火災保険の見積もりを見て、
「火災保険料、めちゃくちゃ高くない?」
と思っていませんか。
保険料が高いと、
「補償を減らして、少しでも安くしようか」
と考える方も多いと思います。
もちろん、自分に必要な補償を整理し、適切な内容に見直すことは大切です。
しかし、火災保険料は補償を大きく減らさなくても、
- 契約期間
- 支払方法
- 免責金額
- 割引制度
- 申込先
- 更新時の比較
を見直すことで、安くできる可能性があります。
この記事では、契約方法や申込先の見直しによって、火災保険料を安くする6つの方法を解説します。
目次
火災保険料を安くする6つの方法
火災保険料を安くする主な方法は、次の6つです。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 1.基本的に5年契約を選ぶ | 1年契約を繰り返すより、保険料が割安になる場合がある |
| 2.月払いより一括払いを検討する | 手元に余裕資金がある場合は、一括で支払った方が保険料を安くできる場合がある |
| 3.免責金額を設定する | 小さな損害を自己負担にして保険料を抑える |
| 4.勤務先や銀行などの割引制度を確認する | 団体扱いや住宅ローン利用者向けの制度を確認する |
| 5.自分に合った申込先を選ぶ | 相談の必要性に応じて、代理店型とダイレクト型から選ぶ |
| 6.更新時にも見積もりを取り直す | 現在の契約をそのまま継続せず、改めて比較する |
順番に見ていきましょう。
1.基本的に5年契約を選ぶ
火災保険の契約期間には、1年契約や5年契約などがあります。
長く住む予定の住宅であれば、基本的には5年契約を選ぶのがおすすめです。
5年契約には、主に次のメリットがあります。
- 1年契約を毎年更新するより、保険料が割安になる場合がある
- 契約期間中は、保険料率の引き上げによる影響を受けにくい
- 毎年更新する手間を減らせる
火災保険料は、自然災害の増加や建築費・修理費の上昇などを背景に、過去数年間にわたって引き上げられてきました。
保険会社が火災保険料を決める際の基礎として使用する「参考純率」の主な改定は、次のとおりです。
| 改定の公表時期 | 住宅総合保険の参考純率 |
|---|---|
| 2018年 | 全国平均5.5%引き上げ |
| 2019年 | 全国平均4.9%引き上げ |
| 2021年 | 全国平均10.9%引き上げ |
| 2023年 | 全国平均13.0%引き上げ |
※参考純率は、保険会社が保険料率を決める際の基礎となる数値です。実際の保険料の改定率は、保険会社によって異なります。
このように、火災保険料は数年おきに見直されています。
5年契約であれば、契約後に保険料率が引き上げられても、基本的に次回更新までは影響を受けません。
2.月払いより一括払いを検討する
同じ契約期間でも、保険料の支払方法によって総支払額が異なる場合があります。
主な支払方法は、次のとおりです。
| 支払方法 | 特徴 |
|---|---|
| 一括払い | 契約時の負担は大きいが、総支払額が最も安くなる場合がある |
| 年払い | 1年ごとに支払うため、一括払いより当初の負担を抑えられる |
| 月払い | 毎月の負担は小さいが、分割による割増が生じる場合がある |
一般的には、保険料を月払いや年払いで分割して支払うよりも、一括で支払った方が総支払額を抑えられる場合があります。
途中で住宅を売却したり、引っ越したりして解約する場合も、一般的には未経過期間に応じた保険料が返還されます。
そのため、手元に余裕資金がある場合は、一括払いを検討するとよいでしょう。
一方、まとまった保険料を支払うことで、生活費や緊急時のための貯蓄が不足してしまうのであれば、無理に一括払いを選ぶ必要はありません。
その場合は、年払いや月払いを利用する方法もあります。
見積もりを取るときは、毎回の支払額だけでなく、契約期間全体で支払う保険料の総額を確認しましょう。
3.免責金額を設定する
免責金額とは、事故が起きたときに契約者が自己負担する金額です。
たとえば、損害額が30万円で、免責金額が5万円の場合、一般的には5万円を自己負担し、残りの25万円が保険金として支払われます。
火災保険では、契約内容によって、
- 免責金額なし
- 1万円
- 3万円
- 5万円
- 10万円
などから選べる場合があります。
免責金額を高くするほど、保険会社が支払う保険金が少なくなるため、保険料を抑えられる傾向があります。
つまり、免責金額を設定するとは、小さな損害は自分で負担し、大きな損害を保険でカバーするという考え方です。
たとえば、数万円程度の修理費であれば貯蓄から支払える場合は、免責金額を設定することで保険料を抑えられる可能性があります。
ただし、免責金額を高くしすぎると、事故が起きたときの自己負担も大きくなります。
免責金額を変更することで保険料がいくら安くなるのかを確認し、自分で無理なく負担できる金額とのバランスで判断しましょう。
4.勤務先や銀行などの割引制度を確認する
火災保険は、住宅を購入した不動産会社や住宅会社から案内された商品に、そのまま加入する人も多いと思います。
しかし、火災保険の申込先はそれだけではありません。
たとえば、次のような割引制度や提携商品を利用できる場合があります。
- 勤務先の団体扱・集団扱
- 住宅ローン利用者向けの火災保険
- 不動産会社や住宅会社の提携商品
勤務先や銀行などを通じて申し込むことで、一般の契約より保険料が割安になる場合があります。
制度によっては、数%から10%程度の割引が適用されるケースもあります。
ただし、割引率は勤務先や金融機関、保険会社、契約条件などによって異なります。
住宅購入時に不動産会社や住宅会社から案内された火災保険だけで決めず、
- 勤務先の福利厚生
- 住宅ローンを借りている銀行
- 住宅会社や不動産会社の提携制度
など、利用できる割引がないか確認してみましょう。
5.自分に合った申込先を選ぶ
火災保険には、代理店を通じて加入する代理店型と、自分でインターネットから加入するダイレクト型があります。
主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 代理店型 | ダイレクト型 |
|---|---|---|
| 申込方法 | 担当者に相談しながら申し込む | 自分で補償を選び、インターネットから申し込む |
| 補償内容の相談 | 対面、電話、オンラインなどで相談できる | 基本的には自分で選ぶが、電話やチャットで相談できる商品もある |
| 保険料 | 団体扱いや提携割引などで安くなる場合がある | 中間コストを抑えることで、安くなる場合がある |
| 事故時の連絡 | 代理店を経由して保険会社へ連絡できる。保険会社へ直接連絡することも可能 | 基本的に保険会社へ直接連絡する |
| 事故時のサポート | 必要書類や手続きについて代理店に相談できる場合がある | 保険会社の窓口と直接手続きを進める |
ダイレクト型だから必ず安い、代理店型だから必ず高いとは限りません。
団体扱いや提携割引の有無、保険会社の商品設計などによって、実際の保険料は変わります。
そのため、保険料だけでなく、
- 補償内容を相談しながら決めたいか
- 自分で補償を選べるか
を踏まえて、自分に合った申込先を選びましょう。
補償内容を相談しながら決めたい人
火災保険の補償内容を相談しながら決めたい人は、代理店型が向いています。
代理店型を選ぶ場合、まず確認したいのが、勤務先や住宅ローンを借りている銀行などで利用できる割引制度です。
まずは、勤務先や銀行などに利用できる制度がないか確認しましょう。

