【1級FPが解説】貯蓄保険とiDeCo・NISAを比較!保険で貯蓄はやめたほうがいい理由を具体例で解説

「貯蓄保険がいいんですか?それともiDeCoやNISAがいいんですか?」

保険のご相談のなかで一番多い質問です。

結論、保険で貯蓄はやめておいたほうがいいと僕は考えています。
その理由について解説していきます。

YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約10分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。

貯蓄保険とは

貯蓄保険とは、貯蓄と保障がセットになっている保険商品です。たとえば、亡くなると2000万円の保障、しばらく継続して保険料を支払っておくと70歳で1900万円のお金が貯まるようなイメージです。

一般的に、しばらく元本割れが続くのですが、しっかり支払っていけばいつかプラスになっていきます。
「ということは、損しないってことですか?」と思われる人もいるかもしれませんが、実は損をしています。

3つのお金を貯める場所

お金を貯める場所は大きく3つに分かれます。

①銀行
②保険会社
③証券会社

あなたは、どこに大切なお金を保管していますか?
なぜ、この金融機関を利用しているのですか?

お金を貯める場所を決めるためには、7つのポイントがあります。
そのポイントについては、私の著書「一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則」の第5章に詳しく書いているので、良ければみてみてください。そのうえで、具体例やよくある質問を解説していきます。

「一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則」の詳しい内容はこちらから↓↓↓
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貯蓄保険と掛け捨て保険の比較

「貯蓄保険」で保障と貯蓄をセットで考える場合と「掛け捨て保険+証券口座で投資」で保障と貯蓄を別々で考える場合を比較してみましょう。考え方の話なので、数値などは正確には表現していませんので、ご了承ください。

円建ての貯蓄保険【上の図】
●亡くなったときの保障:1000万円(一生涯)
●支払期間:30歳から65歳まで
●保険料:毎月18,000円(総額756万円)

掛け捨て保険【下の図】
●亡くなったときの保障:1000万円(30歳~90歳)
●支払期間:30歳から90歳まで
●保険料:毎月6,000円(90歳までの総額432万円)

では3つのケースで考えてみましょう。

加入の1年後の31歳で亡くなる場合

貯蓄保険は、216,000円支払って、1000万円受け取れます。
掛け捨て保険は、72,000円支払って1000万円の受け取れます。
つまり、掛け捨て保険のほうが少ない支払いで、同じ保障を得ることができます。

90歳になる直前に、亡くなる場合

貯蓄保険は、756万円支払って1000万円の受け取りです。
掛け捨て保険は、432万円支払って1000万円の受け取りです。
掛け捨て保険のほうが約300万円少なく支払って同じ1000万円を受け取ることができています。

90歳以降に亡くなる場合

貯蓄保険は、756万円支払って1000万円の受け取りです。
掛け捨て保険は、保険は90歳で終わっているので保険からは0円です。
しかし、貯蓄保険の総支払い額756万円と掛け捨て保険の総支い額432万円の差額が320万円あります。

仮に、この保険料の差額の毎月12,000円を65歳までの35年間、そしてその後90歳まで資産運用していた場合どうなるでしょうか? 年利回り1.5%で1000万円、年利回り4%で2970万円になります。つまり、約1.5%以上の利回りで資産運用ができれば、貯蓄保険より多くのお金を受け取ることができるということです。

整理すると

【90歳までに亡くなる場合】
掛け捨て保険で備えていたほうが、少ない保険料で大きな保障を得ることができる。

【90歳以降に亡くなる場合】
保険料の差額を現金で残しているだけだと、貯蓄保険のほうががいい。年約1.5%以上の運用ができれば、貯蓄保険より多くのお金を受け取ることができる。

保険商品や期間などにより、比較の結果は違いますが、考え方ははこのようなイメージです。

「資産運用なんて自分ではできない」と思った人、貯蓄保険も資産運用の一つです。自分のお金をどこに保管しておくかを7つのポイントをふまえて決めましょう。

よくある4つの質問

ここまでお話しさせていただくといろんな質問がきます。
ここからは、よくある4つの質問について回答していきます。

①米国債・国債・株式を直接買うなんてできるの?

