「ふるさと納税やiDeCoはお得と聞いて、よくわからずやっていました。本を読んで、税金って難しそうと思っていましたが、案外シンプルなんだなと思いました。節税対策をしたことで、返って損をしている人もいるとのことで、そうはなりたくなくありません。所得税や住民税、控除について、もう少し詳しく教えていただけませんか?」
書籍「夫婦貯金年150万円の法則」の読者から、P142~150の『なぜ、iDeCoやふるさと納税はお得なの?』の部分について、質問いただきましたので解説していきます。
●ふるさと納税をしているけど、ただの寄付になっている
●税金面のメリットがないのにiDeCoをしている
●申請を上げるだけで税金が返ってくるのにやっていない
このように、全然意味がないことをしていたり、行動したことで損をしている人をたくさん見てきました。
収入から控除を引いた所得に、税率をかけて、税金を計算するので、「控除」を増やせば税金が下がります。ただし、控除をとにかく増やせばいいと考えている人は損をする可能性があります。今回は、節税対策をしたことで返って損しているよくある失敗例とその対策についてお伝えします。
YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約6分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。
①上限を超える
以前、社会人1年目のご相談者が「10万円ふるさと納税をしてお得になりました!」と言われていました。年収300万円の場合、人によりますがふるさと納税の上限は約3万円程度です。それ以上すると自己負担になってしまいます。
iDeCo、生命保険なども、同様に上限があります。上限を確認して実践するようにしましょう。
②昨年の収入で考えている
当たり前の話ですが、今年の収入は年末にならないとわかりません。前年度の源泉徴収票や確定申告を活用して、控除の上限金額や活用について考えると思いますが、収入の額、家族構成、職業などが変わると、ふるさと納税やiDeCoの上限も変わります。
急な転職や部署移動、ボーナスカットなどで大きく収入が変わる可能性がある人、売り上げが年によって大きく変わる自営業者などの人は、だいたいの収入が確定してから実践しましょう。
③支払った額以上は節税にはならない
「生命保険は節税になるので、たくさん入ったほうがいい」と勘違いしていたご相談者がいました。たしかに、生命保険は節税になるのですが、生命保険に支払っている金額以上は節税できません。
医療費や住宅ローンも同様です。節税のために「控除」があるモノにお金を使うのは本末転倒です。医療費はできるだけかからない、生命保険もできるだけ入らないほうが支出がおさえられ、手元にお金が残ります。必要なモノを買って、控除が使えるようなら使いましょう。
④税金を支払っている以上は戻ってこない
所得がない人が、「控除」を増やしても、税金をそもそも支払っていないので、税金は戻ってきません。よくある失敗例が住宅ローン控除です。
住宅ローン控除のことを考えると、夫婦それぞれが住宅ローンを組むほうが税金面では得になる場合があります。しかし、奥さまが出産後、休職、パートなどで収入が下がると住宅ローン控除の恩恵を受けられない場合があります。転職や独立などで収入が下がっても同様です。
僕は、会社員のときに家を買い、住宅ローン控除の恩恵をうけていました。しかし、住宅ローン控除の期間中に独立をして、すぐには売上があがらず、そもそも税金を支払ってなかったので住宅ローン控除は途中受けることができませんでした。今の状況だけでなく将来のライフプランも考えて決断しましょう。
⑤申告していない
控除は自己申告しないと受けることができません。iDeCoをしていても、会社員の人は年末調整で、自営業の人は確定申告で申告しないと節税にはなりません。せっかく行動したのに節税できないのはもったいないので、申告まできっちりやりましょう。
まとめ
今回は、節税対策をしたことで返って損しているよくある失敗例とその対策についてお伝えしました。
よくある失敗例は次の5つです。
①上限を超える
②昨年の収入で考えている
③支払った額以上は節税にはならない
④税金を支払っている以上は戻ってこない
⑤申告していない
せっかく家計をよくしようと思って行動するのであれば、しっかり効果がでるようにしていきましょう。
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