【1級FPが解説】住宅ローンの借り換えは〇〇に相談がベスト!金利だけでなく、借り換えの手数料、団信、手続きに費やす時間を考えよう

今回は、「今借りている住宅ローンより金利が安い銀行を見つけたのですが、借り換えをするべきでしょうか?」とご質問をいただきましたので、回答をしていきます。

借り換えには、複雑な手続きに費やす時間と借り換えにかかる費用がかかるので、他の銀行に借り換えをする前に、今の銀行に金利交渉することがまず第一です。金利だけの比較ではなく、時間とコストを総合的に考えて実行する実践方法をお伝えします。

YOUTUBEで全てを語っておりますので、是非ご覧ください。
動画は約13分の長さがありますが、非常に濃い内容ですのであっという間に見ることができます。
動画の内容は文章でもここから下にまとめておりますので、こちらもご覧ください。

借り換えで有利になる可能性が高い条件

借り換えで有利になる目安は、次の3つを満たす場合とよく言われています。

●残高1,000万以上
●残期間10年以上
●金利が1%以上低くなる

今借りているA銀行の住宅ローンの金利が1%で、B銀行に借り換えしたら0.5%になる場合どうでしょうか?
「金利が少しでも安くなるのであれば、借り換えした方がいいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、そう単純なことではありません。

なぜなら、借り換えするには、費用と時間がかかるからです。
金利だけの比較ではなく時間とコストを総合的に考えることが大切です。

借り換えにかかる費用

「他の銀行に借り換え」する場合と「今の銀行で金利交渉」する場合の費用の違いを見てみましょう。

他の銀行に借り換えする場合の費用

他の銀行に借り換えする場合、借り換えにかかる費用は次のようなものがあります。(金融機関により異なります)

借り換え前の金融機関に払う手数料

【現在の住宅ローンを一括返済する手数料】 約3万円~5万円

借り換え先の金融機関に払う手数料

【新しい住宅ローンの事務手数料と保証料】残高の2.2%程度
事務手数料は住宅ローンの借入時にかかる手数料です。定額型と定率型の2種類があります。相場は定額型が数万円から30万円程度、定率型は借入金額の2.2%です。

保証料は、返済ができなくなったときに肩代わりしてくれる保証会社へ支払う手数料です。

【例】2024年10月現在
●三菱UFJ銀行|事務手数料:借入額×2.2%、保証料:0円、変動金利:年0.345%~
●イオン銀行(定率型)|事務手数料:借入額×2.2%、保証料:0円、変動金利:年0.53%~
●イオン銀行(定額型)|事務手数料:11万円、保証料:0円、変動金利:年0.73%~

保証料を無料としているケースもありますが、その場合は事務手数料を多く設定しています。
また、事務手数料が安く設定されているケースは、金利が高めになることが一般的です。
金利だけでなく、保証料や事務手数料も含めて考えましょう。

【印紙税】
ローン契約時に課税される税金です。電子契約の場合はかかりません。

●500万円超1,000万円以下:1万円
●1,000万円超5,000万円以下:2万円
●5,000万円超1億円以下:6万円

登記に関する手数料

借り換えをする場合は、物件を担保に入れる金融機関が変わるため、物件の登記簿の変更を行う必要があります。

【登録免許税】 残高の0.4%
物件の登記簿の変更にかかる税金です。
この手続きにより、万が一、住宅ローンの返済が滞れば、銀行は住宅を競売にかけて弁済を進めることが可能になります。

(2027年3月31日までの住宅ローン利用については、一定要件を満たすことで税率が0.1%になる軽減措置あり)

【司法書士報酬】 6~10万円
登記簿を変更してもらうのに必要な司法書士への費用です。

借り換え費用の例

たとえば、残債2000万円で借り換えする場合、費用は約70万円程度かかります。

●現在の住宅ローンを一括返済する手数料 約5万円
●新しい住宅ローンの事務手数料と保証料 残高の2.2%→44万円
●ローン契約時に課税される税金 印紙税 2万円
●登録免許税 残高の0.4%→8万円
●司法書士報酬 10万円

手数料70万円を今現金で支払うのは厳しいと思う人が多いのではないでしょうか?
そこは大丈夫です。住宅ローンの借り換えで発生する手数料は、融資額に含めることができます。
先ほどの例の場合、2000万円と手数料70万円で2070万円でローンを組みます。

今の銀行で金利交渉する場合の費用

今の金融機関で金利を交渉する場合は、数千円~数万円の変更手数料と印紙代だけです。
私が以前、金利交渉したときは、5500円の変更手数料と印紙代だけでした。

借り換えにかかる手間

「他の銀行に借り換え」する場合と「今の銀行で金利交渉」する場合の手間の違いを見てみましょう。

他の銀行に借り換えする場合の手間

「金融機関を比較→仮審査→本審査→現在の借入先に連絡→契約手続き」という流れになり、金融機関を比較するのも疲れるし、その後の書類の準備や手続きも結構めんどくさいです。

今の銀行で金利交渉する場合の手間

同じ銀行で金利交渉する場合は、「電話→手続き」で完了です。
私も以前、同じ銀行で交渉をして、金利を下げていただいたことがありますが、手続き時間は約30分でした。

団体信用生命保険の条件も注意

最近は、低金利で金利での差別化が難しいため、各金融機関は団体信用生命保険の内容を工夫して差別化を図っています。
さまざまな条件の団体信用生命保険があり、死亡と高度障害だけでなく、がんや三大疾病の保障が無料でついてくる商品もあります。同じ金利なら、内容が良い団体信用生命保険の方が良いかもしれません。
しかし、その団体信用生命保険は本当に必要なのでしょうか?

