旅行に行けない
・健康を害し好きなものが食べられない
・親しい友人や家族との時間が少ない
そんな状態なら、
お金はあるのに、
人生を十分に楽しめていないかもしれません。
今と将来のバランス
もちろん、
老後のお金を準備することは大切です。
しかし、
人生には、
・子どもが小さい今
・親が元気な今
・自分が健康な今
しかできないことがあります。
「お金が貯まったらやろう」
「仕事が忙しいからまた今度」
と思っているうちに、
子どもは成長し、
親は年を重ね、
自分の体力も変わっていきます。
大切なのは、
将来のためだけに生きることでも、
今だけを楽しむことでもありません。
今と将来のバランスを考えながら、
自分たちにとって本当に大切なことに、
時間とお金を使うことです。
だから私は、
家計を考える前に、
まず「どんな人生を送りたいのか」
を考えることが大切だと思っています。
それが見えてくると、
・お金の使い方
・時間の使い方
・働き方
・優先順位
も自然と見えてきます。
❌ お金から人生を考える
⭕ 人生からお金を考える
② 家族の納得解を大切にする
家計に正解はあると思いますか?
私は、家計の正解はないと考えています。
なぜなら
家族構成も、
収入も、
価値観も、
理想の生活も違うからです。
変動金利と固定金利どっちを選ぶ?
例えば、
住宅ローンの
「変動金利と固定金利」
もそうです。
YouTubeを見ていると、
「変動金利がいい」動画を見たあとに、
「固定金利にしないと危険」動画が出てきます。
そして、さらに不安になります。
大切なのは、
「どちらが得か」
ではありません。
本質は、
「金利が上がっても自分たちが対応できるか」です。
・貯蓄や収入に余裕がある
・金利上昇時に繰上返済できる資産がある
であれば、
変動金利を選ぶ考え方もあります。
逆に、
金利上昇が不安で夜も眠れないなら、
固定金利の方が合っているかもしれません。
自分たちに目を向けて考える
自分たちに目を向けて考えることが重要です。
・変動金利か固定金利か
・繰り上げ返済をするかしないか
・持ち家か賃貸か
・NISAかiDeCoか
も正解を探すのではなく、
自分たち家族に合った選択をすることが大切です。
❌ 正解探しをする
⭕ 家族の納得解を重視する
③ やらないことを決める
世の中には、
・今が株を買うタイミング
・この投資なら年利30%確約
・貯蓄保険ならこの商品がおすすめ
など、
お金を増やす情報があふれています。
みなさんにとってこの情報は必要ですか?
実は、これらの情報は考える必要がないことです。
・今が株を買うタイミング
→未来は誰にも分かりません
・この投資なら年利30%確約
→まず疑ってください
・貯蓄保険ならこの商品がおすすめ
→お金を貯める目的であれば、貯蓄保険の選択は基本ない
たくさんのお金を増やす情報
そのほとんどは、
あなたに必要のない情報です。
あなたに本当に必要な情報は、
ほんの一部しかありません。
やることを増やすのではなく、
やらないことを決める意識が重要です。
❌ 足す。いろいろなことに手をつける
⭕ 引く。やらないことを決める
④自分で決めるために相談する
人生の大切な決断を、
誰かに任せきりにしていませんか?
誰に相談し、どう決断するかで、
人生は大きく変わります。
誰が自分たちにとって良い専門家なのか、
判断するのは難しいですよね。
その判断をするため、
お金の相談をする前に、
まずは基礎知識を学ぶことが大切です。
保険の相談なら保険の基礎知識。
住宅ローンの相談なら住宅ローンの基礎知識。
投資の相談なら投資の基礎知識。
最低限の知識があるだけで、
提案された内容が、
自分たち家族に合っているのか判断できるようになります。
逆に、
何も知らないまま相談すると、
その提案が良い提案なのか、
そうではないのか判断できません。
結果として、
相談は無料でも、
割高な商品や必要のない商品を買ってしまい、
損することもあります。
一番よくあるのは貯蓄保険ですね。
保険の相談は無料です。
NISAやiDeCoより、手数料が高い貯蓄保険で投資を始める。
目に見えない手数料をたくさん払い、知らない間に損をしている。
家計がうまくいく人は、
専門家の言いなりになるのではなく、
きちんと自分で選んだ専門家から学びながら、
最後は自分たちで決めています。
❌ 何を買うのか、どうやってやるのかノウハウを聞く
⭕ 自分で決めるために相談する
⑤ 長期的・全体的に考える
全体的に考える
たとえば、
手元にある余裕資金300万円を、
住宅ローン(35年ローン、金利0.5%)の繰り上げ返済に使うのか、
投資に回すのか。
どちらを選択しますか?
