住宅ローン控除とは?1級 FPが押さえておきたいポイントと“3つの落とし穴”を解説

住宅ローン控除は、
住宅購入時に使える代表的な税金の優遇制度です。

「税金が戻ってくるお得な制度」
というイメージが強いかもしれません。

・返済期間
・ペアローン
・働き方
・繰上返済をするかどうか
など、
「住宅ローンをどう組むか」
にも関わる制度です。

今回は、
・住宅ローン控除の基本
・FPとして実際によく見る「落とし穴」
について、分かりやすく解説します。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、
「年末時点の住宅ローン残高の0.7%」
が、所得税などから控除される制度です。

たとえば…
年末時点の住宅ローン残高が
3,000万円なら、
3,000万円 × 0.7% = 21万円
つまり、
最大21万円
税金が戻る可能性があります。

ただし、
「現金がもらえる制度」
ではありません。

住宅ローン控除は、
「払った税金が戻る制度」です。

そのため、
そもそも税金をあまり払っていない場合は、
控除を十分使えない
こともあります。

所得税だけで引ききれない場合は、
一部住民税からも控除されます。

住宅ローン控除が使える主な条件

細かな条件はたくさんありますが、
代表的なものは次の通りです。

● 自分が住む家であること
投資用や賃貸用住宅では利用できません。

● 合計所得2,000万円以下
高所得の場合は対象外です。

● 床面積40㎡以上
・合計所得1,000万円超
・子育て世帯などの上乗せ優遇を使う
場合は、50㎡以上が必要です。

● 住宅ローン期間が10年以上
10年未満のローンでは利用できません。

● 一定期間内に入居すること
一般的には、
取得から6か月以内に住み始める必要があります。

制度は税制改正によって変わることもあります。
詳細は、国税庁HPや住宅会社などにも確認しましょう。

住宅ローン控除の限度額と期間

住宅ローン控除は、
「だれが、どんな住宅を買うか」で、
・借入限度額
・控除期間
が変わります。

出典:令和8年度住宅税制改正概要

ポイント① 住宅の性能

住宅ローン控除は、
・長期優良住宅・低炭素住宅
・ZEH水準省エネ住宅
・省エネ基準適合住宅
など、住宅の性能によって、
・借入限度額
・控除期間
が変わります。

また、新築住宅では、
省エネ基準を満たさない住宅は、住宅ローン控除の対象外
となります。

ポイント② 子育て世帯は優遇あり

子育て世帯・若者夫婦世帯は、
住宅ローン控除の借入限度額が上乗せされます。

対象となるのは、
・19歳未満の子どもがいる世帯
・夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
です。

住宅ローン控除の3つの落とし穴

住宅ローン控除は、
とてもお得な制度です。

ただ、実際の相談では、
「思ったよりメリットを受けられなかった」
というケースも少なくありません。

特に注意したいポイントを3つ紹介します。

① 税金を払っている以上には戻ってこない

住宅ローン控除は、
支払った税金以上には戻りません。

そのため、「収入が下がる」と、
控除のメリットを十分受けられない
場合があります。

【特に注意したいケース】
・育休
・時短勤務
・転職
・独立
など。

たとえば、
ペアローンは、
「夫婦それぞれが控除を使える」ため、
税金面では有利になることがあります。

しかし、
・出産後に収入が減る
・働き方が変わる
と、想定より控除を使えないケースもあります。

実際の体験

僕自身も、
会社員時代に住宅ローン控除を利用していました。

しかし、
独立後すぐは利益が少なく、
そもそも税金をあまり払っていなかったため、
「控除を使い切れない」
時期がありました。

住宅ローン控除は、
「今の収入」だけではなく、
「将来の働き方」も含めて考えることが大切です。

② 申請しないともらえない

住宅ローン控除は、
申請しないと利用できません。

【初年度】
→ 確定申告が必要

【2年目以降】
会社員 → 年末調整
個人事業主 → 確定申告

以前の相談でも、
「勝手に戻ると思っていた」
という理由で、
何十万円も受け取り損ねていた人がいました。
忘れずに手続きしましょう。

③ 住宅ローン控除の“最大化”を優先しすぎない

「住宅ローン控除があるなら、
できるだけ多く借りたほうが得ですよね?」
という相談もあります。

確かに、
借入額が大きいほど、
住宅ローン控除は増えやすくなります。

また、
・ペアローン
・頭金を減らす
・返済期間を長くする
ことで、住宅ローン控除を増やせるケースもあります。

ただ、
「住宅ローン控除を最大化するため」に、
・借りすぎる
・無理なペアローンにする
・家計に余裕がなくなる
のは本末転倒です。

大切なのは、
「どれだけ控除を受けられるか」
ではなく、「無理なく返済できること」です。

まとめ

住宅ローン控除は、
住宅購入時に活用したい大きな制度です。

ただし、
「お得だから」
だけで判断すると、
将来の家計が苦しくなるケースもあります。

特に注意したいポイントは、
① 税金を払っている以上には戻ってこない
② 申請しないともらえない
③ 住宅ローン控除の“最大化”を優先しすぎない

という3点です。

住宅ローン控除は、
・返済期間
・ペアローン
・働き方
・繰上返済
など、
住宅ローン全体の考え方にも関わる制度です。

「お得だから」だけではなく、
「将来のライフプランに合っているか」
も含めて考えていきましょう。

次回は「変動金利と固定金利の選び方」について解説します。

変動金利と固定金利どっちを選ぶ? 1級FPが考える「住宅ローンの金利」の基本

この記事が、
家計を整えるきっかけになれば嬉しいです。

 

1級FP 磯山裕樹

プロフィールを見る

PAGE TOP
MENU
家計の整え方