自動車保険を見直すときに、「ドライブレコーダー特約」をすすめられることがあります。
ドライブレコーダー特約とは、自動車保険に特約をつけることで、保険会社から通信機能付きのドライブレコーダーを借りて使える仕組みです。
市販のドライブレコーダーと同じように、事故やあおり運転などの映像を記録できます。
ただし、保険会社のドライブレコーダー特約は、単に映像を録画するだけではありません。
事故時に自動で保険会社や専用デスクへ連絡されたり、SOSボタンでオペレーターとつながれたり、事故映像や位置情報が送信されたりする機能があります。
一方で、保険会社ごとに使えるドライブレコーダーの種類や機能は違います。
今回比較するポイントは、次の4つです。
- どこまで撮れるか
- 駐車中も録画できるか
- その他サービスに違いはあるか
- 費用や割引はどうなっているか
この記事では、東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損保のドライブレコーダー特約を比較しながら、どのように選べばよいのかを整理します。

そもそもドライブレコーダーが必要なのか、市販のドライブレコーダーと保険会社のドラレコ特約のどちらを選ぶべきかについては、次の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】ドライブレコーダー特約は必要?市販ドラレコとの違いや選び方
目次
まず共通していること
各社のドライブレコーダー特約には違いもありますが、共通している部分もあります。
主な共通点は、次の3つです。
事故時の自動通報
一定以上の衝撃を検知した場合に、保険会社や専用デスクへ自動で連絡される仕組みがあります。
事故時には、自分で冷静に保険会社へ連絡できないこともあります。
そのため、事故を検知して自動で連絡される仕組みは、ドライブレコーダー特約の大きなメリットです。

SOSボタン・手動通報
事故として自動検知されない場合でも、ボタン操作でオペレーターとつながれる仕組みがあります。
たとえば、次のような場面です。
- あおり運転を受けた
- 体調が悪くなった
- 車のトラブルが起きた
このようなときに、SOSボタンなどで相談できるのは安心です。
画質はおおむねフルHD・約200万画素クラス
ドライブレコーダーの画質については、各社ともおおむねフルHD・約200万画素クラスです。
そのため、画質そのものについては、各社で大きな差をつけて考えなくてもよいと思います。

各社の違いを一覧で確認
まずは、各社のドライブレコーダー特約を一覧で見てみましょう。
| 保険会社 | 商品・端末 | 月額目安 | 前方録画 | 後方録画 | 車内撮影 | 360度撮影 | 駐車中録画 | 安全運転サポート | 事故時の駆けつけ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 新型・事故自動通報ドラレコ | 500円 | ○ | × | ○ 後方130度 | × | × | × | × |
| 東京海上日動 | 2カメラ一体型ドラレコ | 850円 | ○ | ○ 別売リアカメラ | ○ 後方145度 | × | ○ | ○ | × |
| 三井住友海上 | プレミアム ドラレコ型 | 1,200円 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| 損保ジャパン | つながるドラレコ Driving! | 980円 | ○ | ○ 別売リアカメラ | × | × | × | ○ | ○ ALSOKかけつけ安心サービスあり |
| あいおいニッセイ同和損保 | タフ・見守るクルマの保険プラス | 約650円程度 | ○ | ○ 別売リアカメラ | ○ 別売インカメラ | × | × | ○ | × |
この表を見ると、保険会社ごとに違いがあることが分かります。
特に大事なのは、次の4つです。
- どこまで撮れるか
- 駐車中も録画できるか
- 安全運転サポートや駆けつけサービスがあるか
- 費用
比較1:どこまで撮れるか
ドライブレコーダー特約を選ぶときに、まず確認したいのは撮影範囲です。
保険会社のドライブレコーダー特約は、市販のドライブレコーダーのように、好きな機種を自由に選ぶものではありません。

