単独で借りるか、夫婦で借りるか|住宅ローンの基礎③

これから住宅購入を考えている方に向けて、住宅ローンをどう組むか考えるにあたって住宅ローンの基礎を複数回に分けてお伝えしていきます。

今回は住宅ローン組む場合、「単独で借りるか、夫婦で借りるか」2つの選択肢について、どういった組み方があるかお伝えしていきます。

夫婦で借りる場合のメリット

「住宅ローンを借りる人=物件の所有者」になります。

「夫が一人で所有=夫の単独債務」になります。
「夫婦二人で所有=夫婦の連帯債務」になります。

夫婦で借りる場合のメリットは、多く借りられること、住宅ローン控除の上限が上がることです。

1人で借りるより夫婦で借りた方が、多く借りれるので、住宅の予算を上げることができます。

また、住宅ローン控除は支払っている税金以上にお金は返ってきません。夫婦でそれぞれ住宅ローン控除を活用することで、1人で借りるより多く税金が返ってくる可能性があります。

夫婦で借りる場合のデメリット

デメリットは、離婚した時に財産分与で揉める可能性があることです。

離婚しても契約関係が何も変わりません。離婚を前提に家を買う人はいないですが、3組に1組は離婚している現状を考えると、亡くなったり、働けなくなったりして住宅ローンを返済できなくなる確率より大きいです。

婚姻後に購入した家の財産分与は所有権の持ち分によらず半分ずつに分けます。家の財産分与は、①売却して売却益を半分ずつ分ける、②どちらかが家を取得して、家の価値の半分相当分のお金をもらうなどがあります。

家を売却してローンがチャラになるのであれば揉めることは少ないですが、住宅ローンの残高より安い値段で売るしかできなければ、手出しで費用が必要であったり、ローンの支払いが続く可能性もありますね。

夫婦共有名義の住宅ローンは、安定した収入と結婚の継続の前提になりたっています。

夫婦で借りる3つの方法

夫婦で借りる場合も、3つの選択肢があります。それぞれメリットデメリットがあるので、まずは内容を理解しましょう。

連帯保証

夫婦の収入を合算してローン審査をすることができます。主債務者が返済していくのですが、主債務者が返せなくなったら配偶者が返さないといけません。

メリットは、諸費用は1人分で済むので安くできます。諸費用は、権利関係を設定する司法書士費、印紙代、金融機関への事務手数料で計5~15万円程度になります。

デメリットは、住宅ローン控除を活用できるのは主債務者のみになるので、夫婦の収入によっては他の2つよりも控除が少ない可能性があります。また、団体信用生命保険に入れるのも主債務者のみになるので、配偶者が亡くなった場合も住宅ローンはチャラにならないので、心配であれば民間保険で備えておきましょう。

ペアローン

収入を合算せずそれぞれが主債務者になり2本の住宅ローンで組むやり方です。お互いがそれぞれの連帯保証人になる必要があります。

メリットは、住宅ローン控除は夫婦それぞれに活用できることです。また、片方は固定金利、片方は変動金利など商品を分けることもできます。

デメリットは、団体信用生命保険は夫婦それぞれ加入しますが、片方が亡くなっても片方のローンは残ります。2つのローンを組むので諸費用が2人分かかります。また、将来離婚することになった場合、一方が勝手に処分することができないので、もめる可能性があることです。

連帯債務

連帯債務は、フラット35や一部の金融機関のみが取り扱っている選択肢です。

2人の年収を足して、審査が受けることができます。1つの住宅ローンを2人で返済していきます。

メリットは、二人で返すがローンは一つなので諸費用は1人分で良いことです。

デメリットは、団信は主債務者のみの場合が多いことです。連帯債務者も含めて適用できる夫婦連生型団信はフラット35デュエットなど限られるが金利の上乗せがあります。この問題は、民間の生命保険に加入することで解決します。

持ち分割合について

持分割合とは、住宅の所有権の割合を表すものです。
3000万円の家で持ち分割合が夫2:妻1の場合は、ご主人が2000万円、奥様が1000万円の不動産を所有するかたちになります。

原則として持ち分割合と支払い割合は一致させないといけません。
収入の割合や頭金の割合など、その割合の根拠がないと贈与とみなされる場合もあるので気を付けましょう。

例えば、夫収入900万、妻収入300万の場合、収入をベースに考えると夫:妻:3:1になります。妻が頭金を多く出しているのであれば、持ち分の上乗せ可能なので、夫:妻:2:3にすることもできます。

割合に根拠が必要だということです。

まとめ

今回は住宅ローン組む場合、「単独で借りるか、夫婦で借りるか」2つの選択肢について、どういった組み方があるかお伝えしました。
それぞれメリットデメリットがあるので、ご夫婦にあった借り方を考えていきましょう!

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