がん団信とは
住宅ローン契約者が「がん」と診断された場合に
ローン残高が0円(または半分など)になる保障です。

メリット
メリットは次の2つです。
①「がん=住宅ローン完済」という安心感
最大の固定費(住宅費)がなくなるため、
家計へのインパクトは非常に大きい
②民間保険では再現しにくい大きな保障
民間のがん一時金は
一般的:100万〜300万円
一方でがん団信は
数千万円規模(住宅ローン残高)
→大きな保障が得られる
デメリット
デメリットは次の3点です。
①使う確率はそこまで高くない
がんになる確率は年齢とともに上昇します。
≪年齢別団罹患率:男性≫

出典:厚生労働省「2023年 全国がん登録 罹患数・率報告」
≪年齢別団罹患率:女性≫

出典:厚生労働省「2023年 全国がん登録 罹患数・率報告」
・20〜40代:0.02〜0.18%
・50代:0.3〜0.6%
・60代:1.0〜1.8%
・70代:2.6〜3.5%
発症リスクは後半に高まるため、
残高が大きい前半での発動確率は相対的に低い
②条件が厳しいこともある
・上皮内がんは対象外のケースが多い
→「がん=必ず完済」ではない点に注意
一方で民間保険は
上皮内がんも対象になる商品が多い
③途中でやめられない
住宅ローンに組み込まれるため
完済まで見直しができない
判断のポイント
「がんになったときに困るのは何か?」
多くの場合
① 働けなくなることによる収入減
② 保険適用外の治療費
※保険診療内は高額療養費制度で上限あり
がん団信は
住宅費という固定費をゼロにすることで、
収入減の影響を“間接的に”小さくする
ただし
がん以外の病気やケガでも働けなくなる可能性あり
そのため
がんに限らず、働けなくなるリスクに備えるなら
就業不能保険などの方が本質的な対策になります。
団信保険料イメージ
とはいえ、保険料は、
一般的には+0.1%程度上乗せで高くありません。
(例)
・借入:3,000万円
・期間:35年
・がん団信:+0.1%
・返済:元利均等
≪年ごとのイメージ≫
・1年目:約3.0万円
・5年目:約2.7万円
・10年目:約2.3万円
・20年目:約1.5万円
・30年目:約0.6万円
※ローン残高の減少に伴い、実際の負担も年々減っていきます。
平均:約1.7万円/年
月あたり:約1,500円程度
民間保険の例
(例)
FWD生命
がん診断一時金:50万円(終身保障)
30歳・男性
保険料:約1,687円/月(終身払い)
一時金は少額だが
一生涯の保障が持てる
私の考え
がん保障が必要と考える場合は
若い時の低確率に備えて大きな保障を取る→がん団信
高齢期の高確率に備えて一生涯カバーするか→民間の終身がん保険
合理性重視
→ つけなくてもOK
(収入減に備えるなら就業不能保険の方が本質的)
安心重視
→ つけてもOK
(住宅という大きな固定費が確実に消える安心)
迷う場合
→ 負担はそこまで大きくないため、加入も選択肢

1級FP 磯山裕樹