自動車保険を安くするには?補償を削る前に確認したい6つの見直しポイント

自動車保険は、補償内容だけでなく、契約条件や割引制度によって保険料が変わります。

同じような補償内容でも、

  • 誰が運転する契約になっているか
  • 車の使い方
  • 使える割引制度を見落としていないか

によって、保険料に差が出ることがあります。

なお、この記事では、車両保険や人身傷害保険など、補償内容を削るかどうかの話ではなく、運転者の範囲・年齢条件・使用目的・割引制度など、契約条件を見直すことで保険料を抑えられるポイントを整理します。

自動車保険は、知らないだけで余分な保険料を払っていることがあります。

今回は、知っているか知らないかで保険料を抑えられる可能性があるポイントを見ていきましょう。

まず確認したい見直しポイント

自動車保険を安く使うために、まず確認したいポイントは次のとおりです。

見直しポイント 確認すること 安くなる可能性があるケース
運転者の範囲・年齢条件 誰が運転したら補償されるか、誰の年齢を見て条件を決めるか 本人・配偶者しか運転しないのに、誰でも運転できる契約になっている/子どもが運転しなくなったのに、若い人も運転できる条件のままになっている
使用目的 日常・レジャー、通勤・通学、業務のどれか 通勤に使わなくなったのに、通勤・通学のままになっている
免許証の色 免許証の色が変わっていないか ゴールド免許になったのに、更新時に反映していない
団体割引 勤務先などで使える割引がないか 勤務先の団体扱いが使えるのに使っていない
2台目・複数台の割引 セカンドカー割引や複数台契約が使えないか 2台目をお得に始められることや、複数台で割引が使えることを知らない
ダイレクト型の割引 ネット割・証券ペーパーレス割引などが使えるか ダイレクト型で契約するのに、割引を確認していない

それぞれ確認していきます。

1. 運転者の範囲と年齢条件を確認する

自動車保険で最初に確認したいのが、運転者の範囲と年齢条件です。

ここは少し分かりにくいですが、次のように分けて考えると整理しやすくなります。

項目 意味
運転者の範囲 誰が運転したら補償される契約にするか
年齢条件 そのうち、誰の年齢を見て条件を決めるか

まずは「誰が運転するか」を確認する

まず確認するのは、運転者の範囲です。

たとえば、

  • 本人だけが運転する
  • 本人と配偶者が運転する
  • 同居の子どもも運転する
  • 別居の未婚の子どもが帰省時に運転する
  • 友人や知人が運転する

など、実際に誰が運転する可能性があるかを確認します。

運転者の範囲を広くすると、保険料は高くなる傾向があります。

たとえば、本人と配偶者しか運転しないのに、誰でも運転できる契約になっている場合は、保険料を余分に払っている可能性があります。

一方で、本人・配偶者しか運転できない契約にしているのに、同居している子どもが代わりに運転して事故を起こした場合は、補償されない可能性があります。

そのため、運転者の範囲は、「保険料を安くするために狭くする」のではなく、実際に運転する人に合わせて設定することが大切です。

次に「誰の年齢を見るか」を確認する

次に確認したいのが、年齢条件です。

年齢条件とは、何歳以上の人が運転したときに補償されるかを決める条件です。

たとえば、

  • 全年齢補償
  • 21歳以上補償
  • 26歳以上補償
  • 30歳以上補償
  • 35歳以上補償

などがあります。

若い人も運転できる条件にすると、保険料は高くなりやすいです。

ただし、年齢条件は、すべての運転者に適用されるわけではありません。

一般的に、年齢条件の対象になるのは、

  • 記名被保険者(契約上、その車を主に使う人)
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者または配偶者と同居している親族

などです。

つまり、本人、配偶者、同居の子どもなどが運転する場合は、その人の年齢に合わせて年齢条件を考える必要があります。

一方で、別居の未婚の子どもや友人・知人については、年齢条件の対象外となることが一般的です。

そのため、別居の未婚の子どもや友人・知人の年齢に合わせて、年齢条件を下げなくてもよい場合があります。

整理すると、次のようになります。

運転する人 運転者の範囲に含める必要 年齢条件の考え方
本人 必要 本人の年齢に合わせる
配偶者 必要 配偶者の年齢も確認する
同居の子ども 必要 子どもの年齢に合わせる
別居の未婚の子ども 必要 年齢条件の対象外となることが一般的
友人・知人 必要 年齢条件の対象外となることが一般的

