「本を読んで、“制度を知らないだけで損をしている人がいる”ことに驚きました。先日結婚して、これから出産も考えているのですが、子育てでもらえるお金をできるだけ教えてほしいです。」

そんなメッセージを、『一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則』の読者の方からいただきました。

結婚・妊娠・出産・育休・子育て。
人生の中でも特にお金が大きく動くタイミングです。
そして同時に、公的な支援制度が最も多い時期でもあります。しかし、これらの給付金や助成金、節税制度は、申請しなければもらえません。

・申請期限がある
・働き方で金額が変わる
・知らないと使えない
そんな制度も少なくありません。
実際、結婚から出産、育休、子育てまでの選択によっては、数十万円〜100万円以上の差が出るケースもあります。そこで今回は、このご質問にお答えする形で、子育て世代がもらえるお金を、タイミング別に複数回に分けて、わかりやすく解説していきます。

育休中に「少しだけなら働いてもいい?」「在宅で手伝ったら給付金はどうなる?」と悩む方はとても多いです。
結論から言うと、条件を守れば育児休業中に働いても育児休業給付金は支給されます。
ただし、たった1日・数時間の違いで、その月の給付金が「全額不支給」になるケースもあるため注意が必要です。
OK:突発的に1〜2日だけ手伝う → 給付金OK
NG:毎週水曜に在宅勤務 → その月は給付金ゼロ

今回は、
・育児休業中に働ける条件
・OK/NGの具体例
・給付金が減る・もらえなくなるケース
について、わかりやすく解説します。
なお、産後パパ育休は「育休中でも働ける」制度ですが、本記事は「通常の育児休業中」のルールについて解説しています。
育休中に働いてもいい?
育児休業中であっても、
・一時的・臨時的な就労に限り
・1か月の支給単位期間内で「就業日数が 10日以内」または「就業時間が80時間以内」
であれば、育児休業給付金は支給されます。
ただし、この基準を超えると、その支給単位期間の育児休業給付金は全額不支給となります。減額ではなく「丸ごと不支給」になってしまいます。これは、一定以上働くと「育児に専念していない」と判断され、その支給単位期間は育児休業とは認められなくなるためです。

そもそも育休中に働いていいの?
育児・介護休業法上の育児休業は、子の養育に専念するため、労務提供義務を消滅させる制度です。そのため、本来は育児休業期間中の就労は想定されていません。
ただし、本人と会社の話し合いにより、子どもの養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的な就労を行うことは認められています。
ポイント
①一時的・臨時的に限る
②在職中の事業所以外で就業した日数・時間も含まれる
③育児休業中に給与の額によっては給付金が減る
①一時的・臨時的に限る
恒常的・定期的な就業は育児休業していることになりません。「一時的・臨時的な就労」に該当しないケースは次のような例です。
【NGになりやすい例】
・育児休業開始前からの約束であらかじめ決められた日に働く
・毎週特定の曜日に働く

出典:厚生労働省「育児休業中の就労について」
実際、労働局に確認したところ、これらは、あらかじめ勤務日が決まっており、実質的に育児休業とはいえない働き方と判断される可能性があるとのことでした。
反対に「一時的・臨時的な就労」に該当するケースは次のような例です。

出典:厚生労働省「育児休業中の就労について」
②在職中の事業所以外で就業した日数・時間も含まれる
この就業した日数・時間は、在職中の事業所以外で就業した分も含まれます。たとえば、パートやアルバイトなど、別の会社に雇用されて働く場合、育児休業中の1か月間に10日を超えて働くと、育児休業給付金が支給されません。
「月10日・80時間」の「月」とは?
ここでいう「月」とは、育児休業給付金の「支給単位期間(原則1か月)」を指します。「支給単位期間」とは、育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間(休業開始日(または応当日)から翌月の応当日の前日までです。その1か月の間に育児休業終了日を含む場合はその育児休業終了日までの期間をいいます。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
暦月(1日〜末日)ではなく、給付金の申請単位ごとに判断される点に注意が必要です。
③育児休業中に給与の額によっては給付金が減る
育休中や産休中は原則として労働を行わないため、通常は休業期間中に給与が支払われることはありません。
育児休業中に働いたりして給与が支払われる場合、給与の金額によって給付金の支給額が調整され、休業開始時賃金の80%を超えると支給がなくなります。育児休業中に会社から支払われた給与のみが対象で、賞与は含まれません。(2026年2月育児休業給付金コールセンターに確認)

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」
・休業開始時賃金の13%以下→給与全額を受け取れる
・休業開始時賃金の80%以上→給与全額を受け取れない
この2つは分かりやすいですね。
休業開始時賃金の13%超~80%未満の場合、給与額に応じて給付金が減額されます。育児休業給付金の支給額は次のように計算されます。
育児休業給付金の支給額=休業開始時賃金月額の80%-支払われた賃金
どのように調整されるか具体例で見てみましょう。
まとめ
育児休業中の就労は、「少しなら大丈夫」と思われがちですが、
・日数・時間(10日以内、または、80時間以内)
・働き方(定期的かどうか)
・他社就労の有無
・給与の支払い状況
によって、給付金が丸ごと受け取れなくなることがあります。
不安な場合は、会社やハローワークに事前に確認したうえで判断しましょう。
▶ 【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド
今回の制度は、子育て世代がもらえるお金の“ほんの一部”です。結婚・妊娠・出産・育休・保育園・小中高・大学。人生のタイミングごとに使える制度は変わります。そしてその選択次第で、数十万円〜100万円以上の差が生まれることもあります。
「自分は他にも対象になる制度はない?」
「申請し忘れている制度はない?」
そう思った方は、タイミング別にまとめた保存版の記事でチェックしてみてください。




















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