【1級FPが解説】NISAやiDeCoをする前に知っておきたい!5つの失敗例と対策

「友人もSNSも本もiDeCo、NISAはやったほうがいいと言うので、焦ってやってみたが、本当にこの方法で良いのだろうか……」と不安になり相談に来られる人が最近多いです。

NISA、iDeCoは始めるのは簡単ですが、継続するのは意外に難しいです。
今回は、「NISAやiDeCoをする前に知っておきたい!5つの失敗例と対策」についてお伝えします。

YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約7分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。

①NISAで損失がでるなんて知らなかった

NISAは利益に対して税金がかからない箱です。

NISAの箱の中で投資している商品が損する可能性はあるので、NISAだから必ず利益がでるとは限りません。NISAという箱に何を入れるかによって利益がでるかどうかが決まります。


出典:「NISAを利用する皆さまへ」(金融庁)

また「全然増えないので、投資をしていても意味がないのでは?」とご相談に来られる人もいます。

長期投資でお金を増やすには時間がかかります。
仮に年5%で運用できた場合、現在の100万円は10年後に163万円、30年後に432万円、50年後に1147万円になります。将来何十年後に使うお金の準備としては有効ですが、数年後に使うお金を準備するのであれば、長期投資でお金を大きく増やすのはそもそも難しいです。

②値動きが気になりストレス

投資をしているが不安を感じて相談に来られる人の話を聞いてみると、「仕事や家族と過ごしているときも値動きが気になってストレスがある」と言ったこともあるようですが、いかがでしょうか?

世の中で「貯蓄から投資」が話題になっていますが、投資をするには、値動きのストレスと付き合う必要があります。値動きに対して恐怖、やらなければ良かった、やっとけばよかったなどの後悔など、気持ちの揺れがあります。

投資されている人は、教科書に書いている理論と実践は全然違うと感じている人もいるのではないでしょうか? 仕事中や家族と過ごしているときも値動きが気になっているようでは本末転倒です。投資をしないほうが良い人もいます。

日本経済新聞の記事によると、2024年3月末時点のNISAの平均保有期間は、つみたて投資枠が1.4年、成長投資枠が2.2年といった状況のようです。多くの本やSNSですすめられている長期積立分散投資ですが、分散して投資することは簡単にできますが、長期で継続するのは意外に難しい現実があります。ほったらかしでただ持っておくだけなのに、それが意外と難しいのです。

参考:「投資信託の保有期間、長期化傾向が定着」(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL161510W4A410C2000000/

僕は、投資を学ばず、自分が投資しているものを理解せず、購入しているからだと考えています。何を買うかも大切ですが、それよりもっと大切なことは、お金と向き合う考え方です。

お金と向き合う考え方については、私の著書のなかの第一章に書いてありますので、参考にしてみてください。

③投資をするより簡単なことをやっていない

投資で月1万円利益を得るのと、家計を見直して月1万円の改善するのは、どちらが簡単でしょうか?

年利回り5%の場合、月1万円の利益を上げるためには、240万円の資金が必要です。家計を見直して月1万円の改善をするのは意外と簡単です。しかも、一度家計の見直しをするとその効果は「永遠」かつ「確実」です。

投資より先に、簡単で効果が高い家計の見直しをしましょう。

④損している状態で、お金が必要になった

「損している状態で、お金が必要になった」という失敗をしないためには、人生設計から投資の方針を決めることが大切です。

最近は、教育資金もNISAで準備する人が増えてきています。きちんと学んで実践している人はいいのですが、中には、2.3年後の教育資金を準備するためにNISAで世界株式などを選択している人もいます。

教育資金が必要なときに暴落があり、足りなくなれば損してでもお金を引き出す必要があります。

家計がうまくいかない人は、予測をします。うまくいく人は、最悪を想定して準備しています。2.3年後はまだ大丈夫だろうと予測するのではなく、最悪を想定して、2.3年後に必ず必要な教育資金なのであれば、価格のブレが少ない金融商品にお金を置いておくほうがよいかもしれません。

⑤投資の利益よりも、借金の損失が大きい

「投資の利益よりも、借金の損失が大きいのに、投資をしている」ことはよくあります。リボ払いで金利を15%支払いながら、iDeCoやNISAで投資しているなどです。

家計は全てつながっています。借金、保険、不動産、預金など、家計全体を見て資産運用の方針を決めることが大切です。

では、住宅ローンと投資の併用はどうなのか? このあたりの考え方は、僕の書籍のP154~157に詳しく書いてあるので、そちらをご覧ください。

まとめ

「NISAやiDeCoをする前に知っておきたい!5つの失敗例と対策」についてお伝えしました。

【失敗例①NISAで損失がでるなんて知らなかった】
→NISAだから必ず利益がでるとは限りません。NISAという箱に何を入れるかによって利益がでるかどうかが決まります。

【失敗例②値動きが気になりストレス】
→何を買うかも大切ですが、それよりもっと大切なことは、お金と向き合う考え方です。

【失敗例③投資をするより簡単なことをやっていない】
→投資より先に、簡単で効果が高い家計の見直しをしましょう。

【失敗例④損している状態で、お金が必要になった】
→最悪を想定して、人生設計から投資の方針を決める

【失敗例⑤投資の利益よりも、借金の損失が大きい】
→借金、保険、不動産、預金など、家計全体を見て資産運用の方針を決める

友人がしているから、本に書いてあったからという理由だけで実践するのではなく、正しい知識を身につけ、自分自身の家計管理に合った実践をしてきましょう!

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1級FP技能士
磯山裕樹

立命館大学を卒業後、旅行会社に就職。連日の出張や残業による仕事中心の生活から家族の時間を作るため、自分で自由に時間を決められる働き方を求め外資系保険会社に転職。総額200万円を投資して徹底的にお金に関する学びを追求。その結果、富裕層ではなく、かつての私と同じ悩みを持つ子育て世代にこそ自身が体感したサービスが必要だと考え、磯山FP事務所を開業。“お金が理由で子供の選択肢を狭めない未来”を実現できる子育て世代を増やすべく日々奔走中。

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