具体例1:同居の20歳の子どもが運転していた場合

同居している20歳の子どもが家の車を運転しているケースです。

この場合、子どもが運転しても補償されるように、運転者の範囲と年齢条件の両方を確認する必要があります。

具体例2:別居の未婚の子どもが帰省時に運転する場合

別居している25歳の未婚の子どもが、帰省時に親の車を運転するケースです。

この場合、まず確認したいのは、運転者の範囲です。

別居の未婚の子どもが運転しても補償される契約になっていれば、年齢条件については、子どもの年齢に合わせて下げなくてもよい場合があります。

つまり、親が40代で年齢条件を35歳以上補償にしていても、運転者の範囲を満たしていれば、25歳の別居の未婚の子どもが運転中の事故も補償される場合があります。

具体例3:友人がたまに運転する場合

友人との旅行などで、自分の車を友人が一時的に運転するケースもあります。

この場合、まず確認したいのは、友人自身の自動車保険に「他車運転特約」がついているかどうかです。

他車運転特約がついていれば、友人が一時的に他人の車を運転しているときの事故も、友人自身の自動車保険で補償される場合があります。

ただし、補償される範囲や条件は、友人の契約内容によって異なります。

そのため、友人に運転してもらう場合は、

  • 友人自身の自動車保険に他車運転特約がついているか
  • 自分の車を運転した場合も補償の対象になるか

を、友人から保険会社や代理店に確認してもらいましょう。

もう一つの方法は、自分の自動車保険で、友人が運転しても補償されるようにしておくことです。

たとえば、本人限定や本人・配偶者限定になっている場合、友人が運転中の事故は補償されない可能性があります。

年に数回だけ友人が運転する場合は、旅行の日だけ運転者の範囲を一時的に変更できないか、保険会社や代理店に確認してみましょう。

2. 使用目的を確認する

自動車保険は、車を何に使うかによって保険料が変わります。

自動車保険の使用目的は、一般的に次のように分かれます。

使用目的 主な使い方
日常・レジャー 買い物、送迎、休日のお出かけなど
通勤・通学 通勤や通学に車を使う
業務使用 仕事で車を使う

一般的には、

  • 日常・レジャー
  • 通勤・通学
  • 業務使用

の順に保険料が高くなる傾向があります。

これは、車を使う頻度が多いほど、事故のリスクも高くなると考えられるためです。

具体例

以前は、毎日通勤で車を使っていたため、「通勤・通学使用」にしていたとします。

その後、転職や在宅勤務などで車通勤をしなくなり、車を使うのが買い物や休日のお出かけ中心になった場合は、「日常・レジャー使用」に見直すことで、保険料が下がる可能性があります。

