【1級FPが解説】教育資金はいくら貯めればいい?4つのポイントで判断できる

「教育資金はいくら貯めたら良いですか?」
ご相談者からよくある質問ですが、どう思いますか?

300万円?
500万円?
1000万円?

いろんな答えがでてくると思います。
今回は「教育資金はいくら貯めればいいか」について、4つのポイントで考え方をお伝えします。

教育資金を貯めるためには考える順番が大切です。

ステップ①いくら貯めるかを設定する
ステップ②いつまでに貯めるかを決める
ステップ③どの手段で貯めるかを決める

「ステップ①いくら貯めるかを設定する」について解説します。

YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約11分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。

教育費の平均

教育資金をいくら貯めるかを考えるために、まず、教育費の平均をみてみましょう。

学校教育費

授業料、修学旅行・遠足・児童会・生徒会費、PTA会費、その他の学校納付金(入学金を除く)、寄附金、教科書費・教科書以外の図書費学用品・実験実習材料費、教科外活動費、通学費、制服通学用品費など

学校外活動費

塾やスポーツクラブの習い事にかかる月謝や物品購入費用など

幼稚園・保育園

公立の平均は、年間約17万円、3年間で約50万円です。
私立の平均は、年間約31万円、3年間で約100万円です。

学校教育費の内訳は次のようになっています。

出典:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

現在、「幼児教育・保育の無償化」により、3~5歳児の子どもは原則無料となっています。

0~2歳児の保育園の利用料は前年の世帯収入などによって変わります。僕が住んでいる岡山市は、世帯収入などにより0円~55,700円に区分されています。世帯収入が多い夫婦の場合、2歳までの保育園の利用料は意外とお金がかかります。自治体ごとで異なるので、自治体のHPをチェックしてみましょう。

小学校

公立の平均は、年間約35万円、6年間で約210万円です。
私立の平均は、年間約167万円、6年間で約1000万円です。

学校教育費の内訳は次のようになっています。

出典:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

小学校は、公立か私立かでかなり費用が変わります。学校教育費はもちろん、学校外活動費も差があります。私立に通うことができるご家庭は、学校外の活動費にかけるお金も多くなっています。

中学校

公立の平均は、年間約54万円、3年間で約160万円です。
私立の平均は、年間約144万円、3年間で約430万円です。

学校教育費の内訳は次のようになっています。

出典:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

部活に入ると道具や服、部費も発生します。また、高校受験に向けて習い事も増えます。

高校

公立の平均は、年間約51万円、3年間で約150万円です。
私立の平均は、年間約105万円、3年間で約320万円です。

学校教育費の内訳は次のようになっています。

出典:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

高校の授業料は、一定の所得基準の条件を満たすと無償化されているので、条件にあてはまるかどうかで変わってきます。しかし、無償化の対象は授業料のみなので、その他の費用はかかります。

大学

国立は、4年間で約250万円です。

私立だと、学部により異なります。
私立文系の平均は、4年間で約400万円です。
私立理系の平均は、4年間で約550万円です。
私立医歯系の平均は、6年間で約2400万円です。

大学になると、入学金や授業料のほかに、下宿代などの仕送りを考える必要があります。
『日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」』によると、自宅外通学者への仕送り額の平均は、年間95.8万円(月額7.9万円)となっています。約10%が仕送りなし、約15%が150万円以上になっているように、各家庭により差があります。


出典:日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」より

国立大学は250万円、私立文系は400万円で、その差は4年間で150万円です。国立大学は各県1つか2つなので、県外の国立大学に行く場合、家賃や食費などの仕送り、国立大学に入るまでの塾代など、お金がかかります。月8万円仕送りをすると年間約100万円となり、4年間で400万円になるので、実家から近い、私立大学に行くほうが費用面では安くなる場合も考えられます。

教育費の総額

平均で考えると全て公立で約800万円、全て私立で約2200万円~4000万円かかります。

教育資金をいくら貯めるかを判断する4つのポイント

ここまでで教育費がどのくらいかかるか、ざっくりとしたイメージをつかめたと思います。
次に、教育資金をいくら貯めるかを考えるうえでの4つのポイントについてお伝えします。

①上限を決める
②平均データで考えすぎない
③奨学金=悪ではない
④子どもの望み?親のエゴ?

