保険について相談を受けていると、
多くの人がこんな質問をされます。
「どの保険が一番いいですか?」
「どの保険に入れば安心ですか?」
しかし、保険を考えるときに
まず知っておいてほしい大切な前提があります。
それは、保険では、病気やケガは治せない
ということです。
当たり前のことのようですが、
意外と見落とされがちな視点です。
保険ができることは
万が一のときのお金を準備すること
それだけです。
今回は
保険を考える前に知っておきたい
「健康とお金の本当の優先順位」
について整理していきます。
がんは「早期発見」が大切
例えば、がんの5年生存率を見てみましょう。

出典:厚生労働省「がん検診」
データを見ると、
ステージ1で早い段階で見つかった場合は
生存率が高くなります。
一方、ステージ4
のように進行してから見つかった場合は
生存率が大きく下がります。
つまり、がんは
早期発見・早期治療がとても重要
ということです。
早期がんを見つけることができれば、
80〜90%以上治るがんもあります。
日本は「検診」より「保険」を重視?
早期発見のために重要なのが
「がん検診」です。
自覚症状が出る前にがんを見つけることができる
がん検診は死亡率を下げる有効な方法です。

出典:厚生労働省「がん検診」
しかし、日本のがん検診受診率は約40〜50%です。

出典:国立がん研究センター「がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)」
一方、日本では約6〜7割の人が医療保険に加入しています。

出典:生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」
つまり
検診は受けないのに
保険には入る
という人が多いのです。
しかし、がんを治す可能性を高めるのは
保険ではなく、早期発見です。
保険料を「健康」に使うという考え方
医療保険やがん保険に入っていれば、
病気になったときに給付金を受け取ることができます。
ただ、がんが見つかった後に
保険でお金を受け取っても
病気そのものが治るわけではありません。

そう考えると、
保険料として毎月支払っているお金を
・がん検診
・人間ドック
・健康診断
など、健康を守ることに使うという考え方もあります。
病気になってからお金を受け取るのではなく、
病気にならないためにお金を使うという発想です。
医療保険より人間ドック
ちなみに私は、医療保険に入っていません。
その代わりに
・人間ドック(約3万円追加)
・歯科検診・歯石クリーニング(年間約1万円)
などにお金を使っています。

歯周病は
・心筋梗塞
・脳梗塞
などの原因にもなると言われています。
そのため、
定期的に歯科検診を受けるようにしています。
医療保険でお金を受け取るよりも、
病気を防ぐためにお金を使うという考え方です。
介護保険より運動習慣
さらに健康にとって大切なのが
「運動習慣」です。
運動には次のような効果があると言われています。
・糖尿病の予防
・がん発症率の低下
・脳卒中の減少
・認知症予防
・心疾患の予防
・血圧低下
・免疫力向上
などです。
医療保険や介護保険に入って、
病気や介護に備えるという考え方もあります。
一方で、そもそも介護が必要になりにくい体を目指す
という選択もあります。

そのためには
・適度な運動
・バランスのよい食事
・十分な睡眠
など、日々の生活習慣がとても重要になります。
健康寿命という考え方
医療費や介護費を準備することも大切ですが、
そもそも、医療費や介護費が少なくて済む人生
を目指すという考え方もあります。

できるだけ長く健康に生活できれば、
人生の質は大きく変わります。
まとめ
保険に入ることが悪いわけではありません。
しかし、どの保険がいいかを考える前に
もっと大切なことがあります。
それは
・予防
・早期発見
です。
保険は、お金を準備する手段
にすぎません。
病気を治すことはできません。
お得な保険を探すよりも、
・健康診断
・人間ドック
・運動
・生活習慣
などにお金を使うことで
人生はより良くなる可能性があります。
もし年間5万円を使うとしたら
・保険料
・健康診断や歯科検診、運動習慣
みなさんはどちらを選びますか?
増やすより、整える。
お金だけでなく
健康も整えていきましょう。

1級FP 磯山裕樹