「本を読んで、“制度を知らないだけで損をしている人がいる”ことに驚きました。先日結婚して、これから出産も考えているのですが、子育てでもらえるお金をできるだけ教えてほしいです。」

そんなメッセージを、『一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則』の読者の方からいただきました。

結婚・妊娠・出産・育休・子育て。
人生の中でも特にお金が大きく動くタイミングです。
そして同時に、公的な支援制度が最も多い時期でもあります。しかし、これらの給付金や助成金、節税制度は、申請しなければもらえません。

・申請期限がある
・働き方で金額が変わる
・知らないと使えない
そんな制度も少なくありません。
実際、結婚から出産、育休、子育てまでの選択によっては、数十万円〜100万円以上の差が出るケースもあります。そこで今回は、このご質問にお答えする形で、子育て世代がもらえるお金を、タイミング別に複数回に分けて、わかりやすく解説していきます。

出生後休業支援給付金は、一定の条件を満たした場合に限り、育児休業給付金に13%が上乗せされ、手取り10割相当になる制度です。
育児休業とは、原則1歳未満の子どもを養育するために、一定期間会社を休める制度です。
育児休業中に雇用保険から支給される給付金は、次の3つがあります。
| 正式名称 | この記事での表記 |
| 育児休業給付金 | 育児休業給付金 |
| 出生時育児休業給付金 | 産後パパ給付金 |
| 出生後休業支援給付金 | 上乗せ給付金 |
もらえる給付金の全体像は次のような感じです。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
今回は、2025年4月から新しく始まった「出生後休業支援給付金(以降、上乗せ給付金と表記)」について、制度の内容や注意点をわかりやすく解説します。
一定の条件を満たすと、育児休業中の給付金が最大80%となり、非課税・社会保険料免除により手取りベースでほぼ10割相当になる制度なので、しっかり内容を理解し活用していきましょう。
出生後休業支援給付金とは?
夫婦がともに14日以上、育児休業(または産後パパ育休)を取得すると最大28日間、育児休業給付金が13%上乗せされる制度です。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
一定の要件を満たすと、
・育児休業給付金:67%
・出生後休業支援給付金:13%
が合算され、給付率は最大80%になります。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」
育児休業給付金・出生後休業支援給付金はいずれも非課税 で、さらに育児休業期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金)の支払いが免除されます。そのため、給付率は80%でも、手取りベースでは休業前の給与とほぼ同水準(いわゆる「手取り10割相当」)になるケースが多いのが特徴です。
たとえば、月収30万円の人の場合、
・通常の給与の手取り:約24万円
・育児休業中:30万円 × 80% = 約24万円
となり、手取り額はほぼ同じ水準になります。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」
出生後休業支援給付金の注意点
出生後休業支援給付金を利用するうえで、注意点は次の4つです。
①育児休業中いつでももらえるわけではなく、対象期間が決まっている
②夫婦ともに育児休業を取得しなくてもよい例外条件
③給付金には上限額がある
④育児休業中の給与が多い場合は、上乗せ給付がなくなる
また、この給付金は 単独で受け取れる制度ではなく、育児休業給付金の支給対象者であることが前提となります。
①対象期間
ママとパパで対象期間が異なります。
ママ:産後休業(8週間)終了後から
パパ:子の出生日(または出産予定日)から8週間以内
夫婦「それぞれ」が対象期間内に合算して14日以上育児休業(または産後パパ育休)を取得する必要があり、同時に取得する必要はありません。また、育児休業を分割取得した場合でも、対象期間内で合計14日以上であれば大丈夫です。
②夫婦ともに育児休業を取得しなくてもよい例外条件
原則として、上乗せ給付金は、夫婦ともに14日以上の育児休業の取得が必要ですが、例外があります。
次のような場合は、配偶者が育児休業を取得していなくても対象になります。
・配偶者が自営業・フリーランスで育児休業制度がない場合
・配偶者が無業の場合
・ひとり親家庭の場合 など
これらの場合、本人が14日以上育児休業を取得すれば対象となります。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
③給付金の上限
令和7年8月1日現在の上限額は次の通りです。
・休業開始時賃金日額の上限金額16,100円
(上限額は毎年8月1日に変更される可能性があります)
たとえば、休業開始時の給与が51万円の人の場合、次のようになります。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」
つまり、育児休業開始前6か月間の平均給与が483,300円超の人は、上限額が適用されます。収入が高い方は、想定より給付額が少なくなるケースがあるため注意が必要です。
④育児休業中の給与が多い場合は、上乗せ給付がなくなる
育児休業中に働いたりして給与が支払われ、休業開始時の給与の80%を超える場合は、上乗せ給付金は支給されません。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」
手続き
原則として、会社(事業主)が行います。
出生後休業支援給付金の申請は、育児休業給付金とあわせて会社を通じて申請されるのが一般的です。育児休業に入る前に、会社の担当部署(人事・総務)に必ず確認しておきましょう。

まとめ
出生後休業支援給付金は、2025年4月から始まった新しい制度で、夫婦が協力して育児に取り組む家庭を、経済面から強力に支援する仕組みです。
ポイントを整理すると、
・育児休業給付金に 最大13%上乗せ
・最大28日間、給付率80%
・非課税+社会保険料免除により 手取り10割相当になるケースが多い
・一方で、対象期間・上限額・例外条件などの理解が不可欠
という制度です。
「知らなかった」「対象期間を外してしまった」というだけで、数十万円単位で受け取れる給付金が変わる可能性もあります。出産前の段階で、育児休業の計画を夫婦で話し合っておきましょう。
▶ 【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド
今回の制度は、子育て世代がもらえるお金の“ほんの一部”です。結婚・妊娠・出産・育休・保育園・小中高・大学。人生のタイミングごとに使える制度は変わります。そしてその選択次第で、数十万円〜100万円以上の差が生まれることもあります。
「自分は他にも対象になる制度はない?」
「申請し忘れている制度はない?」
そう思った方は、タイミング別にまとめた保存版の記事でチェックしてみてください。



















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