ここで大切なのは、たまに仕事や通勤で使うだけで、必ず使用目的を変えないといけないわけではないということです。

多くの保険会社では、年間を通じて平均月15日以上、通勤・通学や業務で使うかどうかが一つの目安になります。

たとえば、週3日程度の通勤であれば、月15日未満になるケースもあります。

一方で、ほぼ毎日通勤で使う場合は、「日常・レジャー」ではなく「通勤・通学」にする必要がある可能性があります。

ただし、月15日というのはあくまで目安です。

保険会社によって判断基準や確認方法が異なるため、通勤・通学・仕事で使う頻度が変わった場合は、必ず確認しましょう。

実際の使い方と申告内容が大きく違うと、事故時にトラブルになる可能性があります。保険料を安くするために、実態と違う使用目的で契約するのは避けましょう。

3. 免許証の色を確認する

ゴールド免許の場合、自動車保険の保険料が割引になることがあります。

たとえば、東京海上日動のゴールド免許割引では、運転者の範囲や年齢条件に応じて、次のような割引率が案内されています。


出典:東京海上日動 各種割引制度

また、保険期間の途中でブルー免許からゴールド免許になった場合、原則としてすぐに保険料が下がるのではなく、次回更新時から反映されることが多いです。

4. 団体割引を確認する

勤務先によっては、自動車保険の団体扱いを利用できる場合があります。

団体割引の割引率は、勤務先や団体によって大きく異なり、たとえば、企業や勤務先の福利厚生制度によっては、数%〜20%程度の割引が案内されているケースもあります。

勤務先や所属団体で団体扱いの自動車保険が使えるかどうかは、一度確認してみましょう。

5. 2台目・複数台の割引を確認する

車が2台以上ある家庭では、セカンドカー割引と複数台契約の両方を確認しましょう。

この2つは、どちらも車が複数台ある場合に関係する制度ですが、内容は違います。

制度 何の制度? 使うタイミング 効果
セカンドカー割引 2台目以降の車を新しく契約するときの制度 新しく2台目を買ったとき 通常6等級スタートのところ、7等級から始められる
複数台契約・ノンフリート多数割引 複数の車をまとめて契約する制度 家族で複数台の車を持っているとき 台数に応じて保険料が割引される

つまり、

  • セカンドカー割引は「2台目を何等級から始めるか」の制度
  • 複数台契約は「複数台まとめることで保険料を割引する」制度

と考えると分かりやすいです。

セカンドカー割引

通常、自動車保険を新しく契約すると6等級から始まります。

しかし、セカンドカー割引が使える場合は、2台目の契約を7等級から始められる可能性があります。

たとえば、東京海上日動では、通常の新規契約である6等級は3%割増、セカンドカー割引が適用された7等級は38%割引と案内されています。

つまり、2台目を購入するときにセカンドカー割引を使えるかどうかで、スタート時の保険料に大きな差が出る可能性があります。

主な条件としては、次のようなものがあります。

  • 1台目の契約が11等級以上であること
  • 2台目が初めて自動車保険に加入する車であること
  • 1台目と2台目が、主な自家用車であること
  • 2台目の保険開始日が、1台目の保険期間内にあること
  • 2台目の記名被保険者や車の所有者が、1台目の記名被保険者本人、配偶者、同居の親族など、一定の範囲に入っていること

たとえば、夫の車が11等級以上で、妻が2台目の車を購入する場合や、親の車が11等級以上で、同居している子どもが2台目を購入する場合などは、セカンドカー割引を使える可能性があります。

ただし、条件は保険会社によって異なります。2台目を購入するときは、「セカンドカー割引を使えますか?」と必ず確認しましょう。

複数台契約・ノンフリート多数割引

家族で車を複数台持っている場合は、契約をまとめることで、台数に応じた割引が使える場合があります。

たとえば、東京海上日動のノンフリート多数割引では、契約台数に応じて次のような割引率が案内されています。

契約台数 割引率の例
2台 3%
3〜5台 4%
6台以上 6%

複数台契約としてまとめるためには、満期日をそろえる必要があるなど、最初の手続きは少し面倒ですが、一度まとめると、割引を受けられるだけでなく、更新管理もしやすくなります。

6. ダイレクト型を使う場合は割引も確認する

ダイレクト型の自動車保険を使う場合は、インターネット割引や証券ペーパーレス割引などが使えることがあります。

たとえば、ソニー損保では次のような割引が案内されています。

  • 新規申込時のインターネット割引:12,000円
  • 無事故割引:2,500円
  • 証券ペーパーレス割引:500円

合計で15,000円の割引です。

このように、ダイレクト型では、インターネットから申し込むことや、紙の保険証券を発行しないことなどで、保険料を抑えられる場合があります。

ダイレクト型を検討する場合は、見積もり時に使える割引が反映されているか確認してみましょう。

まとめ

自動車保険は、知らないまま契約しているだけで、実際の使い方に合わない条件のまま保険料を払い続けていることがあります。

大切なのは、補償をむやみに削ることではなく、今の家族構成や車の使い方に合わせて、契約条件を整えることです。

特に、

  • 運転者の範囲・年齢条件
  • 使用目的
  • 免許証の色
  • 団体割引
  • 2台目・複数台の割引
  • ダイレクト型の割引

などは、知っているか知らないかで保険料に差が出ることがあります。

ただし、割引制度や条件変更の取り扱いは、保険会社や保険商品によって異なります。そのため、知識として見直しポイントを知ったうえで、自分の判断だけで変更するのではなく、必ず保険会社や代理店に確認しながら変更しましょう。

この記事が、
家計を整えるきっかけになれば嬉しいです。

 

1級FP 磯山裕樹

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