楽天証券やSBI証券など、ネット証券で誰でも簡単に直接投資をすることができます。

②円だけでなくドルでも資産を持っておいたほうがいいと言われた

「円だけではなくドルでも資産を持っているほうがいいですよ」と保険会社の人に言われることがあります。

それはその通りですね。その通りなんですが、ドル資産を保有するのにドルの貯蓄保険が適しているのかどうかとうことですね。外貨預金、FX、米国債、米国株などさまざまな選択肢の中で、どれがいいのかを比較して決めましょう。

③長期的に見ればお金が増える、銀行預金よりまし!?

銀行預金と比較すること自体がおかしいですね。
銀行預金はいつ引き出しても元本が保たれる、生活費などの「短期」のお金を管理する場所です。貯蓄保険は、教育費や老後資金など「長期」のお金を管理する手段の選択肢の一つです。そもそも比べること自体がおかしいです。

④働けない状況に保険料を払わなくてもお金が貯まる!?

「ガンや三大疾病、働けない状況になると、保険料を払わなくてもお金が貯まっていく仕組みが作れるので安心ではないですか?」と保険会社の人に言われることがあります。

これは、払込免除という特約です。もし、この特約が必要なら、ガンや三大疾病、働けなくなってお金が出てくる掛け捨ての保険に加入したらいいと思います。たとえば、働けなくなったら毎月5万円を保険会社が支払ってくれる貯蓄保険であれば、働けなくなったときに毎月5万円給付される掛け捨ての保険に加入すれば一緒です。

貯蓄保険の場合、5万円は必ず保険料に充てられますが、掛け捨て保険の場合は、5万円の使い道は運用の継続のほかにも、教育費や住宅費などに使ってもいいので、わざわざ保険に頼る必要はありません。

貯蓄保険を活用してもよい場合

ここまで貯蓄保険ではなくて「掛け捨て保険+証券口座で投資」で保障と貯蓄を別々で考えたほうがいいですよというお話をしてきましたが、保険でやったほうがいいかもしれない2つの場合をお伝えします。

①「相続対策」として保険を活用

保険の場合、相続のときに相続税がからない枠を活用することができます。
非課税の枠は、「500万円×法定相続人の数」なので、たとえば、相続人が奥さまと子どもの2人の場合、1000万円非課税の枠を活用できます。

保険は、奥さまや子どもに渡すなど、亡くなったときに誰に渡すのか、受取人を指定できます。たとえば、妻に1000万円、子どもに1000万円必ず渡したいということであれば、名前をつけてお金を渡すことができます。

②「お宝」保険

保険は契約時の条件で全てが決まり、金利も固定されます。金利が高い場合は、継続したほうが良い場合があります。金利が高い時期に貯蓄保険に加入した場合は、お宝保険の可能性があるので継続するのもありです。

最後に迷う2つのこと

「貯蓄保険より、掛け捨て保険+証券口座で投資でしたほうがいいのわかったんですけど、今解約すると損してしまうので、解約をためらってしまう……」こう思う人が多いと思います。保険がなぜ購入してしばらくの間、元本が割れるのか? それは、購入時に費用がかかっているからです。購入時に保険屋さんや保険会社に費用をたくさん支払ってしまっています。そして、この費用が返ってきません。

今は損をしますが、長期的な目線で見れるかどうかがポイントだと思います。

そして、保険会社の人から「払い済み」をすすめられる人も多いです。「払い済み」は、解約をせず、保険料の支払いを停止し、保障を継続することです。損失を確定しないので、心理的には解約よりは容易なのですが、効率が悪い場所でずっとお金を保管しておくのが適切でしょうか?

まとめ

今回は、保険で貯蓄はやめておいたほうがいい理由について解説しました。

次回は、「勤め先の団体保険」についてお伝えします↓↓↓

【1級FPが解説】勤め先の団体保険のメリット・デメリット|入るべきか、入らないほうがいいか

家計が変われば人生が変わる!

人生が変わる家計の整え方について、私の著書「一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則」でお伝えしています。ぜひ、参考にしてみてください!

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1級FP技能士
磯山裕樹

立命館大学を卒業後、旅行会社に就職。連日の出張や残業による仕事中心の生活から家族の時間を作るため、自分で自由に時間を決められる働き方を求め外資系保険会社に転職。総額200万円を投資して徹底的にお金に関する学びを追求。その結果、富裕層ではなく、かつての私と同じ悩みを持つ子育て世代にこそ自身が体感したサービスが必要だと考え、磯山FP事務所を開業。“お金が理由で子供の選択肢を狭めない未来”を実現できる子育て世代を増やすべく日々奔走中。

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