その保険、本当に将来使える?変化に対応できない保険の弱点

保険について相談を受けていると、多くの人が

「どの保険が一番いいですか?」
「今の保険はこのままで大丈夫ですか?」

と質問されます。

しかし、保険を考えるうえで
知っておきたい大切な視点があります。

それは、契約したときの条件が基本的に固定される
ということです。

つまり、社会や医療が変化しても
保険の内容は自動では変わりません。

これは保険の特徴でもあり、
弱点でもあります。

今回は
・保険が変化に対応しにくい理由
・医療や制度の変化との関係
・条件が固定されることのメリット
について整理していきます。

がん保険の歴史

このことは、がん保険の歴史を見るとよく分かります。

1970〜1980年代のがん治療は、
主に手術が中心でした。

そのため当時のがん保険は、
・入院したら給付
・手術をしたら給付
という仕組みが中心でした。

その後、医療が進歩し、
1990〜2000年代になると
・化学療法(抗がん剤)
・放射線治療
などが広く行われるようになります。

すると保険も、
手術だけでなく
・抗がん剤治療
・放射線治療
でも給付される商品が増えていきました。

そして現在では
・免疫療法
・ゲノム医療
など新しい治療も登場しています。

それに対応する形で
自由診療にも対応できる
新しいタイプのがん保険
なども販売されています。

保険は「後出しジャンケン」

ここで重要なポイントがあります。

保険の条件は、契約した時点で固定される
ということです。

つまり、医療が進歩しても
加入している保険の内容が
自動で最新の内容に変わることはありません。

新しい保険に入りたい場合は
・現在の年齢
・現在の健康状態
で改めて新しい保険に申し込みをする必要があります。

これまでの歴史を見ても
医療が先に進歩し、そのあとに保険が作られる
という流れになっています。

つまり、保険は常に後出しジャンケンということです。
50年後の治療方法は
今とは大きく変わっているかもしれません。

ライフステージも変わる

さらに、もう一つ変わるものがあります。

それは、自分自身の生活です。

例えば、30代のときは
・住宅ローン
・子どもの教育費
などに備えた保障が必要です。

しかし、60代になり
・子どもは独立
・住宅ローンも完済
していれば、30代のときの保障より少なくていいはずです。

つまり、必要な保障額も
人生のステージによって変わる
ということです。

保険の弱点とどう向き合うか

30代の人が80歳まで生きるとすると、あと50年あります。

50年後の医療は、今と同じでしょうか。

病気の治療方法も
ご自身の生活環境も
大きく変わっている可能性があります。

健康なうちは
・新しい保険に切り替える
・条件の良い保険に変更する
ことができます。

しかし、健康状態が悪くなると
新しい保険に入り直すことが
難しくなることもあります。

そのため大切なのは
将来も使いやすい保険で
最初から加入しておく
ことです。

例えば、がん保険。

△「入院したら給付」
〇「がんと診断されたら給付」

という商品があります。

将来、がんが早期で発見されやすくなり
通院だけの治療になったとしても、

「がんと診断されたら給付」という保険であれば
給付金を受け取ることができます。

このように、将来の変化に対応しやすいように
シンプルな条件の保険を選ぶ
という考え方も大切です。

条件が固定されることがプラスになる場合

ただし、契約条件が固定されることが
すべてデメリットとは限りません。

例えば
・金利が高い時代に契約した貯蓄型保険
・値上がり前に加入した火災保険
などです。

こちらは、ある生命保険会社の積立利率の推移です。
※積立利率:保険の中でお金が増える「想定の利回り」

契約時期 予定利率
1990~1992年 約5.5~5.75%
1993年 4.75%
1994~1995年 3.75%
1996~1998年 2.75%
1999~2000年 2.0%
2001~2012年 1.5%
2013~2016年 1.0%
2017年~ 0.25%

たとえば、1993年に加入した貯蓄保険を今も継続していたら
積立利率は、4.75%です。

もし、条件が良い時期に加入していて
長期間その条件が維持できている
のであれば
それは、「お宝保険」なので、むやみに解約しないことも大切です。

まとめ

保険は、万が一のときに
人生が経済的に行き詰まらないように備える仕組みです。

しかし、
未来の医療も
未来の制度も
未来の生活も
誰にも正確には予測できません。

だからこそ大切なのは
将来も使いやすい保険にしておくことです。

複雑な保険ではなく
シンプルな保険。

「一度入ったら終わり」ではなく
定期的に整える保険。

増やすより、整える。

保険も、家計を整えるための
一つの手段として活用していきましょう。

この記事が、
家計を整えるきっかけになれば嬉しいです。

 

1級FP 磯山裕樹

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家計の整え方