勤務先や銀行などで利用できる割引制度がない場合は、できれば3社以上の保険会社を取り扱う代理店に相談するのがおすすめです。
保険会社によって、
- 建物の構造
- 所在地
- 築年数
- 補償内容
- 免責金額
- 特約
などに対する保険料の設定や、商品の特徴が異なります。
1社だけを取り扱う代理店では、その保険会社の商品しか提案できません。
一方、複数社を取り扱う代理店であれば、
- 同じような補償内容で保険料を比較できる
- 建物や地域の条件に合う商品を探せる
- 各社の補償内容や特約の違いを確認できる
というメリットがあります。
補償内容を相談しながら決めたい人は、次の順番で申込先を検討するとよいでしょう。
- 勤務先や銀行などの割引制度を確認する
- 利用できる制度がなければ、3社以上の保険会社を比較できる代理店に相談する
自分で補償を選び、手続きを進められる人
必要な補償をある程度自分で判断でき、インターネット上で見積もりや申込みを進められる人は、ダイレクト型を検討できます。
ダイレクト型でも、電話やチャットで補償内容などを相談できる会社があります。
一方で、基本的には自分で補償内容を確認し、手続きを進める必要があります。

申込先の選び方
| 自分の状況 | 確認したい申込先 |
|---|---|
| 補償内容を相談しながら決めたい | まず勤務先や銀行などの割引制度を確認する。利用できなければ、3社以上を比較できる代理店に相談する |
| 自分で補償を選び、手続きを進められる | ダイレクト型を検討する |
割引制度の有無、相談の必要性、保険料の差を踏まえて、自分に合った申込先を選びましょう。
6.住宅購入時だけでなく更新時にも比較する
火災保険は、住宅を購入するときだけでなく、契約を更新するときにも比較することが大切です。
住宅購入時に、不動産会社や住宅会社、銀行などから案内された火災保険に加入し、そのまま更新している人も多いと思います。
しかし、保険会社によって、建物の構造、所在地、築年数、補償内容などに対する保険料の設定は異なります。
さらに、契約期間中に、
- 保険会社の保険料率が変わる
- 商品や補償内容が変わる
- 転職や住宅ローンの借り換えなどによって、利用できる割引制度が変わる
といったこともあります。
そのため、住宅購入時に安かった保険会社が、次の更新時にも自分に合っているとは限りません。
更新案内が届いたら、そのまま継続する前に、次の順番で見積もりを取り直してみましょう。
- 勤務先や住宅ローンを借りている銀行などで、利用できる割引制度がないか確認する
- 補償内容を相談しながら決めたい場合は、3社以上の保険会社を取り扱う代理店に相談する
- 自分で補償を選び、インターネットで手続きを進められる場合は、ダイレクト型でも見積もりを取る
更新時には保険料だけでなく、
- 建物や家財の保険金額
- 水災補償の必要性
- 免責金額
- 地震保険の有無
- 現在付いている特約
などが、今の生活や建物の状況に合っているかも確認しましょう。
火災保険は、最初に契約した保険会社をそのまま更新するのではなく、更新のたびに申込先と見積もりを比較することが大切です。
まとめ|契約方法や申込先を見直して火災保険料を安くする
火災保険料を安くするために、必要な補償を安易に外す必要はありません。
まずは、次の6つを確認してみましょう。
- 基本的に5年契約を選ぶ
- 手元に余裕資金があれば、一括払いを検討する
- 無理のない範囲で免責金額を設定する
- 勤務先や銀行などの割引制度を確認する
- 自分に合った申込先を選ぶ
- 住宅購入時だけでなく、更新時にも見積もりを比較する
特に、契約期間や支払方法、申込先は、補償を大きく変えなくても見直せるポイントです。
火災保険に加入するときや更新するときは、そのまま契約するのではなく、契約方法や申込先を比較してみましょう。

1級FP 磯山裕樹