自動車保険はダイレクト型で十分?保険料だけで選ぶ前に確認したい7つの違い

自動車保険を見直すとき、

「車屋さんで入ったままでいいのか」
「ネット型の自動車保険に変えた方がいいのか」
「保険料が安いところを選べばいいのか」

というご相談をいただくことがあります。

自動車保険には、大きく分けて代理店型ダイレクト型があります。

代理店型とは、車を購入した販売店、自動車修理工場、保険の窓口のような保険代理店などを通じて契約する自動車保険です。

代表的な代理店型の大手損保には、次のような会社があります。

  • 東京海上日動
  • 三井住友海上
  • 損保ジャパン
  • あいおいニッセイ同和損保

一方、ダイレクト型とは、インターネットや電話で、保険会社と直接契約する自動車保険です。

代表的なダイレクト型の自動車保険には、次のような会社があります。

  • ソニー損保
  • SBI損保
  • チューリッヒ
  • アクサダイレクト
  • 三井ダイレクト損保
  • おとなの自動車保険

代理店型とダイレクト型は、単に「高い・安い」だけでなく、いくつか違いがあります。

主な違いは、次のような点です。

  • 保険料
  • 事故受付と事故対応
  • 個人賠償責任特約
  • ドライブレコーダー特約
  • 更新管理
  • 補償内容の相談
  • 団体扱い・団体割引

それぞれ順番に見ていきます。

違い1:保険料

ダイレクト型の一番分かりやすい特徴は、保険料が安くなりやすいことです。

代理店型は、代理店を通して契約する形です。

一方、ダイレクト型は、インターネットや電話で保険会社と直接契約する形です。

実際に、私自身の自動車保険で年間保険料を比較したところ、次のような差がありました。

保険会社 年間保険料
大手A社 39,050円
ダイレクトB社 29,100円
ダイレクトC社 28,360円

比較条件:本人限定、35歳以上、20等級、免許証ブルー、車種ノート
補償内容:対人賠償無制限、対物賠償無制限、人身傷害3,000万円、車両保険なし、弁護士費用特約、個人賠償責任特約あり

このケースでは、代理店型とダイレクト型で年間約1万円の差がありました。

もちろん、保険料の差は、車種、等級、年齢条件、補償内容によって変わります。
そのため、必ず同じ金額差になるわけではありません。

大切なのは、同じ補償内容で比較することです。

違い2:事故受付と事故対応

自動車保険を比較するときは、事故時の対応も確認しておきたいところです。

ここで大切なのは、事故受付と事故初期対応を分けて考えることです。

事故受付とは、事故が起きたことを保険会社に連絡し、事故の報告を受け付けてもらうことです。

一方、事故初期対応には、次のようなものがあります。

  • 相手方への連絡
  • 修理工場への連絡
  • 病院への連絡

「24時間事故受付」と書かれていても、すべての事故初期対応が24時間できるとは限りません。

保険会社 事故受付 レッカー・ロードサービス 事故初期対応
東京海上日動 24時間365日 24時間365日 24時間365日。事故受付後、要望に応じて修理工場・病院等への各種手配や被害者への連絡等を実施
損保ジャパン 24時間365日 24時間365日 24時間365日。代車・ロードアシスタンス業者の手配、病院への連絡、相手方とのやり取り・アドバイス等を実施
ソニー損保 24時間365日 24時間365日 24時間365日対応。0:00〜20:00受付完了の対象事故は、当日中に関係各所へ連絡し、対応結果を報告。20時以降も対応は継続するが、対応結果の報告は翌日になる可能性あり。
SBI損保 24時間365日 24時間365日 19時までの受付は当日中の初期対応の目安。19時以降は、相手方・病院への連絡などが翌日対応になる可能性あり。

※上記は、各社公式サイト・パンフレットおよび電話確認をもとに整理したものです。事故内容、受付時間、事故現場の状況、ロードサービス業者や医療機関の対応状況などにより、実際の対応内容や対応時間が異なる場合があります。契約前には、各社の最新情報をご確認ください。

つまり、「24時間365日事故受付」と書かれていても、相手方への連絡、病院への連絡、修理工場への連絡などの初期対応まで同じように24時間365日対応しているとは限りません。

夜間や休日に車を使うことが多い方は、事故受付時間だけでなく、事故初期対応の時間まで確認しましょう。

違い3:個人賠償責任特約

個人賠償責任特約も、代理店型とダイレクト型で違いが出やすいポイントです。

個人賠償責任特約とは、自動車事故以外の日常生活で、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合に備える特約です。

この特約は、自動車保険だけでなく、火災保険や傷害保険などに付けられる場合もあります。
そのため、重複して付ける必要はありません。

保険会社によって、次のような違いがあります。

  • 補償額
  • 国内だけか、海外も対象か

代表的な保険会社で見ると、次のような違いがあります。

保険会社 タイプ 国内補償 海外補償
東京海上日動 代理店型 無制限 1億円
三井住友海上 代理店型 無制限 3億円
損保ジャパン 代理店型 無制限 1億円
ソニー損保 ダイレクト型 1回の事故につき3億円まで 補償なし

個人賠償責任特約については、補償額、海外補償を確認することが大切です。

違い4:ドライブレコーダー特約

ドライブレコーダー特約も、代理店型とダイレクト型で差が出やすい部分です。

保険会社によっては、通信機能付きの専用ドライブレコーダーを貸与し、事故時の自動通報や事故映像の送信に対応するサービスがあります。

代表例は次の通りです。

保険会社 商品・端末 月額目安 前方録画 後方録画 車内撮影 360度撮影 駐車中録画 安全運転サポート 事故時の駆けつけ
東京海上日動 新型・事故自動通報ドラレコ 500円 × ○ 後方130度 × × × ×
東京海上日動 2カメラ一体型ドラレコ 850円 ○ 別売リアカメラ ○ 後方145度 × ×
三井住友海上 プレミアム ドラレコ型 1,200円 ×
損保ジャパン つながるドラレコ Driving! 980円 ○ 別売リアカメラ × × × ○ ALSOKかけつけ安心サービスあり
あいおいニッセイ同和損保 タフ・見守るクルマの保険プラス 約650円程度 ○ 別売リアカメラ ○ 別売インカメラ × × ×

