【1級FPが解説】大学までの子供の教育費(教育資金)は、800万円~4000万円必要|教育費をいくら貯めるかを判断する4つのポイント

今回は「教育資金はどのように貯めたら良いですか?」という質問をいただきましたので、「教育資金を貯める3ステップ」について解説していきます。

教育資金を貯めるためには考える順番が大切です。
ステップ①いくら貯めるかを設定する
ステップ②いつまでに貯めるか決める
ステップ③どうやって貯めるかを決める

今回は「ステップ①いくら貯めるかを設定する」について解説します。

自分がどんな教育を受けてきたなどにより夫婦でも価値観が違うこともよくあるので、夫婦で3ステップに沿って話をして実践していきましょう。

YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は10分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。

教育費の平均

教育資金をいくら貯めるか考えるために、まず、教育費がいくらかかるのか把握しましょう。

教育費の総額には、学校教育費、学校給食費、学校外活動費が含まれます。

学校教育費は、授業料、修学旅行・遠足・児童会・生徒会費、PTA会費、その他の学校納付金(入学金を除く)、寄附金、教科書費・教科書以外の図書費学用品・実験実習材料費、教科外活動費、通学費、制服通学用品費などが含まれています。

学校外活動費は、塾やスポーツクラブの習い事にかかる月謝や物品購入費用などが含まれています。

幼稚園・保育園

公立の平均は、年間約17万円、3年間で約50万円です。
私立の平均は、年間約31万円、3年間で約100万円です。

現在、「幼児教育・保育の無償化」により、3~5歳児の子どもは原則無料となっています。

0~2歳児の保育園の利用料は前年の世帯所得、子供の人数、保育時間、自治体によって変わります。
僕が住んでいる岡山市の場合、世帯収入などにより0円~55,700円に区分されています。世帯収入が多い夫婦の場合、2歳までに保育園を利用する場合は意外とお金がかかります。
自治体ごとで異なるので、自治体のHPをチェックしてみましょう。

認可外保育園の場合は、事業者が自由に決めることができるので、料金は保育園ごとに異なります。

小学校

公立の平均は、年間約35万円、6年間で約210万円です。
私立の平均は、年間約167万円、6年間で約1000万円です。

小学校は、公立か私立かでかなり費用が変わりますね。
学校教育費はもちろん、学校外活動費も差があります。私立に通うことができるご家庭は、学校外の活動費にかけるお金も多くなっています。

中学校

公立の平均は、年間約54万円、3年間で約160万円です。
私立の平均は、年間約144万円、3年間で約430万円です。

部活に入ると道具や服、部費も発生します。また、高校受験に向けて習い事も増える時期ですね。

高校

公立の平均は、年間約51万円、3年間で約150万円です。
私立の平均は、年間約105万円、3年間で約320万円です。

高校の授業料は、一定の所得基準の条件を満たすと無償化されているので、条件にあてはまるかどうかで変わってきます。しかし、無償化の対象は授業料のみなので、その他の費用はかかることには注意しましょう。

大学

国立は、4年間で約250万円です。

私立だと、学部により異なります。
私立文系の平均は、4年間で約400万円です。
私立理系の平均は、4年間で約550万円です。
私立医歯系の平均は、6年間で約2400万円です。

大学になると、入学金や授業料の他に、下宿代などの仕送りを考える必要があります。
『日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」』によると、自宅外通学者への仕送り額の平均は、年間95.8万円(月額7.9万円)となっています。
約10%が仕送りなし、約15%が150万円以上になっているように、各家庭により差がありますね。


出典:日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」より

国立大学は250万円、私立文系は400万円で、その差は4年間で150万円です。国立大学は各県1つか2つなので、県外の国立大学に行く場合、家賃や食費などの仕送り、国立大学に入るまでの塾代などお金がかかります。月8万円仕送りをすると年間約100万円となり、4年間で約400万円になるので、実家から近い、私立大学に行く方や費用面では安くなる場合も考えられます。

教育費をいくら貯めるかを判断する4つのポイント

ここまでで教育資金がどのくらいかかるかざっくりとしたイメージをつかめたと思います。
次に、教育資金にいくらかけるかを考える上でのポイントをお伝えします。

ポイント①平均データはあくまで参考として活用する

あくまで平均なので、行きたい学校が決まっていれば、いくらかかるか調べてみましょう。
また、学校外活動費については、習い事が多い家庭はもっとお金がかかるので注意してくださいね。

