前編ではNISAの概要について、そして今回、後編ではNISAのよくある落とし穴、NISAを使いこなす実践法についてお話します!
YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は16分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
目次
本日の結論
NISAのよくある5つの落とし穴にはまらないようにしましょう!
①NISAだから必ず利益がでるとは限らない!
②一度選んでも、NISA、積立NISAどちらかをずっと継続する必要はない!
③NISA口座の中身のものを入れ替えると非課税枠が消滅する!
④ロールオーバーって何?
⑤NISAだからこそ損することがある!
NISA実践のポイントを参考に、ご自身の状況に合わせて実践していきましょう!
①大切なのはNISAという箱に何を入れるか利益を出すにはどうしたら良いかを目的に考える
②NISAの枠にとらわれない!まず長期運用のお財布と短期のお財布に分ける!
③皆がやっているからという理由でやらない!やらない方が良い場合もある!
NISAのよくある5つの落とし穴
落とし穴①NISAだから必ず利益がでるとは限らない!
前編でお伝えしましたが、NISAは単なる利益が非課税になる箱でしたね。
しかし、NISAだから必ず利益がでるとは限らないのです。
詳しくは「NISA前編」を参照ください!
大切なのはNISAという箱に何を入れるかです。
ご自身のご家族、環境、年齢などに合わせて何を入れるかを考えましょう!
落とし穴②一度選んでも、NISA、つみたてNISAどちらかをずっと継続する必要はない!
1年毎にNISAを使うか、つみたてNISAを使うかを選択できます。
つまり、今年はNISAで120万円を利用し、来年からはつみたてNISAで40万円利用しようということができるんですね。
落とし穴③NISA口座の中身のものを入れ替えると非課税枠が消滅する!
中身を入れ替える(スィッチング)と非課税枠が終了します。
例えば、120万円をNISA口座で商品Aに投資をして、その後、商品Aの一部20万円を売却して、商品Bを購入した場合、空いた空いた枠の再利用はできないので、新しく購入した商品Bは非課税にはなりません。
NISA口座に残っている100万円に対しては非課税が継続されます。
ちなみに、iDeCoは中身を入れ替えても非課税枠を継続できます!
落とし穴④ロールオーバーって何?
NISAにはロールオーバーがあるって聞くが何??
このあたりからよくわからなくなってしまう方が多いので分かりやすく解説します。
ロールオーバー=非課税枠の延長です。
一般NISAには、延長がありますが、つみたてNISAには延長はありません。
一般NISAで5年経つと選択肢は3つ
【1】 売却して現金にする
【2】 税金がかかる箱(口座)に移動する
【3】 ロールオーバーを使って非課税期間を5年延長する
5年経って何もしなければ、【2】の税金がかかる箱に移動します。
【3】ロールオーバーを利用して非課税期間を延長するには手続きを行う必要がありますので、忘れずにしてくださいね。
「延長できるのであれば皆延長した方が良いのでは?」ここでよくある質問です。
実はロールオーバーで延長すると、延長した年のNISA口座が活用できなくなります。
図を例にすると、2016年の一般NISA口座は2020年で5年になりますね。
2016年の一般NISA口座について、2021年にロールオーバーを利用すると2021年の新たなNISA口座での投資ができなくなるということです。
一般NISAの120万円の枠のうち、ロールオーバーしなかった残りのNISA枠は新規投資が可能です。
図の例で言うと、一般NISAのロールオーバーをする金額が30万円だった場合は、NISA枠の残り90万円は新規投資が可能ということです。
また、投資したNISA口座の中身が120万円以上に値上がりしていた場合は、120万円を超えていてもロールオーバーできるので安心してくださいね。
図の例で言うと、NISA口座の中身が130万円になっていますが、120万円ではなく、130万円非課税口座として延長ができるということです。
落とし穴⑤NISAだからこそ損することがある!
「NISAで得はすることがあっても損することはない!?」そう思っている方いらっしゃいますか?実は通常の口座でしていた方が得するパターンもあるのです。
NISAだからこそ損するパターン①5年後値下がりしていた時
例えば、NISA口座で120万円投資したものが、5年後60万円に値下がりしてしまい、ロールオーバーを利用せず税金がかかる口座に移動したとします。
その後、当初投資をした120万円まで値上がりした場合、その120万円を現金化すると120万円を受け取ることができるでしょうか?
実は、120万円を受け取ることはできないのです。
税金がかかる口座に移動した金額を基準として税金が計算されるので、60万円が120万円に値上がりしたとみなされ、利益60万円の20%の12万円の税金がかかり、手取りは108万円になってしまいます。
もし、この場合にNISA口座を利用せず、通常の口座を利用していた場合、120万円投資したものが120万円に戻るだけなので税金はかからず、120万円の手取りになります。
NISA口座を利用したことでかえって損をしてしまうこともあるので、NISA口座の出口もきちんと考えておくことが大切ですね!