ポイント①上限を決める

なぜ上限を決めるのが大切なのかは、私の著書のP170~173で詳しく書いているので、そちらを見てみてください。

ポイント②平均データで考えすぎない

あくまで平均なので、行きたい学校が決まっていれば、いくらかかるか調べてみましょう。また、学校外活動費については、習い事が多い家庭はもっとお金がかかります。

平均はあくまで目安として、どれくらい準備するか考えてみましょう。

ポイント③奨学金=悪ではない

奨学金の利用の有無によっても、準備しておく金額が変わります。老後にお金を借りる場合、有利な借金はないので、老後資金が足りなくなるのであれば、奨学金を借りて子どもに返済してもらうことも選択肢の一つです。

奨学金には、様々な種類があり、大学独自や民間、自治体の奨学金もあります。なかには、返済が不要な奨学金もあります。

僕のご相談者の中には、高校生のお子様が自分で奨学金を調べ、「この奨学金に応募したい」と言ってきたそうです。応募したところ、返済不要の奨学金を活用できたので、大学費用がほとんどかからなかったそうです。知らないだけで活用できる奨学金があるかもしれないので、気になる人は調べてみましょう。

奨学金については、僕の著書のP150~154「やってはいけない借金とやってもいい借金」で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

奨学金を活用するかは、これまでの経験により、夫婦で意見が異なることはよくあります。

たとえば、妻は親から県外の大学の下宿費用も含めて奨学金を借りずに社会人になれたので、できれば奨学金を借りなくてもいいように準備をしたいという意見です。夫は、奨学金はお金の余裕があっても借りて、本人がお金を借りてまで大学にいくことを自覚してもらえたらと考えているなどです。

奨学金を利用するか、しないかに正解はないので、夫婦で話をして決めましょう。

ポイント④子どもの望み?親のエゴ?

家計が苦しくてご相談に来られる人でよくあるのが、子どもの教育費にかなりお金をかけていることです。聞いてみると、小さい頃からいろいろ体験したほうが将来のためになると親は言っていますが、子ども本人に聞くとイヤイヤ行かされていることもよくあります。

我が家もありました。次男に体操を習わせていたのですが、毎回その時間になると「行きたくない」というのですが、頑張ったらお菓子などのご褒美をちらつかせて継続していました。
逆上がりもできるようになり、子どもの成長が嬉しくて、親が習ってほしい気持ちを優先して、子どもの気持ちを考えていませんでした。今は、子どもがやりたいと言ってきたら、習い事を検討するように変えました。

子どもの将来のことを考えての行動でも、子どもが望んでいないこともあるので、限られたお金をどのように使うかを子どもとも話をして決めましょう!

具体例

たとえば、次の家族の場合で考えてみましょう。

●子ども2人
●私立小学校の選択肢はない

子どもがまだ小さく、行きたい学校も決まっていないので、とりあず平均で考え、その後、明確になれば軌道修正することにしました。
私立の小学校の選択肢はないので、一番安くて全部公立で約800万、一番高くて中学校から全部私立で約1500万です。

子供が2人おり、教育費で3000万円を用意するのは難しいと思っているので、夫婦で相談して、教育費の上限を一人1000万円とし、それ以上になる分はそのとき出せる余裕があれば出して、余裕がなければ奨学金を活用しようと決められました。

なので、用意する金額は1000万円×2人分です。

まとめ

今回は「教育資金はいくら貯めればいいか」について、4つのポイントで考え方をお伝えしました。

①上限を決める
②平均データで考えすぎない
③奨学金=悪ではない
④子どもの望み?親のエゴ?

まず、いくら貯めるのかを設定しないと、お金を貯めても貯めても不安が続きます。

いくら貯めるかに正解はありません。夫婦で話して、決めましょう!

次回は、「老後資金をいくら貯めればいいか」についてお伝えします↓↓↓

【1級FPが解説】老後資金はいくら貯めればいい?2000万円で足りるの?足りないの?

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1級FP技能士
磯山裕樹

立命館大学を卒業後、旅行会社に就職。連日の出張や残業による仕事中心の生活から家族の時間を作るため、自分で自由に時間を決められる働き方を求め外資系保険会社に転職。総額200万円を投資して徹底的にお金に関する学びを追求。その結果、富裕層ではなく、かつての私と同じ悩みを持つ子育て世代にこそ自身が体感したサービスが必要だと考え、磯山FP事務所を開業。“お金が理由で子供の選択肢を狭めない未来”を実現できる子育て世代を増やすべく日々奔走中。

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