300万円繰り上げ返済すると、
確実に46万円
利息削減できます。
一方で、
300万円を投資した場合。
例えば、
35年間運用した場合、
・年1% → 約104万円利益
・年4% → 約673万円利益
など、
住宅ローンの利息削減効果を大きく上回る可能性があります。
どちらが正解ではありません。
大切なのは、
住宅ローンだけ、
投資だけで考えるのではなく、
家計全体で判断することです。
長期的に考える
私は家計の判断をするとき、
「100歳の自分が振り返ったときに、どちらを選んで良かったと思えるか」
という視点を大切にしています。
例えば、
健康が不安だからと、
医療保険にお金を使うという考え方もあります。
一方で、
・健康診断を受ける
・適度に運動する
・バランスの良い食事を心がける
・十分な睡眠をとる
など、
健康そのものにお金を使うという考え方もあります。
100歳になった自分が、
「病気になったときのお金を準備していて良かった」
と思うのか、
「健康な体を維持できて良かった」
と思うのか。
もちろん正解はありません。
目先のことだけではなく、
将来の自分がどうありたいかを考えながら、
長期的視点で選択することが大切です。
❌ 短期的・部分的に考える
⭕ 長期的・全体的に考える
人生全体で考えると、やるべきことは意外とシンプル
複雑に考える必要はありません。
やるべきことは、次の4つだけです。
① 家計改善
今と将来のバランスを考え、
家族の幸せにお金を集中できる状態をつくる。
② お金の価値を守る
インフレによって、
お金の価値は少しずつ目減りしていきます。
投資を活用しながら、
お金の価値を守る。
投資は、お金持ちだけがするものではありません。
お金の価値を守るのは全員が考えるべきことです。
③ 優遇税制の活用
・NISA
・iDeCo
・ふるさと納税
など
国が用意している制度を活用する。
④ リスク管理
人生は予定通りには進みません。
・万が一亡くなったら
・病気で働けなくなったら
・自動車事故を起こしたら
・家が火災になったら
コツコツ100万円貯めても、
自動車事故で数千万円の請求が来たら、
「貯金頑張っててよかった」
とはなりません。
こうした大きなリスクに備えるために、
貯蓄・保険・公的制度を活用する。
家計を整える5ステップ
お金の情報はたくさんあります。
NISA、保険、住宅ローン、節税など、
調べれば調べるほど、
「結局何が正解なの?」
と悩んでしまう方も少なくありません。
その状態で行動すると、
・勧められた商品をそのまま購入してしまう
・自分たちに合わない選択をしてしまう
・後から別の情報を見て不安になる
ことがあります。
一方で、適切な順番で考えることで、
・自分たちに必要な商品やサービスを選べる
・家族に合った選択ができる
・後から別の情報を見ても迷いにくくなる
ようになります。
「家計を整えるために大切な5つの考え方」を踏まえながら、
次の5ステップの順で進めていきましょう。
STEP① 理想の生活を描く(ゴールを決める)
STEP② 現状の改善点を把握する(課題を知る)
STEP③ 考え方と基礎知識を身につける(判断力をつける)
STEP④ 実行する (行動する)
STEP⑤ 安心が続く仕組みをつくる(自動化・定期点検)
STEP① 理想の生活を描く
ここがすべての土台になります。
目的は資産を最大化することではなく、
家族が安心して幸せに暮らせる状態を作ることです。
どんな人生を送りたいのか。
どんな家族になりたいのか。
何にお金を使いたいのか。
まずは、
家族にとっての幸せを明確にします。
理想の生活が決まると、
お金の優先順位が決まります。
STEP② 現状の改善点を把握する
理想の生活が決まったら、
今の状況とのギャップを把握します。
最初に確認するのが、改善効果が大きく、
一度見直すと効果が長く続きやすい次の8項目です。
• 生命保険
• 自動車保険
• 火災保険
• 通信費
• 税金
• ポイント活用
• 住宅ローン
• 投資
私の経験
私自身、
この項目を見直したことで、
年間約50万円改善しました。
※これは私自身の一例です。家族構成や収入によって効果は異なります。
| 改善前 | 改善後 | 年間改善額 | |
|---|---|---|---|
| 生命保険 | 31.4万円 | 13.9万円 | 17.5万円 |
| 通信費 | 16.8万円 | 12万円 | 4.8万円 |
| 税金・優遇制度活用(iDeCo・ふるさと納税) | 0円 | 14.1万円相当 | 14.1万円 |
| ポイント活用 | 0円 | 12万円相当 | 12万円 |
| 自動車保険 | 8.2万円 | 6.5万円 | 1.7万円 |
| 火災保険 | 変更なし | 変更なし | 0円 |
| 住宅ローン | 変更なし | 変更なし | 0円 |
| 合計 | 約50万円 |
年間50万円は、
10年で500万円。
30年で1,500万円。
長い人生では、
数千万円の差になることもあります。
収入が同じでも、
理想の生活を実現できる人と、
ずっとお金の不安を抱える人がいるのは、
こうした積み重ねの差です。
STEP③ 考え方と基礎知識を身につける
家計を整えるうえで、
最も大切なのは、
自分で判断できるようになることです。
「自分で決めた」と思えること。
その積み重ねが、揺るがない安心につながります。
私はよく、
「魚ではなく魚の釣り方を学ぶことが大切」
とお伝えしています。
魚とは解決策。
魚の釣り方とは、
情報を判断する力です。
手軽な解決策は、そのときは助かりますが、
ずっともらい続けないといけません。
・この保険がおすすめ
・NISAならこの商品がおすすめ
・住宅ローンは変動金利がおすすめ
解決策で決めると、
他の人が逆のことを言っているのを聞いて不安になります。
それがずっと続きます。
本当の安心は手に入りません。
私の役割は魚を渡すことではなく、魚の釣り方をお伝えすることです。
STEP④ 実行する
知識を得るだけでは家計は変わりません。
判断できる状態になったら、次は実行です。
家計の見直しは、
正直面倒です。
だからこそ、
少しずつ何年もかけるのではなく、
短期間で一気に終わらせる方が楽です。
一度整理してしまえば、
その効果は何年も続きます。
早ければ早いほど効果は大きくなるので、
思い立った今、是非一気にやってみてください。
STEP⑤ 安心が続く仕組みをつくる
・お金に振り回されない
・お金のことばかり考えない
・今ある幸せに気づける
・家族との時間を楽しめる
お金の不安に追われる時間を減らし、
人生で本当に大切なことに目を向けられるようにする。
そのために、
日々お金の不安を考えなくても済む
安心が続く仕組みを整えていきます。
家計の流れをシンプルにし、
貯蓄や投資を自動化する。
そして、
ライフステージの変化に合わせて定期的に見直していく。

1級FP 磯山裕樹