出産費用は50万円で足りない?出産育児一時金と自己負担のリアルを解説

出産を控えると、

「出産費用っていくらかかるの?」
「50万円って本当にもらえるの?」

と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

出産は、人生の中でも大きなお金が動くタイミングです。

実は、日本ではほぼすべての出産に対して
子ども1人につき原則50万円が支給される制度があります。

それが 「出産育児一時金」です。

ただし、この制度も

・どこからもらうのか
・差額はどうなるのか

といった仕組みを知らないままだと、

「もらい忘れ」
「違う受け取り方を選べばよかった」
ということも起こり得ます。

そこで今回は、

・誰がもらえるのか
・いくらもらえるのか
・どうやって受け取るのか

をわかりやすく整理していきます。

YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約9分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。

誰がもらえる?

【対象となる人】
・健康保険の被保険者
・健康保険の被扶養者→夫の社会保険の扶養に入っている妻も対象
・国民健康保険の被保険者→自営業やフリーランスなどの国民健康保険も対象

【対象となる出産】
・妊娠4か月(85日)以上
・正常分娩、帝王切開、早産・死産・流産・人工妊娠中絶

誰からもらうか?

出産育児一時金は、「出産した人が、出産時点で加入していた健康保険」から支給されます。

【例】
・出産時に会社員 → その会社の健康保険
・出産時に夫の扶養 → 夫の健康保険
・出産時に国民健康保険 → 国民健康保険

いくらもらえる?

出産育児一時金は、原則、子ども1人につき50万円です。

ただし、
・産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産
・妊娠週数22週未満の出産
の場合は48万8,000円となります。

出典:全国健康保険協会HPより

双子・多胎妊娠の場合、子ども1人につき50万円なので、双子なら100万円、三つ子なら150万円もらえます。

産科医療補償制度とは?

医療機関等が加入する制度で、加入医療機関で制度対象となる出産をされ、万一、分娩時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合、子どもとご家族の経済的負担を補償する制度

出産費用の自己負担は?

正常分娩の都道府県別の平均妊婦合計負担額(令和6年度)は592,907円です。つまり、50万円では足りないケースが多いということです。

出典:厚生労働省「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」

・50万円を超えた分は自己負担
・出産費用が50万円未満の場合、差額は被保険者に支給

帝王切開などの異常分娩で高額になっても、出産育児一時金の金額は変わりません。50万円を超えた分は自己負担になります。ただ、正常分娩は「病気」ではないため健康保険の対象外ですが、帝王切開などの異常分娩は医療行為として健康保険が使えます。

どう支払われる?

次の3つの支払方法があります。

①直接支払制度(多くの人が利用)
・病院が健康保険に申請
・健康保険 → 病院へ 50万円を直接支払い

②受取代理制度
・本人が健康保険に申請
・健康保険 → 病院へ 50万円を直接支払い
※小規模医療機関などで利用されることがあります


出典:全国健康保険協会HPより

③償還払い制度
・出産費用を一旦 全額自己負担
・後日、本人が申請して受け取る方法

多くの人は「①直接支払制度」

通常は、本人がお金を立て替えることなくて楽な「①直接支払制度」を利用します。
・健康保険 → 病院へ 50万円を直接支払い
・出産費用 − 50万円 = 自己負担分だけを病院へ支払う


出典:全国健康保険協会HPより

【例】出産費用が48万円だった場合
・出産育児一時金:50万円
・実際の費用:48万円
・差額2万円は後日申請すれば戻ってきます。自動では戻らないので注意!

クレカのポイントを貯めたいなら「③償還払い制度」

あえて「③償還払い制度」を利用し、クレジットカードで出産費用を支払えばポイントを貯めることも可能です。

【例】50万円 × 還元率1%→ 5,000ポイント

ただし、一時的に50万円以上の立て替えが必要になるため、資金に余裕がある場合に限ります。

申請期限は「出産日の翌日から2年」

出産育児一時金の申請期限は、出産日の翌日から2年です。

・差額申請
・償還払い制度での申請
いずれも、期限を過ぎるともらえなくなるため注意しましょう。

家計への活かし方

では、この制度を家計としてどう活かせばよいのでしょうか。

私は、次の点を整理しておくことが大切だと考えています。

出産費用は「50万円では足りないことが多い」

出産育児一時金は
子ども1人につき原則50万円支給されます。

しかし、実際の出産費用の平均は
約59万円とされています。

つまり、

・出産費用 − 50万円 = 自己負担

となるケースが多いということです。

地域や医療機関によっては
70万円以上かかるケースもあります。

出産費用は、地域だけでなく
医療機関
によっても大きく異なります。

正常分娩は公的医療保険の対象外で、
医療機関が自由に価格を設定できるためです。

出産予定の医療機関の費用を事前に確認しておくことで、
出産に向けた家計の準備もしやすくなります。

まとめ

出産育児一時金のポイントを整理すると、

・子ども1人につき原則50万円
・双子など多胎の場合は人数分支給
・出産費用が50万円未満なら差額は申請で受け取れる
・申請期限は出産日の翌日から2年

という制度です。

ただし、出産費用の平均は約59万円とされており、
50万円では足りないケースも少なくありません。

また、帝王切開などの医療行為がある場合は、

・健康保険
・高額療養費制度
・医療費控除

などが関係するため、
実際の自己負担額はケースによって大きく変わります。

出産前に、

・出産予定の医療機関の費用
・病院の支払い方

を確認しておくことで、
出産費用の見通しが立てやすくなります。

増やすより、整える。

制度を整理しておくことが、
安心して出産を迎える準備につながります。

また次回、一緒に整理していきましょう。

【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド

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この記事が、
家計を整えるきっかけになれば嬉しいです。

 

1級FP 磯山裕樹

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