「なぜがんだけ特別に備える必要があるのでしょうか?」
結論からいうと、
がん“だけ”特別に備える必要があるとは限りません。
病気でお金がかかるのはこの4つです。
① 医療費(保険診療)
② 医療費以外(交通費・差額ベッド代など)
③ 公的医療の対象外(先進医療・自由診療)
④ 収入減(働けなくなるリスク)
これはがんに限らず、すべての病気に共通しています。
たとえば、脳梗塞などの場合、
後遺症によって働き方が変わり、
・収入が下がる
・介護費用がかかる
といった影響もあります。
つまり
「がんだけが特別にお金がかかるわけではない」
という視点が重要です。
がん保険の備え方は主にこの2つ
がん保険の基本は、次の2つです。
・診断一時金
・治療給付金(継続給付)
診断一時金
がんと診断されたときに、
まとまったお金が受け取れる保障です。
メリット
・まとまった資金で安心感がある
・使い道が自由(生活費にも使える)
デメリット
・長期治療になると不足する可能性
・再発時に出ない商品もある(条件確認が重要)
治療給付金(継続給付)
抗がん剤や放射線など、
治療に応じて給付される保障です。
メリット
・長期治療に強い
・通院治療にも対応しやすい
デメリット
・診断時にはまとまったお金が出ない
・治療しないと給付されない
・給付条件が細かい(抗がん剤・ホルモン療法など)
診断一時金と治療給付金のどちらを選ぶか?
選び方は主に3つです。
・診断一時金のみ
・治療給付金のみ
・両方組み合わせる
診断一時金50万円と治療給付金月10万円で
保険料が同程度になるケースもあります(※各社で差あり)
例)
・診断一時金50万円
・治療給付金 月10万円
・診断一時金25万円+治療給付金 月5万円
同じ保険料でも、どのように備えるかで中身は大きく変わります。
私の考え
「私は、長期治療に備えるため
治療給付金をベースに考えるのが合理的だと考えています。」
(がん治療は長期化したときこそ経済的負担が大きくなるため)
公的医療の対象外への備え
・先進医療
・自由診療
・遺伝子パネル検査
など、保険適用外の治療を使う場合、
高額な治療費が必要な場合があります。
基本は標準治療が中心のため、先進医療や自由診療の利用頻度は高くありません。
そのため、必要性を感じる方のみ検討すれば十分です。
先進医療特約
先進医療は、1回あたり数百万円かかるケースもあるため、
低コスト(数百円程度)で
大きなリスクに備えられるのが特徴です。
ポイント
・できれば終身固定型が選べる保険会社を選ぶ
(将来、先進医療の利用が増えても保険料が上がらないため)
・医療保険で加入するほうが先進医療を幅広くカバーできる
医療保険の先進医療特約=すべての病気の先進医療が対象
がん保険の先進医療特約=「がんに関する先進医療」のみ対象
自由診療への備え
自由診療単体の保険はなく、
以下のいずれかで備えます。
・がん保険の特約として付ける
・実損タイプの保険に加入する
がん保険の特約として付ける場合
メリット
・保険料が一定 月300円~500円程度(保険料率が変わらない場合)
デメリット
・対象範囲が限定的
(遺伝子パネル検査、セカンドオピニオンのための診察などは対象外が多い)
実損タイプの保険
実損型の保険(例:SBI損保・セコム損保など)では、
実際にかかった治療費をそのまま保障します。
例)
・50万円かかる → 50万円保障
・300万円かかる → 300万円保障
メリット
・幅広い治療に対応
(遺伝子パネル検査、セカンドオピニオンのための診察などが対象になっている場合が多い)
・実額保障でわかりやすい
※すべての治療が対象になるわけではないため、保障内容の確認が重要です
デメリット
・保険料が年齢とともに上がる
収入減への備え
実務上、家計への影響が最も大きいのはここです。
がんで働けなくなり、
収入が減ることが最大のリスクになります。
保険で備える場合、就業不能保険などがあります。
メリット
・月10万円など継続的にカバー
・がん以外の病気にも対応
デメリット
・給付条件が厳しい
・一生涯の保障ではない
私の考え
私は、「病気でお金がかかる4つ」について、
次のような優先順位で考えています。
①収入減(働けなくなるリスク)→就業不能保険で備える
②公的医療の対象外(先進医療・自由診療)→実損保障のがん保険で備える
③医療費以外(交通費・差額ベッド代など)→その時の状況で判断する
④医療費(保険診療)→貯蓄で備える
保険を活用しているのは①と②です。
まとめ
保険に正解はありません。
そのため、がん保険は「何に備えるか」を明確にし、
家計全体の中で優先順位を整理したうえで選ぶことが重要です。

1級FP 磯山裕樹