平均はあくまで目安として、ご自身の家庭はどれくらい準備するか考えてみましょう。

ポイント②どこまで準備するか決める

親は公立に進んでもらいたいと思っていても、受験で公立に落ちてしまい私立に行くことになる場合や子供が何か理由があり私立に進みたいと考えた場合に、そのお金を出してあげるかどうかを考えておくことです。

どこまで準備するかを考え、一番お金がかかる進路を想定して目標額を決めていくと良いと思います。

ポイント③奨学金を利用するかどうか

奨学金の利用の有無によっても、準備しておく金額が変わります。

老後にお金を借りる場合、有利な借金はないので老後資金が足りなくなるのであれば、奨学金を借りて子供に返済してもらうことも選択肢の一つです。

公立に進学する費用は親が準備し、それ以上は奨学金を活用するという考え方もあると思います。
私立に行くなら、成績優秀の学費免除があればという条件にしている家庭もあります。

奨学金には、様々な種類があり、大学独自や民間、自治体の奨学金もあります。
中には、返済が不要な奨学金もあります。

僕のご相談者の中には、高校生のお子様が自分で奨学金を調べ、「この奨学金に応募したい」と言ってきたそうです。応募したところ、返済不要の奨学金を活用できたので、大学費用がほとんどかからなかったという方もいます。
知らないだけで活用できる奨学金があるかもしれないので、気になる方は調べてみましょう。

お金を借りる方法も、子供が社会人になって自分で返済していく奨学金と親が返済する教育ローンがありますが、教育ローンは、金利が高く、大学卒業後は老後資金を貯める期間なので、できれば避けたい方法だと思います。

ポイント④子供は望んでいるか?親のエゴか?

家計が苦しくてご相談に来られる方でよくあるのが、子供の教育費にかなりお金をかけていることです。聞いてみると、小さい頃からいろいろ体験した方が将来のためになると親は言っていますが、お子様本人に聞くとイヤイヤ行かされていることもよくあります。

磯山家もありました。次男に体操を習わせていたのですが、毎回その時間になると「行きたくない」というのですが、頑張ったらお菓子などのご褒美をちらつかせて継続していました。逆上がりもできるようになり、子供の成長が嬉しくて、親が習ってほしい気持ちを優先して、子供の気持ちを考えていませんでした。子供と話をすると、公園で遊んだり、友達と遊んだり、ゲームをしたいとのことでした。

子供の将来のことを考えての行動でも、子供が望んでいないこともあるので、限られたお金をどのように使うか子供とも話をしましょう!

教育資金にいくら準備するか決める

平均で考えると全て公立で約800万円、全て私立で約2200万円~4000万円かかります。

あなたの家庭ではいくら教育資金を準備するか考えましょう!

まとめ

「教育資金を貯める3ステップ」の中の「ステップ①いくら貯めるかを設定する」について解説しました。

まず、いくら貯めるのかを設定しないと、お金を貯めても貯めても不安が続きます。

いくら貯めるかに正解はありません。
夫婦で話して、決めましょう!

教育資金の貯め方の記事はシリーズ化しています。順番に読み進んでいただくと、「教育費をいつまでに、いくら、どうやって貯めるか」を悩んでいる方が、ご自身にとって最適な教育費を貯める考え方と実践方法を判断できるようになります↓↓↓

【1級FPが解説】教育費(教育資金)の貯め方を徹底解説!いつまでに、いくら、どうやって貯めるかの考え方と実践方法

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1級FP技能士
磯山裕樹

立命館大学を卒業後、旅行会社に就職。連日の出張や残業による仕事中心の生活から家族の時間を作るため、自分で自由に時間を決められる働き方を求め外資系保険会社に転職。総額200万円を投資して徹底的にお金に関する学びを追求。その結果、富裕層ではなく、かつての私と同じ悩みを持つ子育て世代にこそ自身が体感したサービスが必要だと考え、磯山FP事務所を開業。“お金が理由で子供の選択肢を狭めない未来”を実現できる子育て世代を増やすべく日々奔走中。

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