【2026年最新版】産後パパ育休とは?給付金・働ける範囲・注意点を1級FPが完全解説

「本を読んで、“制度を知らないだけで損をしている人がいる”ことに驚きました。先日結婚して、これから出産も考えているのですが、子育てでもらえるお金をできるだけ教えてほしいです。」

そんなメッセージを、『一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則』の読者の方からいただきました。

結婚・妊娠・出産・育休・子育て。
人生の中でも特にお金が大きく動くタイミングです。

そして同時に、公的な支援制度が最も多い時期でもあります。しかし、これらの給付金や助成金、節税制度は、申請しなければもらえません。

・申請期限がある
・働き方で金額が変わる
・知らないと使えない

そんな制度も少なくありません。

実際、結婚から出産、育休、子育てまでの選択によっては、数十万円〜100万円以上の差が出るケースもあります。そこで今回は、このご質問にお答えする形で、子育て世代がもらえるお金を、タイミング別に複数回に分けて、わかりやすく解説していきます。

産後パパ育休は、出生後8週間以内に最大4週間取得でき、一定の範囲で「働きながら給付金を受け取れる」パパのための育休制度です。

出産を控えているご家庭から、最近とくに多い質問がこちらです。
「パパも育休を取れるって聞いたけど、どんな制度?」
「給料はどれくらい減る?」
「少しなら働いてもいいって本当?」

こうした疑問に答えてくれるのが産後パパ育休です。ただし、制度を正しく理解していないと「給付金が減る」「もらえない」というケースもあります。

育児休業給付金とは、育児休業中に給与が出ない(または少ない)期間の生活を支えるために、雇用保険から支給される給付金です。

育児休業とは、原則1歳未満の子どもを養育するために、一定期間会社を休める制度です。
育児休業中に雇用保険から支給される給付金は、次の3つがあります。

正式名称 この記事での表記
育児休業給付金 育児休業給付金
出生時育児休業給付金 産後パパ給付金
出生後休業支援給付金 上乗せ給付金

もらえる給付金の全体像は次のような感じです。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

今回は、産後パパ育休について、
・制度の基本
・給付金
・働ける範囲
・注意点
まで初心者の方にも分かりやすく解説します。

産後パパ育休とは?

産後パパ育休(正式名称:出生時育児休業)は、子どもが生まれてから8週間以内に、パパが4週間まで取得できる育児休業制度です。

母親は出産後8週間、法律で産後休業を取得することが義務付けられています。産後パパ育休は、その期間に 父親も集中的に育児に関われるように作られた制度で、「父親版の産後休業」と考えるとイメージしやすいです。

子どもが産まれた日が、出産予定日より前か、後かによって少し取得可能期間が変わります。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

誰が使える?

産後パパ育休は「パパ」が対象で、ママが取得できる制度ではありません。

基本的な要件は育児休業給付金と同じです。

① 原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得していること
② 雇用保険に加入していること
③ 育児休業開始前2年間に「12か月以上」働いていること
④ 育児休業中の就業が一定以下であること
⑤ 育児休業中の給与が「休業前賃金の80%未満」であること

「育児休業給付金の要件」についてくわしくはこちら

【2026年版】育児休業給付金とは?誰が・いつまで・いくらもらえるかを1級FPがわかりやすく解説

通常の育児休業との違い

産後パパ育休と通常の育児休業の主な違いは次のとおりです。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」

押さえておきたいポイントは次の4つです。

①給付金の額は育児休業給付金と同じ
②2回まで分割して取得できる
③育児休業中でも「一定条件」で働ける
④育児休業中に給与が支払われた場合は調整される

①給付金の額は育児休業給付金と同じ

産後パパ育休の支給額は育児休業給付金と同じ「休業前賃金の67%」です。さらに、出生後休業支援給付金の条件を満たせば、合わせて「休業前の賃金の最大80%」を受け取ることができます。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

「出生後休業支援給付金」の詳しい内容についてはこちらから
※作成中

②2回まで分割して取得できる

産後パパ育休は、2回まで分割取得が可能です。

たとえば、
・出生直後に2週間
・少し間を空けて残り2週間
といった柔軟な取り方ができます。

出典:労働基準監督署「改正育児・介護休業法について」

③育児休業中でも「一定条件」で働ける

通常の育児休業では、原則就労不可です。産後パパ育休の最大の特徴が、休業中でも一定の範囲で就労が認められている点です。

具体的には、
・休業期間中 最大10日まで
・または、就業時間の合計が80時間以内
であれば、育児休業扱いのまま働くことができます。

働きすぎてしまい就業日数の条件をオーバーすると給付金がもらえなくなるので注意しましょう。

たとえば、次のケースの場合、28日のパパ育休期間に、14日就業しているため給付金は不支給となってしまいます。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

また、産後パパ育休で休んだ日が28日より少なければ、就業日数の条件もそれに比例して短くなります。
合計10日休んだ場合は、「10日×10/28=3.57(端数切り上げ)→4日、80時間×10/28=28.57時間(端数処理なし)」となります。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

たとえば、次のケースの場合、10日のパパ育休期間に、6日就業しており4日を超えています。しかし、就業時間は28時間であり、28.57時間以内なので給付金は支給されます。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

また、分割で取得した場合は、それぞれの期間を合計して計算します。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」

④育児休業中に給与が支払われた場合は調整される

育児休業休業中に働いたりして給与が支払われる場合、給与の金額によって給付金の支給額が調整され、休業開始時賃金の80%を超えると支給がなくなります。

出典:厚生労働省「給付金の制度利用ガイド」

「育児休業中に給与が支払われた場合は調整」について詳しくはこちらから
※作成中

まとめ

産後パパ育休は、制度を正しく理解すれば、

・出生直後の大切な時期を家族で過ごせる
・家計への影響を抑えながら休める

とても有効な制度です。

一方で、
・就労日数
・就業時間
・給与の出方
を誤ると、給付金が減る・もらえないリスクもあります。取得前には、会社の人事担当者やハローワークで具体的な取得方法・給与の扱いを必ず確認しましょう。
【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド

【保存版】結婚・出産〜大学まで「もらえるお金」完全ガイド


今回の制度は、子育て世代がもらえるお金の“ほんの一部”です。結婚・妊娠・出産・育休・保育園・小中高・大学。人生のタイミングごとに使える制度は変わります。そしてその選択次第で、数十万円〜100万円以上の差が生まれることもあります。

「自分は他にも対象になる制度はない?」
「申請し忘れている制度はない?」

そう思った方は、タイミング別にまとめた保存版の記事でチェックしてみてください。

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1級FP技能士
磯山裕樹

立命館大学を卒業後、旅行会社に就職。連日の出張や残業による仕事中心の生活から家族の時間を作るため、自分で自由に時間を決められる働き方を求め外資系保険会社に転職。総額200万円を投資して徹底的にお金に関する学びを追求。その結果、富裕層ではなく、かつての私と同じ悩みを持つ子育て世代にこそ自身が体感したサービスが必要だと考え、磯山FP事務所を開業。これまで、100世帯の家計管理に携わり、家計改善成功率100%、継続顧問サービス継続率100%の実績がある。単にお金を増やすだけでなく、「豊かに幸せに生活できる家計」を実現すべく日々奔走中。

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