医療保険の優先度はそこまで高くありません。
公的保障(高額療養費制度など)があるため、
基本的には必須ではありません。
ただし、次のような方は検討する価値があります。
・先進医療や自由診療に備えたい
・保険に入ることで精神的に安心したい
「先進医療や自由診療だけ入りたい」という声を聞きますが、
医療保険は主契約+特約で構成されており、
先進医療や自由診療は特約のため単独では加入できません。
そのため、主契約も含めた医療保険全体の理解が重要です。
目次
主契約
医療保険の主契約は、主に次の2つで構成されています。
・入院給付金(入院したら1日いくら給付されるか)
・手術給付金
入院給付金
入院した日数に応じて、1日いくらと決められた金額がもらえる給付金です。
(例:5,000円 × 入院日数)
日額はいくらにする?
3,000円〜設定できる商品が多いです。
(1,000円から設定できる商品もあり)
金額を上げるほど保険料は高くなります。
給付日数(何日まで出るか)
「何日まで給付されるか」によりいくつかタイプがあります。
・30日型
・60日型
・120日型
入院日数の実態
・平均入院日数:28.4日
・14日以内:68.4%
・30日以内:83.9%
・3ヶ月以内:96.6%
つまり、ほとんどの入院は30日以内で終わります。
【長期入院の代表例】
・精神疾患:約290日
・神経系疾患:約93日
・脳血管疾患:約69日
タイプ別の選び方
・30日型:保険料を抑えたい方
・60日型:一般的な病気はほぼカバー
・120日型以上:長期入院リスクまで備えたい方
保険料の違い(参考)
FWD生命(2026年4月時点)
条件:40歳男性/優良体保険料率/日額5,000円/手術あり/先進医療
・30日型:1,194円
・60日型:1,299円
・120日型:1,384円
長期に備えても保険料差はそこまで大きくありません。
(長期入院の確率が低いため)
手術給付金
多くの医療保険の主契約には手術給付金がついています。
(手術を外せる商品もあり)
一般的には、「入院日額 × ○倍」で給付額が決まる複数のプランがあります。
例:入院日額5,000円 × 2倍 = 1万円
メリット:入院しなくても給付される
(例:大腸ポリープの日帰り手術 ※実費:2〜4万円程度)
デメリット:・入院しても手術しないと出ない
(例:肺炎など)
実は入院患者の約6割は手術なしのため、給付されないケースも多いです。
検討すべき特約・優先度が低い特約
医療保険にはたくさんの特約があります。
その中で、検討すべき特約・優先度が低い特約を整理します。
検討すべき特約
検討すべき特約は次の2つです。
①先進医療特約
保険料は数百円程度と比較的低額です。
ポイント
・できれば終身固定型が選べる保険会社を選ぶ
(将来、先進医療の利用が増えても保険料が上がらないため)
・医療保険で加入するほうが先進医療を幅広くカバーできる
医療保険の先進医療特約=すべての病気の先進医療が対象
がん保険の先進医療特約=「がんに関する先進医療」のみ対象
②自由診療特約
現状は「がん治療のみ対応」の商品しかありません。
がん保険か医療保険どちらにつけるべき?
・がん保険に入らない → 医療保険につける
・がん保険に入る → がん保険につける
理由
・がん保険の方が選択肢が多い
・目的ごとに分けた方がシンプル
・見直ししやすい
優先度が低い特約
医療保険にはたくさんの特約がありますが、
先進医療・自由診療以外の特約は基本的には優先度は高くありません。
入院一時金
入院時に数万円をまとめて受け取れる特約です。
短期入院が多い今、
「まとまったお金を受け取りたい人」には向いています。
ただし、短期の入院の場合は、
・有給休暇で収入が維持されるケースがある
・長期化した場合でも傷病手当金がある
・医療費も高額になりにくい
といった背景があるため、優先度は高くありません。
払込免除
3大疾病などで保険料が不要になる特約です。
医療保険の保険料自体が比較的低額なケースが多いため、
払込免除の有無による影響は限定的です。
そのため、基本的には優先度は高くありません。
特定の病気やケガに備える特約
・3大疾病
・女性特約
・ケガ(骨折など)
など特定の病気で給付金がもらえる特約です。
どの病気になるかは予測できず、
医療費も高額療養費制度により上限があるため、
特定の病気に絞った保障の優先度は高くありません。
ただし、
・ケガのリスクが高い職種についている
・特定の病気の家族歴がある
など、リスクが高く、そこに備えたい場合は検討してもよいかもしれません。
医療保険の具体例
※FWD生命(2026年4月時点)
40歳男性/終身保障・終身払い/優良体保険料率
パターン① 手術と長期入院に備える
・入院日額5,000円
・120日型
・手術あり
・先進医療
月:約1,300円
パターン② 手術なし、短期入院重視
・入院日額5,000円
・60日型
・手術なし
・入院一時金5万円
・先進医療
月:約1,300円
同じ保険料でも、備え方は大きく変わります。
私の考え方
私は医療保険には加入していません。
自由診療・先進医療に絞って備えているため
現在は、SBIのがん保険で備えています。
なぜがん保険なのか?
・自由診療の保障が充実している
・高額になりやすい先進医療はがん治療に多い
まとめ
保険に正解はありません。
そのため、医療保険は「何に備えるか」を明確にし、
家計全体の中で優先順位を整理したうえで選ぶことが重要です。

1級FP 磯山裕樹