NISAだからこそ損するパターン②損益通算ができず損失を活かせない
こんな場合どうでしょうか?
2つの通常の税金がかかる口座を持っており、A口座では10万円の利益がでて、B口座では3万円の損失が出ている場合、利益10万円の20%の2万円の税金がかかるでしょうか?
実は通常の口座であれば、損益通算ができて、取引で損が出た場合、利益と損失を通算することができます。この場合、利益10万円から損失3万円を引いた7万円に対して税金がかかるので1.4万円になります。
NISA口座では損益通算ができず、損失を活かせないので、例えばNISA口座で3万円の損がでていたとしても、損失を通算することはできないので、利益10万円に対して税金が2万円かかることになります。
NISAの実践法
「NISAとつみたてNISAどっちをしたらいいの?」
「つみたてNISAの方が非課税期間も長くて、総額もたくさんできるのでお得なの!?」
良くある質問です。
まず、大前提としてNISAは余裕資金が行うことが大切です。
今話題のS&P500の過去の推移を見てみると、長期的には株価は上昇していますが、リーマンショック時は一時的に資産が半減しています。この時期にお金が必要で取り崩した人は損失になってしまいますね。
開始してすぐリーマンショックが起きても大丈夫なような余裕資金で実践しましょう!
では「NISAとつみたてNISAどっちをしたらいいの?」という質問ですが、僕の回答としては、NISAの枠にとらわれず、1年で40万円以上投資する方はNISA、40万円以下の方はつみたてNISAで良いかと思います。
一般NISAよりつみたてNISAをした方が良いのではと考えている人は多いです。
つみたてNISAは年間40万円を20年間非課税です。
一般NISAは年間120万円を5年間です。非課税期間がつみたてNISAの方が多いからという理由を良く聞きます。
では下記の場合で比較してみましょう!
つみたてNISAを月33,333円、年間40万円を20年、5%で運用できた場合、20年後は投資元本800万円、利益570万円(非課税)で計1,370万円になります。
一般NISAで毎年120万円を5年間、5%で運用できた場合、ロールオーバー(非課税期間の延長)してその後は非課税期間が終わるので税金を差し引きしても、1,553万円になります。
つみたてNISAでは毎年40万円が20年間非課税ですが、20年後に投資する40万円は1年しか運用できていないのでこのような差になります。
NISAは利益が出ている部分に対して非課税のメリットがあります。そもそも利益が出ていれば、税金を引かれてもメリットはあります。NISAの枠に固執しすぎて、投資の機会を逃さないようにしましょう。
人により投資期間や投資額やライフプランが違ってくるので、ご自身に状況に合わせてNISA、つみたてNISAを活用していきましょう!
NISA実践のポイント
①大切なのはNISAという箱に何を入れるか
NISAは利益に対して税金がかからない箱でしたね!利益がでないと意味が無い箱です。
NISAの枠を使うという目的ではなく、利益を得れるにはどうしたら良いかを目的に、ご自身のご家族、環境、年齢などに合わせて箱に何を入れるかを考えましょう!
②NISAの枠にとらわれない!
NISAの枠の中でのみ投資を考える方もいますが、もちろんNISAやiDeCoを優先的に活用するのは間違いないです。しかし、自身の資産を長期運用のお財布と短期のお財布にしっかり分ける=資産を管理して、NISAやiDeCoの枠以上に長期運用で管理するお金があれば、ニーサの枠を気にせずした方が良いですね!
③皆がやっているからという理由でやらない!
まずは自分の家計を整理して、長期投資に置く金額を決めて、その後どの箱(NISAやiDeCoなど)に入れるかを決める、この順番が大切だと考えています。多くの方がこの逆でやってしまっており上手くいっていないケースをよく見ます。家計の状況によってはNISAをしない方が良いこともあります。
まとめ
NISAのよくある5つの落とし穴にはまらないように、NISA実践のポイントを参考にご自身の状況に合わせて実践していきましょう!
NISAは始めるのは簡単ですが、継続できる人は意外と少ないです。
NISAは長く継続するとメリットが出てくるのに、つみたてNISAの継続率はたった平均2~3年です。
20年非課税のメリットがあるのに、2.3年で売却するとメリットは少ないですね。
その人の状況によってNISA、つみたてNISA、iDeCoなど何を利用したらよいかが決まってきますのでご自身の状況に合わせて長期目線で実践していきましょう!
コメント
COMMENT