住宅ローンの繰り上げ返済はするべき? 僕が「基本しない」と考えている理由

「繰り上げ返済したほうがいいですか?」
住宅ローンを組むと、かなり多い質問です。

個人的には、
「基本は繰り上げ返済しない」考えです。

理由は、
・住宅ローン控除
・低金利
・手元資金
・投資
・団信
などを総合的に考えると、
「住宅ローンを長く組んでいたほうが、
家計全体ではメリットが大きい」

と考えているからです。

ただし、
「全員が繰り上げ返済しないほうがいい」
とも思っていません。

今回は、
「繰り上げ返済をするべきか?」
の判断ポイントを整理していきます。

実際にどれくらい効果がある?

例えば、
次の条件で考えてみます。
・35歳
・30歳で35年ローン
・残り30年
・残高3,000万円
・変動金利0.5%

このまま金利0.5%が続く場合、
・毎月返済:約89,756円
・今後30年の利息:約231万円
です。

 

繰り上げ返済には2種類ある

繰り上げ返済には、
大きく2つの方法があります。

・期間短縮型
・返済額軽減型

それぞれで、300万円を繰り上げ返済すると
どんな違いがあるかみていきましょう。

期間短縮型

毎月の返済額はそのままで、
返済期間を短くする方法。

300万円を期間短縮型で返済すると、
・約3年2か月短縮
・利息約46万円削減
になります。

つまり、
「300万円返済して、
減る利息は46万円」
ということです。


↑返済期間が2053年から2050年に変わっています。

返済額軽減型

返済期間はそのままで、毎月の返済額を減らす方法。

返済額軽減型で300万円を繰り上げ返済した場合、
・毎月返済:約9,000円減
・利息:約23万円減
になります。

利息軽減効果は、
期間短縮型のほうが大きいです。

一般的には、
「利息を減らしたい」
なら、期間短縮型

「毎月をラクにしたい」
なら、返済額軽減型
です。

期間短縮型 返済額軽減型
毎月返済 変わらない 少なくなる
返済期間 短くなる 変わらない
利息軽減効果 大きい 小さい

僕が「基本しない」と考える理由

僕が「基本しない」と考える理由は次の5つです。

① 低金利なら投資のほうが合理的な場合がある
② 住宅ローン控除が使える
③ 手元資金が減るリスク
④ 気持ちの安心感も大切
⑤ 団信がある

① 低金利なら投資のほうが合理的な場合がある

例えば、
金利0.5%
の住宅ローン。

300万円繰り上げ返済すると、
確実に46万円
利息削減できます。

一方で、
300万円を投資した場合。

例えば、
・年1% → 約104万円利益
・年4% → 約673万円利益
など、
住宅ローン金利を大きく上回る可能性があります。

そのため、
「低金利で借りながら、
資産運用する」

ほうが合理的なケースもあります。

また、
「繰り上げ返済はいつでもできる」
という点も大きいと思っています。

まずは、
「手元資金を持ちながら、
コツコツ返済する」

そして、
・金利上昇
・教育費の終了
・資産増加
など、
状況が変わったタイミングで、
「繰り上げ返済するか?」
を考えることもできます。

例えば、
「住宅ローン金利4%」
「資産運用の期待利回り5%」
くらいになると、
「差がかなり小さい」
です。

その場合は、
「確実に4%の利息を減らせる」
繰り上げ返済を優先する考え方も、
十分ありだと思っています。

② 住宅ローン控除が使える

住宅ローン控除は、
「年末残高×0.7%」
税金が戻る制度です。

そのため、
「住宅ローン控除期間中」
は、繰り上げ返済しない
ほうが、
合理的なケースが多いです。

③ 手元資金が減るリスク

住宅ローンは、
「ほかのローンよりかなり低金利」
です。

一方で、
・教育ローン
・自動車ローン
・カードローン
などは、
もっと金利が高いことが多いです。

例えば、
「住宅ローンを頑張って返済」した結果、
「教育費が足りず教育ローン」
になると、本末転倒です。

そのため、
「手元資金を減らしすぎない」
ことは、かなり大切だと思っています。

④ 気持ちの安心感も大切

ただし、
「数学的な正解」
と、「気持ちの正解」
は違う
ことがあります。

例えば、
・借金があるのが嫌
・ローン残高が不安
・早く完済したい
という人もいます。

実際、
「ローンが減ると安心する」
人も多いです。

これは、
数字では測れません。

ちなみに、
私は、「借金があること」
自体には、あまり抵抗がありません。

そのため、
「低金利で長く借りて、
コツコツ返済する」考え方が、
自分には合っています。

ただ、
これは性格にもよると思っています。

⑤ 団信がある

住宅ローンには、
「団体信用生命保険(団信)」
があります。

万が一、
亡くなった場合などは、
「住宅ローンがなくなる」
ケースがあります。

そのため、
「生命保険の一部」
として考えることもできます。

特に、
・持病がある
・新しく生命保険に入りにくい
・保険料が高くなる
人にとっては、
「団信の価値」
はかなり大きいです。

繰り上げ返済をすると、
その分、団信で保障される住宅ローン残高も減ります。

そのため、
「繰り上げ返済をすることで、保障も減る」
という視点も大切です。

まとめ

個人的には、
「基本は繰り上げ返済しない」
考えです。

理由は、
・住宅ローン控除
・低金利
・手元資金
・投資
・団信
などを総合的に考えると、
「長く借りて、コツコツ返済する」
ほうが、家計全体では合理的
だと思っているからです。

ただし、
・借金が嫌
・早く完済したい
・投資が苦手
という人は、
「安心感を買う」意味で、
繰り上げ返済する考え方も、
十分ありだと思っています。

大切なのは、
「利息だけ」ではなく、
「家計全体で安心して続けられるか?」
で考えることだと思っています。

この記事が、
家計を整えるきっかけになれば嬉しいです。

 

1級FP 磯山裕樹

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