住宅ローンをどう組むか考えるにあたって住宅ローンの基礎を複数回に分けてお伝えしていきます。
今回は変動金利と固定金利どちらを選択していくかの考え方をお伝えしていきます。
変動金利にされている方になぜ変動金利にしたかを聞くと「金利が安いから」「日本では金利は上がらないから大丈夫だと思って」という回答が多いですが、皆さんはいかがでしょうか?
まずは、変動金利と固定金利の仕組み、リスク、その対策をしっかり理解しましょう。そして、「自分はどちらのリスクの取り方があっているか?」「どちらの選択の方が安心して毎日を過ごせるか?」、他の人に言われたからではなく、最終決断は自分でしましょう。
住宅ローンの記事はシリーズ化しています。順番に読み進んでいただくと、「住宅ローンをどうくんだらいいのか?どう見直したらいいか?」と悩んでいる方が、ご自身にとって最適な住宅ローンを判断できるようになります↓↓↓
YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約11分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。
固定金利とは
当初決めた金利がずっと確定しているのが固定金利です。
メリット
金利が上がっても返済が一定=銀行が金利上昇のリスクを背負ってくれている
デメリット
金利が高い(金利を固定するコスト負担がある)
ずっと金利が低ければ変動金利にすればよかったという後悔の可能性
変動金利とは
金利が変動するのが変動金利です。
変動金利の中には、最初の10年固定金利、11年目から変動金利、最初の20年固定金利、21年目から変動金利など固定金利と変動金利がセットになった当初固定型の変動金利もあります。
メリット
金利が低い
デメリット
金利が上がれば、返済額が高くなる
金利が上昇局面の情報で不安になる可能性
変動金利の決まり方は、店頭金利―優遇金利です。優遇金利は人により異なります。
全期間変動金利の場合は、借り換えがない限り優遇金利は変わりません。2024年4月時点の店頭金利は2.475%です。店頭金利が1%上がると、皆さんの金利も1%上がるということです。
変動金利のよくある誤解
また、変動金利についてよく誤解している部分があります。
変動金利は5年毎、最大25%しか上昇しないから大丈夫?
変動金利の返済額は5年間一定ですが、半年ごとに金利変わっています。金利が変わり、元金と利息の割合は変わっているのに返済額は変わっていないということは、当初の予定より元本が減ってないということです。予定通り減らなかった元本は貯まっていき、住宅ローン契約で決めた完済日に返済するように請求されます。
このルールは全ての金融機関で採用されている訳ではなく、一部採用していない金融機関もあります。また、元利均等支払いのみに適用され、元金均等支払いには適用されません。
金利が上昇したら変動から固定に乗り換える?
固定金利は10年国債の利回りで決まります。
変動金利は短期プライムレート(優秀な企業に対する1年以内の短期の最優遇貸出金利)で決まります。
変動金利と固定金利は決まり方が違います。つまり、変動金利と固定金利は同じようには動かない可能性があるということです。
固定金利が上がり、変動金利が上がることが多いので、変動金利が上がりそうなら固定金利は既に上がっている可能性が高いので難しいと考えた方がよいと思います。
金利を予測しないことが大切
直近20年を見ると、2008年前後は約2%の期間もありましたが、2023年現在の変動金利は0.5%を切っています。
変動金利は日本銀行が決める短期プライムレートによって決まります。インフレになれば、景気の過熱を防ぐため金利を上げます。デフレになれば、景気を刺激するために金利を下げます。2008年のリーマンショック以降、日本銀行は景気を刺激するために金利を下げ続けてきました。
仮に金利が上がった時に何も準備しておらず、家を売却してもローンを返せなければ、残りのローンの支払いが必要になります。マイホームを失い、さらに借金も残るのは最悪の時代です。
僕は、変動金利が2%程度に上がっても返済していける準備しておいた方がよいと考えています。金利は上がるのか、下がるのか様々な方が予測していますが、予測は当たるか外れるか分かりません。
予測するのではなく、対策をとっておくことが大切です。
変動金利上昇のリスクヘッジ
では、どのように金利が上昇することのリスクヘッジをしていけば良いでしょうか?いくつか方法をご紹介します。
金利変動リスクを銀行に負ってもらう
一番簡単な方法は、固定金利に切り替え、金利の変動のリスクを銀行に負ってもらうことです。
固定金利と変動金利の毎月の返済額の差が金利変動リスクに対する保険料です。
将来の金利は分からないので、どっちに転んでも生活できるように金利は高くなるが全期間固定金利にしておくのは選択肢の一つでしょう。
金利が上がったら繰り上げ返済できる準備をしておく
住宅ローンの利息は「元本×金利」なので、元本を減らせれば、金利が上がっても利息は少なくできます。
最低、変動金利と固定金利の差を貯蓄しておきましょう。
当初固定期間の変動金利を利用する方は、当初固定期間が終わり変動金利に切り替わるタイミングまでにある程度お金を準備しておきましょう。
利息が多い最初の10年前後だけ固定金利で備える
最初の10~12年で総利息の約半分の支払いをしますので、最初の10年で金利が変わると大きな差になってしまいます。
残債が少なくなれば金利が上がっても影響が少なくなるので、当初10~20年間の固定金利を利用するもの選択肢です。
変動金利と固定金利どっちを選ぶ?
金利が2%上がっても返済していけるのであれば変動金利でもいいと思います。
2023年が約0.5%、リーマンショック前後が約2%なので、2%は上がる可能性は考えておいた方がいいと思います。
貯蓄や毎月の収入に余裕があり、これに耐えられるなら金利リスクが取れるので変動金利でもいいと思います。
耐えれないのであれば、金利は高くなりますが固定金利を選択された方がベターだと思います。
変動金利と固定金利を選択する基準は、金利上昇のリスクが取れるかどうかで決めましょう。
金利は検討段階の金利ではいけない可能性もある?
金利は融資実行月に決まります。直前に世界情勢の変化などにより、金利が想定したより上がることはありえます。
固定金利と変動金利は決まり方が違うので、手間はかかりますが、固定金利と変動金利の両方本審査に通しておくのもリスクヘッジになります。
まとめ
変動金利と固定金利どちらを選択していくかの考え方をお伝えしました。
固定金利はなぜ変動金利より高いのか?変動金利のリスクのヘッジ方法について解説しました。
変動金利、固定金利がどちらがよいかの正解はないですが、「自分はどちらのリスクの取り方があっているか?」「どちらの選択の方が安心して毎日を過ごせるか?」、他のにが言われたからではなく、最終決断は自分でしましょう。
住宅ローンの記事はシリーズ化しています。順番に読み進んでいただくと、「住宅ローンをどうくんだらいいのか?どう見直したらいいか?」と悩んでいる方が、ご自身にとって最適な住宅ローンを判断できるようになります↓↓↓
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