基本的には、その保険会社が用意している端末を使います。
そのため、「どこまで撮りたいか」で選ぶと分かりやすいです。
| 撮影したい範囲 | 考え方 | 対象ドラレコ |
|---|---|---|
| 前方だけでよい | 最低限、前方の事故映像が残ればよい | どれでも候補 |
| 後方も撮りたい | あおり運転や追突への備えを重視したい | 東京海上日動2カメラ一体型+別売リアカメラ、三井住友海上プレミアム、損保ジャパン+別売リアカメラ、あいおいニッセイ同和損保+別売リアカメラ |
| 360度撮りたい | 前方だけでなく、側方・後方まで広く残したい | 三井住友海上プレミアム |
前方だけでよい場合は、基本的にどの会社でも候補になります。
あおり運転や追突への備えを重視するなら、後方録画に対応しているものを選ぶ必要があります。
この場合は、別売リアカメラをつけるか、車内カメラで後方まで撮るタイプを選ぶ形になります。
360度撮影まで重視する場合は、三井住友海上のプレミアム ドラレコ型が分かりやすい選択肢です。
このように、まずは「自分はどこまで撮りたいのか」を決めると、候補を絞りやすくなります。
比較2:駐車中に録画できるか
次に重要なのが、駐車中録画です。
スーパー、病院、マンション、職場などの駐車場で、知らない間に当て逃げされる可能性があります。
そのときに、自分が車に乗っていなくても録画できるかどうかは、大きな違いになります。
| 保険会社 | 商品・端末 | 駐車中録画 |
|---|---|---|
| 東京海上日動 | 新型・事故自動通報ドラレコ | × |
| 東京海上日動 | 2カメラ一体型ドラレコ | ○ |
| 三井住友海上 | プレミアム ドラレコ型 | ○ |
| 損保ジャパン | つながるドラレコ Driving! | × |
| あいおいニッセイ同和損保 | タフ・見守るクルマの保険プラス | × |
駐車中録画に対応しているのは、東京海上日動の2カメラ一体型ドラレコと、三井住友海上のプレミアム ドラレコ型です。
一方で、損保ジャパンのつながるドラレコ Driving!と、あいおいニッセイ同和損保のタフ・見守るクルマの保険プラスは、駐車中録画には対応していません。
駐車場での当て逃げ対策を重視する場合は、東京海上日動の2カメラ一体型か、三井住友海上のプレミアムが候補になります。
比較3:その他サービス
その他サービスとして見るなら、主に次の2つです。
- 安全運転サポートがあるか
- 事故時に警備会社が駆けつけてくれるか
| 保険会社 | 商品・端末 | 安全運転サポート | 事故時の駆けつけ |
|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 新型・事故自動通報ドラレコ | × | × |
| 東京海上日動 | 2カメラ一体型ドラレコ | ○ | × |
| 三井住友海上 | プレミアム ドラレコ型 | ○ | × |
| 損保ジャパン | つながるドラレコ Driving! | ○ | ○ ALSOKかけつけ安心サービスあり |
| あいおいニッセイ同和損保 | タフ・見守るクルマの保険プラス | ○ | × |
安全運転サポート
安全運転サポートとは、前方車両への接近、車線逸脱、急ブレーキ、急ハンドルなどを検知し、注意喚起してくれる機能です。
東京海上日動の新型・事故自動通報ドラレコは、自動通報に機能を絞った低価格モデルのため、安全運転サポートは対象外として整理しています。
安全運転サポートを重視するなら、東京海上日動の2カメラ一体型、三井住友海上、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損保が候補になります。
事故時の駆けつけサービス
事故時の駆けつけサービスで分かりやすいのは、損保ジャパンです。
損保ジャパンには、ALSOKかけつけ安心サービスがあります。
事故時に警備会社が現場へ来てくれる安心感を重視する方は、損保ジャパンも候補になります。
比較4:費用と割引
ドライブレコーダー特約の費用は、おおむね月500円〜1,200円程度です。
| 保険会社 | 商品・端末 | 月額目安 | 割引 |
|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 新型・事故自動通報ドラレコ | 500円 | × |
| 東京海上日動 | 2カメラ一体型ドラレコ | 850円 | × |
| 三井住友海上 | プレミアム ドラレコ型 | 1,200円 | ○ 3年間継続後、4年目以降は月840円 |
| 損保ジャパン | つながるドラレコ Driving! | 980円 | ○ 運転特性スコア80点以上で翌年度5%割引 |
| あいおいニッセイ同和損保 | タフ・見守るクルマの保険プラス | 約650円程度 | ○ 運転実績により割引あり |
必要な機能を決めてから費用を確認しよう
ドライブレコーダー特約を選ぶときは、次の3つを総合的に見て判断すると分かりやすいです。
1.カメラでどこまで撮りたいか
- 前方だけでよいのか
- 後方も必要なのか
- 360度まで撮りたいのか
2.駐車中録画が必要か
駐車場での当て逃げが心配なら、東京海上日動の2カメラ一体型か、三井住友海上のプレミアムが選択肢になります。
3.その他サービスを重視するか
- 安全運転サポートが必要か
- ALSOKの駆けつけサービスに魅力を感じるか
この3つを確認したうえで、最後に費用を見ればよいと思います。
ドライブレコーダー特約を選ぶときは、費用だけでなく、どのような場面に備えたいかを考えることが大切です。
前方・後方・360度のどこまで録画したいのか、駐車中録画や安全運転サポートが必要なのかを整理したうえで、自分に合う保険会社や端末を選びましょう。
特約保険料は月500円〜1,200円程度が目安です。必要な機能を確認したあと、その金額を負担してでもつけたいかを判断すると分かりやすいと思います。

1級FP 磯山裕樹