無料でついてくるものもありますが、金利を上乗せするタイプの場合、あなたの家族にとって必要な保障なのか考える必要があります。
また、必要な保障の場合、団体信用生命保険にするのか、民間の生命保険にするのかで違いがあります。

下記にて、団体信用生命保険と民間保険の違いや私自身の団体信用生命保険の活用法をお伝えしているので、参考にしてみてください。

【1級FPが解説】団体信用生命保険(団信)と民間の生命保険の5つの違い|団信が向いている人・民間保険が向いている人

金利引き下げの成功率を高める「交渉の方法」

借り換えには、コストも時間もかかるので、私のおすすめは、まず住宅ローンを借りている銀行へ交渉することです。

ただ、何も調べず「金利を下げてください」では難しいです。
金利引き下げ交渉をする際は、次の3ステップで実践するとうまくいく確率が上がります。

ステップ① 住宅ローンの最低限の知識を学ぶ

住宅ローンの基礎知識がないと、交渉するときに、金融機関の言いなりになってしまうので、最低限の知識は学んで相談しましょう。

●固定金利、変動金利どちらがいいか?
●返済の期間はどうするか?
●ペアローン・連帯保証・連帯債務どれがいいか?
●団体信用生命保険(団信)と民間の生命保険どちらを使うか?
●どの金融機関があっているのか?

など、金利を安くするだけでなく、自分にあった住宅ローンを選ぶことが重要です。

住宅ローンの本を2.3冊読む、時間がないよと言う人は、最低限の住宅ローンの基礎知識をまとめていますので、参考にしてみてください。

【1級FPが解説】住宅ローンを徹底解説!借入額・金利・ローン控除・団信・比較方法・借り換えの考え方

ステップ② 借り換えした場合の条件を調べる

次に、借り換えした場合の見積もりや条件などを調べましょう。

調べ方は、住宅ローンを一括比較できるサイトがあるので活用すると便利です。
私が普段利用しているのはモゲチェックというサイトです。収入や住宅ローンの情報を入力すると、借り換えのメリットがある住宅ローンをいくつかピックアップしてくれます。また、チャットで質問もできるので、分からないことがあれば聞くこともできます。

住宅ローンを比較するときの注意点は、下記にまとめています。

【1級FPが解説】住宅ローンの比較は金利だけを見て決めるな!金利・手数料・団信・融資条件を総合的に判断しよう|比較サイトの活用法とメリット・デメリットを徹底解説

ステップ③ 金融機関に丁寧に電話する

金融機関に交渉するときは、気持ちよく動いていただけるように工夫しましょう。
なぜなら、金利を決めるのは、担当者ではなく、本部だからです。
担当者は、お客さまにヒアリングして、そして、本部に「○○という理由で、この人は○○の金利にしてもいいか?」というお伺いを立てます。
金融機関の担当者も人です。「この人のために、希望されている金利になるように頑張ろう!」と思ってもらわないとうまくいきません。

上から目線やきつい言葉は、絶対NGです。

金利交渉するときの電話の例

冒頭、感謝の気持ちを伝える。

(例)10年固定が終わるハガキの案内ありがとうございました。○○銀行さんが住宅ローンをかしてくれたおかげで、家で充実した生活を過ごせています。ありがとうございます。

次に、金利交渉をする。

(例)金利が安い○○銀行があるのをみて、家計も助かるので、そちらを利用したいと考えています。しかし、他の銀行に変えるのは手続きに時間がかかるし、○○銀行さんには今までお世話になっているので、できれば金利を頑張っていただいて、継続したいのですがいかがでしょうか?

必ず金利が下がるとは限りませんが、面倒な手続きをせず、金利を下げることができる可能性があります。出てきた条件と借り換えした場合の条件を検討して、住宅ローンを今の銀行で続けるのか、変更するのか決めるのが楽です。

金利の引き下げ交渉の場合、費用は数千円~数万円の手数料です。
今住宅ローンを借りている銀行も、他の銀行で借り換えする場合、さまざまな費用がかかることは当然知っているので、それを加味した上で条件を提示してくれます。

また、金利を安く条件として

●定期預金を作ってお金を入れる
●普通預金で公共料金の引き落としを設定する
●証券口座で積み立て投資の設定をする

など、条件の提示もあります。
それらも踏まえたうえで、継続か、借り換えか検討しましょう。

まとめ

借り換えには、複雑な手続きに費やす時間と借り換えにかかる費用がかかるので、金利だけの比較ではなく、時間とコストを総合的に考えて実行しましょう。

僕のおすすめは、まず、今住宅ローンを借りている銀行へ交渉することです。
必ず金利が下がるとは限りませんが、面倒な手続きをせず、金利を下げることができる可能性があります。

出てきた条件と借り換えした場合の条件を検討して、住宅ローンを今の銀行で続けるのか、変更するのか決めるのが楽です。

少しの時間を作って行動するだけで、数十万円変わる可能性があるので、実践してみてください!

住宅ローンの記事はシリーズ化しています。順番に読み進んでいただくと、「住宅ローンをどうくんだらいいのか?どう見直したらいいか?」と悩んでいる方が、ご自身にとって最適な住宅ローンを判断できるようになります↓↓↓

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1級FP技能士
磯山裕樹

立命館大学を卒業後、旅行会社に就職。連日の出張や残業による仕事中心の生活から家族の時間を作るため、自分で自由に時間を決められる働き方を求め外資系保険会社に転職。総額200万円を投資して徹底的にお金に関する学びを追求。その結果、富裕層ではなく、かつての私と同じ悩みを持つ子育て世代にこそ自身が体感したサービスが必要だと考え、磯山FP事務所を開業。“お金が理由で子供の選択肢を狭めない未来”を実現できる子育て世代を増やすべく日々奔走中。

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