通信機能付きのドラレコを保険とセットで使いたい場合は、代理店型の大手損保が選択肢になりやすいです。

一方で、市販のドライブレコーダーで十分という方も多いと思います。

ドラレコについては、別記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。

ドライブレコーダー特約は必要?市販ドラレコとの違いと選び方

違い5:更新管理

ダイレクト型で注意したいのは、更新忘れです。

自動車保険は、基本的に1年ごとの契約です。
更新を忘れて満期日を過ぎてしまうと、無保険期間ができたり、等級をそのまま引き継げない可能性があります。

特に、長年無事故で20等級になっている方が更新を忘れてしまうと、保険料が大きく上がる可能性があります。

代理店型の場合、担当者から電話や郵送で更新案内が届くことが多いため、更新忘れを防ぎやすいというメリットがあります。

一方、ダイレクト型の場合は、メールやマイページで更新案内が届き、自分で手続きを進める形が中心です。
ただし、次のような方は注意が必要です。

  • メールを見落としやすい
  • 後で手続きしようと思って忘れやすい
  • 満期日を自分で管理するのが苦手

更新忘れが不安な方は、代理店型を選ぶ、またはスマホのカレンダーに満期日を登録しておくなど、更新管理の仕組みを作っておくとよいです。

違い6:補償内容の相談

代理店型は、補償内容を相談しながら決めやすいこともメリットです。

特に、次のような内容を相談できる点は、安心材料になります。

  • どの補償を付けるか
  • 家族の運転者条件に合っているか
  • 複数台の契約で特約が重複していないか

ただし、最近はダイレクト型でも、電話や画面共有などで補償内容を確認しながら見積もりできる会社があります。

そのため、補償内容の相談だけであれば、必ずしも代理店型でないといけないわけではありません。

本当に確認したいのは、次の点です。

  • こちらの状況をきちんと聞いてくれるか
  • 必要な補償内容を分かりやすく説明してくれるか
  • 保険に入る目的や考え方まで教えてくれるか

違い7:団体割引

勤務先や所属団体によっては、団体扱いの自動車保険を利用できる場合があります。

団体扱いが使える場合、代理店型の大手損保でも保険料が数%~約20%安くなることがあります。

この場合、ダイレクト型との保険料差が小さくなる、または代理店型の方が有利になる可能性もあります。

そのため、勤務先で団体扱いの自動車保険が使える方は、ダイレクト型だけでなく、団体扱いの代理店型保険も見積もって比較するとよいです。

自動車保険を比較するときのおすすめの流れ

自動車保険を見直すときは、次の流れがおすすめです。

  1. 現在の保険証券を用意する
  2. 補償内容を確認する
  3. 必要な補償内容を決める
  4. 保険料以外に重視するポイントを確認する
    例:事故対応、個人賠償責任特約、ドラレコ、更新管理、団体扱いなど
  5. 同じ内容で、代理店型とダイレクト型の見積もりを取る
  6. 保険料の差額を見る
  7. 保険料の差額を支払う価値があるか考える

まずは保険証券を確認する

最初に確認したいのは、現在加入している自動車保険の保険証券です。

保険証券には、現在の補償内容が書かれています。

例えば、次のような内容です。

  • 対人賠償
  • 対物賠償
  • 人身傷害
  • 車両保険
  • 弁護士費用特約
  • 個人賠償責任特約
  • 運転者の範囲
  • 年齢条件
  • 等級
  • 満期日

保険証券を見ても分かりづらい場合は、現在の保険証券を見せて、
「この内容と同じ条件で見積もりをお願いします」
と伝えると、比較しやすくなります。

もちろん、現在の補償内容が必ず正しいとは限りません。

そのため、まずは今の内容を確認し、必要に応じて補償内容を見直したうえで、その内容を基準にして比較しましょう。

ダイレクト型が向いている人

基本的には、同じ補償内容で比較して、ダイレクト型の方が安く、自分で更新管理もできるなら、ダイレクト型は十分選択肢になります。

保険料を抑えたい方にとって、ダイレクト型は有力な選択肢です。

代理店型も含めて比較した方がよい人

一方で、次のような方は、代理店型も含めて比較するとよいと思います。

  • 更新忘れが不安
  • 団体扱いで代理店型が安く使える
  • 個人賠償責任特約を重視したい
  • 通信機能付きドラレコを使いたい
  • 補償内容を相談しながら決めたい
  • 夜間や休日の事故対応を重視したい

特に、補償内容を自分で判断するのが不安な方は、保険料の安さだけで決めない方がよいです。

保険料の安さだけで選ばない

一番避けたいのは、「保険料が安いから」という理由だけで、補償内容をよく分からないまま選んでしまうことです。
自動車保険は、事故が起きてから「この補償を付けておけばよかった」と気づいても、後から過去の事故に補償を付けることはできません。

大切なのは、
「代理店型だから安心」
「安いからダイレクト型でよい」
と単純に決めることではありません。

同じ補償内容で比較し、保険料の差額と、保険料以外の違いを確認したうえで、自分に合う自動車保険を選びましょう。

この記事が、
家計を整えるきっかけになれば嬉しいです。

 

1級FP 磯山裕樹

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