「本を読んで、“制度を知らないだけで損をしている人がいる”ことに驚きました。先日結婚して、これから出産も考えているのですが、子育てでもらえるお金をできるだけ教えてほしいです。」

そんなメッセージを、『一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則』の読者の方からいただきました。

結婚・妊娠・出産・育休・子育て。
人生の中でも特にお金が大きく動くタイミングです。
そして同時に、公的な支援制度が最も多い時期でもあります。しかし、これらの給付金や助成金、節税制度は、申請しなければもらえません。

・申請期限がある
・働き方で金額が変わる
・知らないと使えない
そんな制度も少なくありません。
実際、結婚から出産、育休、子育てまでの選択によっては、数十万円〜100万円以上の差が出るケースもあります。そこで今回は、このご質問にお答えする形で、子育て世代がもらえるお金を、タイミング別に複数回に分けて、わかりやすく解説していきます。

育休を取るときに、いちばん気になるのが「結局、いくらもらえるの?」という点ではないでしょうか。
・給料の何%くらい?
・手取りはどのくらい?
・上限で損する人は?
育児休業給付金は、育休中の生活を支える大事なお金です。自分はいくらもらえるのかを知っていることで、育休中の計画をたてることができます。

今回は、
・育児休業給付金の計算方法
・月収別の受給額シミュレーション
・上限額と注意点
を、FPの視点でわかりやすく解説します。
育児休業給付金の計算方法
育児休業給付金の金額は、「休業開始時賃金日額」をもとに計算されます。
「休業開始時賃金日額」とは
育児休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180日
※賞与(ボーナス)は含まれません
※残業代・通勤手当・住宅手当などは含まれます
で計算されます。
支給単位期間ごとに、原則として、30日(ただし、育児休業終了日を含む支給単位期間については、その育児休業終了日までの日数)分が支給されます。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
支給率の目安
育児休業給付金の支給率は、育休期間によって変わります。
・育児休業開始~6か月まで:休業開始時賃金の67%
・7か月目以降:休業開始時賃金の50%

月収別シミュレーション
【育休開始前の月収:25万円】
・最初の6か月:25万円 × 67% = 約16.7万円
・7か月目以降:25万円 × 50% = 約12.5万円
【育休開始前の月収:30万円】
・最初の6か月:30万円 × 67% = 約20.1万円
・7か月目以降:30万円 × 50% = 15万円
【育休開始前の月収:50万円】
この場合、給付上限額の影響を受けてしまいます。
そのため、育休前の給与が高い人ほど、「思っていたより少ない」と感じることがあります。
育児休業給付金の上限額
育児休業給付金には上限額があり、一定以上の収入がある場合、給付金は頭打ちになります。
休業開始時賃金日額の上限金額:16,100円(令和7年8月1日現在)
※上限額は毎年8月1日に見直しされます。
最新の上限額は、厚生労働省・ハローワークの最新資料で確認してください。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」
つまり、育児休業開始前6か月間の平均給与が48万円前後(16,100円×30日) を超えると、
上限の影響を受け始め、年収が高い人ほど、上限の影響を受けやすくなります。
手取りは実際どれくらい?
育児休業給付金は、
・所得税:かからない
・住民税:給付金自体にはかからない
・社会保険料:免除
という特徴があります。
なお、住民税は前年の所得をもとに課税されるため、育休中も住民税の支払いが発生するケースがあります。
手取り感覚の目安
・会社員が給料をもらう場合:月収30万円 → 手取り約24万円(税金と社会保険が引かれる)
・育児休業給付金の場合:30万円 × 67% = 約20万円(ほぼそのまま手取り)
結果として、「額面では67%でも、手取りベースでは7〜8割程度」になるケースが多いです。
社会保険料は払ったことに
社会保険料は支払っていなくても、支払ったことと同じ扱いです。病院で健康保険を使える、厚生年金の加入期間や保険料支払いにもカウントされるので将来の年金も減りません。
育休中の社会保険料免除について詳しくはこちら
※作成中
28日間だけ“手取り10割相当”になる制度
さらに、2025年4月から、一定の条件を満たすと、最大28日間給付金が13%上乗せされる制度が始まりました。この制度を利用すると、手取りが10割相当になります。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
手取り10割相当になる「出生後休業支援給付金」について詳しくはこちら
※作成中
まとめ
育児休業給付金の金額は、
・育休前の給与
・育休の期間
・上限額の影響
によって変わります。
ただし、非課税+社会保険料免除という特徴があるため、「思っていたより手取りが多い」と感じる人も少なくありません。正確な金額を知りたい場合は、育児休業開始前に、勤務先やハローワークで確認しておくと安心です。
今回の制度は、子育て世代がもらえるお金の“ほんの一部”です。結婚・妊娠・出産・育休・保育園・小中高・大学。人生のタイミングごとに使える制度は変わります。そしてその選択次第で、数十万円〜100万円以上の差が生まれることもあります。
「自分は他にも対象になる制度はない?」
「申請し忘れている制度はない?」
そう思った方は、タイミング別にまとめた保存版の記事でチェックしてみてください。
▶ 【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド


















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