【1級FPが解説】県民共済のメリット・デメリット|安いだけを理由に選んだら失敗する

「県民共済って安いからお得と聞くが本当?」よくある質問について解説していきたいと思います。

県民共済を安いだけを理由に加入すると失敗する可能性があります。
県民共済のメリット・デメリットを考えて、自分自身に合っている方法で実践しましょう。

県民共済とは

県民共済事業は、全国生活協同組合連合会が、消費生活協同組合法に基づき、厚生労働省の認可を受けて行っています。
民間保険は営利団体が運営しているのに対して、県民共済は非営利団体が運営しているのが大きな違いになります。

県民共済の運営は都道府県ごとに分かれています。
僕が住んでいる岡山県であれば、岡山県民共済が運営しています。

どこの都道府県の県民共済に入ることができる訳ではなく、居住もしくは勤務している地域の県民共済のみ加入ができます。
岡山県で居住・勤務している僕が、広島県の県民共済に入ることはできないということですね。

各県で保障の内容は違うので、もし居住と勤務が別の県の場合は、比較してよりよい内容の方で加入することもできます。
今回は、岡山県民共済を例にお話ししていきますね。

県民共済の商品は、0歳から85歳まで様々なタイプの商品が用意されています。
ただし、県民共済に加入できるのは、69歳までです。継続は85歳までできます。

0歳~17歳まで、18歳~64歳まで、65歳~85歳までに大きく分かれていますね。
また、年齢によっては、総合的なバランスを重視したものや医療費の備えを重視したものなど複数のタイプから選択できます。


岡山県民共済HPより

時系列で表すと次の図のような感じですね。


岡山県民共済HPより

県民共済のメリット

ここからは、県民共済のメリットについてお伝えします。

①保険料が安く、割戻金もある

保険料が安い理由は、県民共済は非営利団体が運営しているので、営利を目的にした事業ではないからです。
また、余剰金がが出たときは利益とせず、割戻金としてお金が返還されることになっています。

例えば、岡山県民共済の2022年の割戻金実績は、9.3%となっており、毎月2,000円、年間24,000円の保険料を払っている場合、割戻金は2,232円になります。
必ず割戻金があるわけではなく、県によっても、年によっても金額は変わってきます。


岡山県民共済HPより

②商品がシンプルで選びやすい

各年齢区分ごとに商品の数は数種類です。

民間保険の場合は、種類がありすぎて何を選んだらよいか迷う方もいると思いますが、県民共済は、入院と死亡をバランスよくしたいのか、医療費の備えを重視したいのかなどで商品が決まっているので、選びやすいと思います。

③年齢があがっても掛金は変わらない

例えば、30歳で月2,000円のコースに申込むと、85歳まで保険料は2,000円です。
保険料が一律なのは、分かりやすくていいですね!

ただし、保険料は同じですが、保障の中身は変わっていくので注意が必要です。

県民共済のデメリット

ここからは県民共済のデメリットについてお伝えしていきます。

①一生涯の保障ではない

県民共済は85歳までしか更新することができません。
85歳以降に亡くなったり、入院したりすることは備えることができません。

85歳までの保障を安くしたいという方は合っていると思いますが、85歳以降も一生涯の保険に加入したいという方には合っていないかもしれません。

②死亡保障が小さい

18歳~60歳のコースで、死亡保障の最高限度は、総合保障4型(保険料は月4,000円)です。

亡くなる原因によって保障額は異なり、病気で800万、交通事故をのぞく不慮の事故で1600万円、交通事故で2000万円となっています。


岡山県民共済HPより

貯蓄額や状況により異なるとは思いますが、子育て世代にとっては少ない保障になっている方をよくみます。

先日も、小学生の子供が3人いるのに、県民共済のみの方がいました。
その家庭は貯蓄が500万円ほどで、奥様が専業主婦の家庭だったので、ご主人が病気で亡くなったら、800万円しかでてきません。
これでは、もしそうなったら、残された奥様と子供は厳しい生活をしないといけなくなりますね。

県民共済を選択する場合も、足りない分は他の保険も活用した方が良い場合もありますので、いくら保障が必要かをしっかり考えて決断しましょう。

③年をとるとだんだん保障が少なくなる

保険料は変わらないですが、60歳から段階的に保障が少なくなります。

例えば、岡山県民共済の18歳~65歳の総合保障2型(保険料2,000円)、65歳から85歳の熟年2型(保険料2000円)を見てみましょう。

病気で入院した場合は、1日当たりの給付金額と最長の給付日数が変わってきます。

18歳~65歳まで:日額4500円(124日まで)
⇒65歳~70歳まで:日額2500円(124日まで)
⇒70歳~80歳まで:日額2500円(44日まで)
⇒80歳~85歳まで:日額1000円(44日まで)

病気で亡くなった場合は、死亡保障の金額が変わってきます。
18歳~60歳まで:400万円
⇒60歳~65歳まで:230万円
⇒65歳~70歳まで:100万円
⇒70歳~80歳まで:50万円
⇒80歳~85歳まで:30万円

「若い時の保障がたくさん必要で、老後の保障は少なくてもいいよ」という方は県民共済が合っていると思います。
しかし、「老後の保障もきちんと確保しておきたい」という方は、合っていないかもしれません。別の保険では、一生涯亡くなるまで保障が続くものもあるので、合わせて検討してみましょう。

④カスタマイズできない

県民共済は商品が限られており、選びやすいというメリットがありますが、これが人によってはカスタマイズできないというデメリットになる場合もあります。

例えば、病気になった備えは最低限で、亡くなったり、後遺障害になった時にたくさん備えたいというような意向があったとしても、カスタマイズすることはできません。

また、死亡保障について、子供がいる期間は2000万円必要だったが、子供が巣立って死亡保障の額を減らして、保険料を下げるということはできません。

自身が備えたい箇所が明確で、県民共済のコースにない場合は、その他の保険を検討することも必要かもしれません。

⑤若い人、たばこを吸わない人、健康な人は民間保険の方が有利な場合も

県民共済は安いというイメージがあるかもしれませんが、人によっては民間保険を利用した方が有利な場合もあります。

県民共済は、年齢、喫煙の有無、健康への取り組み(健康診断を受けている)の違いは、保険料や保障の内容に関係ありません。

つまり、「20歳で、禁煙、健康診断を受けて健康状態も良い人」と、「60歳で、喫煙をしていて、ある一定の健康状態を保っている人」の保険料も保障の内容も一緒ということです。

民間保険の中には、年齢、禁煙、健康への取り組み(健康診断を受けていて健康状態が一定以上)によって保険料が割引される商品もあります。
若い人、たばこを吸わない人、健康診断などを受けている人は、民間保険も合わせて比較してみてもよいかもしれません。

まとめ

県民共済の概要とメリット・デメリットについてお伝えしました。

県民共済のメリットは次の3つでしたね。

①保険料が安く、割戻金もある
②商品がシンプルで選びやすい
③年齢があがっても掛金は変わらない

県民共済のデメリットは次の5つでしたね。

①一生涯の保障ではない
②死亡保障が小さい
③年をとるとだんだん保障が少なくなる
④カスタマイズできない
⑤若い人、たばこを吸わない人、健康な人は民間保険の方が有利な場合も

県民共済を安いだけを理由に加入すると失敗する可能性があります。
県民共済のメリット・デメリットを考えて、自分自身に合っている方法で実践しましょう。

次回は、「ご相談事例|【40代Aさんガンの罹患事例】がん保険より、がんで働けなくなった時の保険で人生が救われた!」についてお伝えします。
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