住宅ローンを組むとき、
「定額型と定率型、どっちがお得ですか?」
という質問はとても多いです。
実は、
どちらが有利かは、
「何年で返す予定か」
によって変わります。
住宅ローンの「定額」と「定率」とは?
住宅ローンの事務手数料には、
・定額タイプ
・定率タイプ
の2種類があります。

出典:中国銀行HP ※2027年4月 中国銀行固定金利
大きな違いは、
・ローン手数料
・金利
です。
① 定額タイプ
(例:33,000円など)
・メリット
ローン手数料が安い
(借入額に関係なく一定額)
・デメリット
金利が高め
(定率より+0.2%前後)
② 定率タイプ
(例:借入額の2.2%など)
・メリット
金利が低いことが多い
→ 総支払額が安くなりやすい
・デメリット
ローン手数料が高い
例:3,000万円 × 2.2% = 66万円
どっちを選ぶ?
短期間で返済する場合 → 定額
理由は、
金利差の影響が小さいため、
手数料の安さが有利になりやすいからです。
長く借りる場合 → 定率
理由は、
長期間になるほど、
低金利メリットが大きくなるからです。
具体例

出典:中国銀行HP ※2027年4月 中国銀行固定金利
【前提条件】
・本体価格:3,500万円
・手数料
定率:2.2% → 77万円
定額:3.3万円
・借入額
定率:3,577万円
定額:3,503万円
【返済期間による比較】
| 返済 期間 |
毎月返済 (定率) |
毎月返済 (定額) |
総返済額 (定率) |
総返済額 (定額) |
有利 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10年 | 約335,000円 | 約332,000円 | 約4,020万円 | 約3,984万円 | 定額(約36万円差) |
| 17年 5ヶ月 |
約200,800円 | 約200,500円 | 約4,197万円 | 約4,191万円 | ほぼ同じ(約6万円差) |
| 35年 | 約125,900円 | 約127,900円 | 約5,287万円 | 約5,372万円 | 定率(約85万円差) |
| 50年 | 約101,800円 | 約104,100円 | 約6,108万円 | 約6,247万円 | 定率(約139万円差) |
・返済期間が17年より短い → 定額
・返済期間が17年より長い → 定率
さらに、
長ければ長いほど、定率が有利
になりやすいです。
繰上返済した場合は?
【前提】
・定率:3,577万円/2.35%
・定額:3,503万円/2.6%
金利差:0.25%
手数料差:約74万円
・35年ローン
・繰上返済:期間短縮型
【10年後に繰上返済した場合】
| 繰上返済額 | 結果 |
|---|---|
| 500万円 | 約60万円差(定率有利) |
| 1,000万円 | 約30万円差(定率有利) |
| 1,400万円 | ほぼトントン |
| 1,500万円 | 定額がやや有利 |
10年後に約1,400万円前後の繰上返済で、ようやくトントンです。
【20年後に繰上返済した場合】
| 繰上返済額 | 結果 |
|---|---|
| 500万円 | 約78万円差(定率有利) |
| 1,000万円 | 約70万円差(定率有利) |
| 1,800万円 | 約45万円差(定率有利) |
20年後の残債
定率:約1,900万円
定額:約1,850万円
→ほぼ完済しても逆転しません。
多くの人が繰上返済を考えるのは、
住宅ローン控除が終わる10〜13年後です。
ただ、
そのタイミングでは、
「かなり大きな繰上返済」をしないと、
定額が有利になりにくいです。
最終結論
・17年以内に完済できる → 定額
・それ以外 → 定率
また、
繰上返済する人でも、基本は定率
になるケースが多いです。
※短期間で大きく返済できる場合のみ、定額が有利になりやすい。
次回は、「元利均等と元金均等どっちを選ぶ?」についてお伝えします。

1級FP 磯山裕樹