不妊治療を考えたとき、
多くの方がまず心配するのが
「お金」のことではないでしょうか。
体外受精や顕微授精、先進医療など、
治療が進むほど費用は高額になりやすく、
・いったいいくらかかるのか
・助成制度はあるのか
と不安に感じる方も少なくありません。
2022年4月から不妊治療の一部が保険適用になりましたが、
自己負担がゼロになるわけではありません。
さらに、先進医療は原則として全額自己負担となるため、
治療内容によっては家計への影響が大きくなることもあります。
こうした負担を少しでも軽くするために、
確認しておきたいのが
・都道府県や市区町村の助成制度
・企業の福利厚生による補助制度
です。
ただし、不妊治療の助成制度は
全国共通ではありません。
自治体や勤務先によって内容が大きく異なります。
今回は、
・どんな助成制度があるのか
・どこを確認すればよいのか
・どう活用すればよいのか
を整理していきます。
YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約9分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。
都道府県や市区町村の助成制度
多くの自治体(市区町村・都道府県)が独自の助成制度をしています。自治体ごとに対象となる条件や手続きが異なるため、住んでいる自治体の公式ページで確認しましょう。
今回は、どのような助成金があるのか、また違いがあるのか、東京都と岡山市の内容を例にみていきます。
| 東京都 | 岡山市 | |
| 対象治療 | 一般不妊治療・先進医療 | 保険適用の体外受精等のみ |
| 助成金額 | 不妊検査5万円・先進医療最大15万円 | 1回上限10万円 |
| 対象年齢 | 40歳未満 | 43歳未満 |
東京都の不妊治療助成制度
東京都ではいくつかの助成制度があり、主に次のような種類があります。
①不妊検査等助成事業(一般不妊検査・治療)
保険医療機関で行った不妊検査・一般不妊治療(タイミング療法・人工授精等)の費用の一部(助成上限:5万円)を助成する制度です。

出典:東京都福祉局「不妊検査等助成事業の概要」
【主な条件】
・夫婦いずれかが都内在住
・夫婦ともに助成対象の検査を受けている
・検査開始日における妻の年齢が40歳未満
※詳しい内容や手続きは東京都福祉局の公式案内を参照してください。
②特定不妊治療費(先進医療)助成事業
体外受精・顕微授精など保険適用治療と併せて実施した先進医療にかかった費用の一部を助成する制度です。
・対象:保険診療の不妊治療と併用した 「先進医療」
・上限額助成:先進医療にかかった費用の 10分の7 について、最大15万円

出典:東京都福祉局「東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業の概要」
詳しい内容や手続きは東京都福祉局の公式案内を参照してください。
岡山市の不妊治療費助成制度
岡山市では不妊治療費の一部「保険が適用される体外受精および顕微授精等(生殖補助医療)」を対象に助成しています。

出典:岡山市不妊治療費助成事業のご案内
【対象となる人】
妻が43歳未満かつ下記に当てはまる場合

出典:岡山市不妊治療費助成事業のご案内
【助成金額】
1回の治療(一連の治療過程)につき、医療機関へ支払った医療費の自己負担額(上限10万円)

出典:岡山市不妊治療費助成事業のご案内
詳しい内容や手続きは岡山市の公式案内を参照してください。
家計への活かし方
では、不妊治療の助成制度を家計としてどう活かせばよいのでしょうか。
私は、次の3つを整理しておくことが大切だと考えています。
①自治体の制度を必ず確認する
②都道府県と市区町村の制度を併用できるか確認する
③勤務先の制度も確認する
①自治体の制度を必ず確認する
不妊治療の助成制度は、
・都道府県
・市区町村
それぞれが独自に実施しています。
そのため、
・助成の対象になる治療
・助成金額
・年齢条件
などが自治体によって大きく異なります。
同じ県内でも
市区町村によって制度が違うことも珍しくありません。
たとえば、岡山県では自治体ごとに制度の有無・金額・条件が異なります。

出典:「不妊・不育に関する治療費等助成事業の実施状況一覧表(令和8年1月1日更新)」
まずは、
「自治体名+不妊治療助成」
で検索し、
お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。
②都道府県と市区町村の制度を併用できるか確認する
自治体によっては、
・都道府県の助成
・市区町村の助成
を併用できるケースもあります。
たとえば、東京都の千代田区の「不妊検査等助成事業」では、不妊検査等に要した費用から東京都の不妊検査等助成事業により助成された額を差し引いた額について、2万5千円を上限に助成しています。
お住いの「都道府県」と「市区町村」両方の助成金を確認してみましょう。
③勤務先の制度も確認する
最近では、不妊治療を支援するために
企業が独自の補助制度を設けているケースもあります。
たとえば、
・治療費の補助
・特別休暇制度
・相談サポート制度
など、会社によってさまざまな支援があります。
実際に、企業が不妊治療費や関連サポートの補助を行っている例もあります。
自治体の制度だけでなく、
勤務先の福利厚生も確認しておくとよいでしょう。
まとめ
不妊治療の助成制度は、
① お住まいの都道府県
② 市区町村
③ 勤務先の福利厚生
それぞれで内容が異なります。
さらに、
・対象となる治療
・助成金額
・年齢条件
・併用できるかどうか
など、細かな条件にも違いがあります。
つまり、不妊治療の助成制度は
「全国共通の制度ではない」という点が大きな特徴です。
制度を知っているだけで、
治療に向き合うときの心理的な負担は大きく変わります。
増やすより、整える。
使える制度を整理し、
家計の準備を整えておくことも、
不妊治療に向き合うための大切な準備のひとつです。
また次回、一緒に整理していきましょう。
▶ 【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド



1級FP 磯山裕樹